桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・5・19

2009年05月20日 | Weblog
9時過ぎに映像作家で映画評論家でもあるOさんが来店するまで、店には6時から高校の同級生のO君とF君だけ。新しく作ったテーブル席で俺を交えて月に一度のミニクラス会。もう十数回も続けているし、話題も尽きる筈なのに、同じ話になっても面白く聞こえてしまうのはクラスメイト故か?Oさんは俺が隣に座るなり、週末に見た『余命一ヶ月の花嫁』の話題。映画評論家としての職業柄か俺みたいに泣いたりはしなかったけど、H監督の最高傑作とのこと。他にも普段なら絶対みようとは思わない題材のこの映画を、俺が凄いというもんだから騙されたと思って見に行ったY君やお客さんの日本画家Kさんも泣きっぱなしだったそうだし、映画プロデューサーのKさんはH監督の映像テクニックに絶賛の嵐。いい年の男たちをこれほどまでにしてしまう『余命……』ってとんでもない映画だ。Oさんとは続いて俺が一昨日DVDで見た『接吻』などについて映画談義。さすが映画評論家だけあって彼の意見には色々と触発を受ける。他にお客さんは遅れてミニクラス会に参加したMさん、週刊BのIさんたち四人、プログラマーのIさん、イチゲンのカップル、六本木のライブステージSのOさんたちで3時半すぎまで。
★リスボン日記補遺(3)
4/30
時差にも困ったけど、リスポンでもう一つ困ったことは「電気問題」。リスボンからもこの日記を書いて送るつもりだったので、海外からもメール出来る携帯にわざわざ機種変更し、充電する為の変圧器?も買って行ったのに、その変圧器がホテルのコンセントに入らない為、充電が出来なくなってしまった。昨日はファド歌手のTさんに無理を言って、彼女の部屋のコンセントを貸して貰って充電したけど、毎日お願いする訳には行かない。まぁ、日記は諦めてもいいけど、東京にいるY君から内装工事のことでいつ電話が入るから分からないので、電源を切っておく訳にもいかないし、どうしたらいいか分からない。そんなことをグズグズ思いながらお昼から市電に乗って気ままなリスボン漫遊。家と家との間をノロノロと縫う様に走る市電は一秒を争う様に走る東京の地下鉄に慣れているとノスタルジックな気持ちになる。バイロアルト地区で降りて何かの本に出ていた魚料理の店へ行ってみる。処が生憎と改装中。仕方なく、市電の中から見えた線路沿いにあるカフェレストランに入ってみる。線路を目の前にして置かれたテーブルに座り、シャンパンをオーダーすると、女性スタッフ数人が代わる代わるで栓が抜くのに悪戦苦闘。仕方なくお客の俺が代わる。そのことでみんなと打ち解けて、気分がよくなったので次々と料理をオーダー、数日ぶりに食欲が戻って三時間以上のんびり過ごす。帰りは坂の下に見えるテージョ川を視界にいれながらほろ酔い加減でホテルのあるバイシャ地区へ。一休みした後、7時にTさんに迎えに来て貰って、彼女のファドの先生Aさんの車で二人のライブ会場である『VELHO PATEO DE SANTANA』へ。すっかりポルトガル人化しているTさんのファディストぶりと同時にA先生や若手美人ファディストCの美声を堪能する。ポルトガルの夜は長い。9時近くに始まったライブは12時になっても終わらない。聞けば1時過ぎまで歌っていて、更にそこから飲みに出かけるとか。とてもついていけないので12時前にタクシーでホテルへ。ここは上品な店だったけど、時間があったら下町にある下品な店でファドを聞いてみたいと思うけど、そんな勇気があるや否や?(続く)