還暦間近の酒場のマスターの「愛情生活」は難しい。夕べは久しぶりにOと朝まで飲む約束をしていたのに、始発までお客さんが残ってしまい、待ち合わせの店に駆けつけた時にはOは怒って帰ってしまっていた。電話しようがメールしようがOは出ない。仕方なくひと眠りしてOの住むC駅へ。駅前のケンタッキーでひたすらOが応じてくれるのを待つ。3時過ぎ漸くOが現われる。その間、食べたケンタッキーは5ピース。ポテトとサラダも食べた。スープとコーラも飲んだ。テーブルの上に置かれたその残骸を見てOは呆れた様に笑って許してくれる。そして見たい映画があるんだけどと云う。土曜日だし、いつもなら少し位遅くなってもいいやと喜んで応じる処なんだけど、今日は生憎と5時からパーティが入っていて、もう出なくてはいけない時間だった。じゃ、誰かと見るからいいわと云うOを残してケンタッキーを飛び出す。Oとの逢瀬はたった30分。以後再びメールと携帯にOは出てくれない。23歳の女の子との2か月半の「愛情生活」が終った予感。まぁ、仕方ないか。店に出てからは厨房で三時間立ちっぱなしで料理を作り、パーティが終ってからも後片付けに飛び回ったりして働きまくる。久しぶりに来てくれたAちゃんが、とても還暦間近には見えないわと誉めてくれる。うん、そうかも知れないけど、実は動いてないと落ち込みそうだったんでね。12時きっかりに閉店、とにかく疲れたし、眠い。まっすぐ帰ってバタンキュー。