朝、6時前に目が醒めてしまったので、Mをベッドに残して1人リスボンの街に出る。コメルシオ広場からぶらぶら歩いている内に気づいてみれば昨日路面電車で行ったバイロアルトに出てしまう。観光案内でみると別の街みたいだけど、ほとんど六本木と乃木坂程度の距離感覚。昨日は混雑していたので気づかなかったが、広場の近くに有名なカフェブラジリアの看板、そして店の前にはペソナの銅像が立っている。尊敬していた詩人なのに、何だか安っぽく見えて悲しい。ホテルに帰って食事した後、Mと適当に市電に乗っていたら降りた処がベレンの塔の近く。近所の発見のモニュメントからジェロニモス修道院と観光見物をしてしまった。
ポルトガルは魚介類をよく食べると聞いていたので、食べ物には困らないと思っていたのに、これぞポルトガルという料理に今日まで出会わず、少し当てが外れた気持ちでいた。処が今日、アルファマ地区の外れの路地裏を歩いていたら魚を焼く匂い。これはひょっとして?そう、視線の先に薄汚れた食堂があって、おばちゃんがイワシを焼いていたのだ。俺とMがそこにとびこんだのは言うまでもない。そして二人で食べたイワシの塩焼き、なんと十尾。こんなに一杯イワシを食べたのは生まれて初めての経験だ。これで少しは欲求不満が解消。となるとどんどん欲望が膨らんでくる。さて明日はタコかイカか?