桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2009・4・5

2009年04月06日 | Weblog
美術デザイナーのHさんに誘われて、Mと二人、東京ドームに巨人広島戦を見に行く。取りにくいと言われるバックネット裏の特等席を、東京ドームに知り合いのいるHさんがコネを使って取ってくれたものだ。広島出身のHさんは生まれながらのカープファン。というより、ファンクラブにまで入っているカープマニアだ。映画やCM、更には彼女が企画プロデューサーとして今年の冬に開催される広島短編映画祭の為に毎日を秒単位で走りまくっているというのに、この開幕戦は睡眠時間を惜しんでまで三連戦共見るというのだからマニアぶりは徹底している。更に席に着いてびっくりする。Hさんが袋の中から恭しく取り出したのは応援バットや選手の名前の入ったユニホームなどカープグッズの数々。広島出身のMは当然の如く栗原選手のユニフォームを着せられて試合は始まった。こうして東京ドームで野球を見るなんて15、6年ぶりだ。でも、あの時はファイターズとライオンズ戦だった。巨人戦はその数年前からテレビでさえ見てない。だから選手の名前がWBCに出場した選手以外全く分からない。昔は……そう子供の頃から巨人マニアだった俺は、二軍の選手に至るまで、名前は勿論、出身地や出身校、去年の成績から相手投手との相性まで記憶していたものだ。そして中継が始まると仕事を放ったらかしにして、テレビの前に座り込んだものだ。それがあの日以来……そう、ライオンズとの日本シリーズ、クロマティの緩慢プレーで一塁走者だった辻がセンター前ヒットで本塁まで生還するという今まで見たことのないプレーを目撃してしまった途端、40年近くに及ぶ巨人マニアの熱が一気に冷めてしまったのだ。多分、あの日のあのプレーさえなかったら、ダメ巨人と言われようと何と謗られようと巨人マニアでいた気がする。でも、一度冷めた熱は戻らない。今日も巨人を応援しようという気にはならない。だからと言って、カープを応援するのは広島出身のHさんやMにおもねるようで嫌だし、俺は純粋な野球ファンになって、両チームのプレーを楽しんだのだけど、贔屓チームが負けてストレスがたまるなんてことがない代わりに、ハラハラドキドキ感もないのは野球観戦の面白さが半減してしまう訳で、それはそれでやはりつまらない。
※4/27(月)~5/6(水)まで店内改装の為お休みします。