２００９・４・１４

唐突だけど、核兵器の話。田原総一朗と佐藤優の討論集『第三次世界大戦』を読んでいたら、日本が核兵器を持てば原子力発電所がなくなる　という今まで考えもしなかった逆説を突きつけられる。それは、日本が核兵器を所有すると核拡散防止条約から離脱することになって、ウランが入手できなくなり、10年の備蓄量しかない日本は原子力発電をやめざるえなくなるというのだ。勿論、核兵器を持たなくても原子力発電をやめることは出来るけど、現在電力の30数％を原発に依存して、電力を使い放題使っている日本で、原発を廃止しようとスローガンだけを叫んでみても意味のないことで、どうしても原発を廃止したかったら核兵器を持つ運動をした方が早道みたいなのだ。逆に言うと、原発依存をもっと増やしてしまえば核兵器を日本は絶対持つことは出来なくなるというパラドックス。同じようなことは環境問題にもあって、割り箸を使えば森林が減るんじゃなくて、反対に増えるという説がある。割り箸は元々間材と言って間引きした木材で作っていて、割り箸の需要がなくなると間材を切らなくなり、森林が朽ちていくという説だ。勿論、中国や東南アジアで割り箸を作るだけの為に森林を伐採するのは不味いけど、一概に割り箸を目の敵にしてマイ箸を使ったりしていると、日本の森林はダメになるというパラドックス。世の中は複雑だ。一面からみれば正しいことも反対からみれば間違っていることが一杯あるのだ。この年になっても自分を取りまく社会のこと、人生のことがホンの少ししか分かってない自分に反省すると同時に、もっと知的好奇心を膨らませたいと思うのだけど、こっちも体力と同じで段々と弱っていることは間違いない、なんてツラツラ思ったりする今日、店は雨の影響もあってか、6時半に来て12時まで飲んで行ってくれた日本画家のＫさん、人妻Ｉちゃん、映画配給プロデューサーのＡさんとＷさん、映画カメラマンのＹさん、そしてイベントスペースの見学兼で飲んで行ってくれたＳさんたち、同じく七月に公演する人気劇団『Ｈ』の演出家Ｏ君、後はすき焼きをそれぞれご飯大盛りで食べた後に別々のパスタを食べて行ってくれたイチゲンのお客さん二人だけ。12時過ぎて1時半までお客さんの姿はなし。ＭがＹ君にカクテルの指導を受けている間、俺は何時の間にかカウンターで舟を漕いでいた。
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