桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・5・6

2009年05月07日 | Weblog
今日が現地時間で何日で日本時間で何日か分からない。でも、とにかく今日がリスボン最後の朝だ。さすがに八日間続けると、例え美味しくても飽きが来るホテルのビュッフエスタイルの朝食も今日が最後だと思うと、いつもはアメリカンなのに今日はポルトガルスタイルのエスプレッソをダブルで二杯も飲んでしまう。荷造りをした後、最後のリスボン散歩に出かける。何回も出かけていることはいるけど、どうしても詩人ペソアの銅像をきちんと映像に記録しておきたくて、Mに無理を行ってカフエブラジリアまでつきあって貰う。観光客の中にペソアはいた。鳩が止まったりしてまるで上野の西郷さんの銅像みたいだ。でも、俺の中では偉大なポルトガルの詩人ペソアだ。何の策もなくただ十数分もペソアの銅像だけをビデオで撮り続ける。傍にあった書店で読めもしないペソアの詩集を13ユーロだして買う。これだけでリスボンにきたいい思い出が出来た。一旦ホテルへ戻って2時前にはリスボン空港へ。空港のカフェで俺はシーフードパスタとニンニク風味のサイコロステーキ、Mはハンバーグで腹拵え、そして次にいつ吸えるか分からない煙草をカヘェの表で一服。それにしてもポルトガルは喫煙派の俺には最高の町。何処でも煙草が吸えたし、吸殻だって一昔前の日本みたいにみんな路上へポイ捨てだ。それが何となく昔のヨーロッパ映画みたいで懐かしい光景だ(勿論、禁煙派にとっては許せない町だということは分かっている)。そしてその嫌な予感は当たってしまって、3時過ぎのエールフランスに乗ってドゴール空港について成田行きまで五時間近くも待たなくてはならなかったのに、ドゴール空港は何処にも喫煙所がない。喫煙所ばかりじゃない。食べる場所も時間的にかちゃんとした店がない。ただただ珈琲ばかり飲んで過ごす5時間近くというのはかなりの地獄だ。煙草を吸えなかったことに疲れたのか成田行の飛行機の中は夜か昼か分からないけど、ずっと眠り続ける。そして気づくと北極圏を廻って日本近くへ。飛行機の中でも和食の機内食があったけど、そんなものにだまされまいと洋食を選び、部屋に遅い時間に戻ってからわざわざご飯を炊いて、生卵ご飯を食べる。その美味いのなんの。そっちの欲望に関心が行き過ぎて、煙草は成田でも吸えなかったけど、部屋に帰るまですっかり忘れていた俺。煙草より食い物というごく自然な選択。さて、明日からは改装なった店でポルトガルの土産話に花を咲かそう。