2時から建築事務所のFさんと打ち合わせ。新しい店の内装について最終見積予算を提示して貰い、何とか今月中には工事を終える段取りになる。11月から今日まで整備不良と悪天候とが重なって離陸できないでいたけど、今度は何とか飛び立てそうだ。打ち合わせは一時間弱で終わって、5時に従兄弟のSさんと品川駅で会うまで時間があったので、北里通りから魚籃坂下、伊皿子坂へ抜け、品川駅に向おうとしたが、泉岳寺まで来てもまだ約束の時間までに一時間半もあったので、都営浅草線に乗って馬込駅にいく。馬込は幼少期に過ごした町なのだが、区画整理もあって自分の住んだ家が何処にあったのか分からないできたものだから、時間があると今日みたいに駅周辺をうろつくことにしているのだ。幼少期の写真などから日本で初めてできだという立体交差のある松原橋は記憶に残っていて、家がその近所だったことは確かなのだが、当時の通りの記憶が現在の通りとどうにも一致しない。反対方向に行くと何か手がかりが掴めるかも知れないと思って歩いている内に馬込と五反田の間にある中込と云う駅に出てしまう。次は戸越と表示がある。だったら歩いてみようとそのまま五反田まで京浜第二国道を一時間かけて歩く。その途中流石に足が疲れる。そりゃそうだ。天現寺から泉岳寺まで約40分歩いて、その後地下鉄を挟んだけど続けて一時間歩いたのだから合計一時間四十分。それなのに、五反田から品川まてJRで移動してSさんに会ってから、またしても20分歩いて高輪にあるポルトガル料理店Mへ向ったのだから我ながらどうかしていると思う。でも、まだ俺のウォーキングは終わらない。Mでワインを二人で二本あけた後、又しても20分歩いてSさんを品川駅に送ってから、更に15分歩いて我が家に。地図を開いて今日歩いた処を赤線で記したら、ドッと疲れが出た。オリンピックなんか見る体力は残ってない。
今日の老老ランチは数日前に作って冷凍しおいたカレールーを戻してカキカレーにして、それに極上?(一枚90円)のトーストをちぎってはカレールーをつけて食べる。つけあわせはミックス野菜とロースハムの切り落としのサラダにシメジの味噌スープ。1時半前に高円寺にある「座・高円寺」に。乃木坂時代に社員食堂的に店を使ってくれた制作会社ドキュメンタリージャパンが共催するドキュメンタリーフェスティバル「ドキュメンタリーは肉体だ!」が金曜日からここで催されているのだ。受付にいた社長のSさんたち懐かしい人々と再会?こっちも嬉しかったけと、Sさんたちも俺がわざわざ来たことを喜んでくれたみたいだ。20近くの上映作品の内で俺がどうしても見たいと思っていたのが「役者・三国連太郎」(撮影・監督 山崎裕)だ。この作品については山崎さんがウチの店に来た時に熱く語っていたのを覚えていたからだ。そして1999年の作品なのに三国さんと山崎さん双方の迫力が伝わってきて、113分が全く長いものに感じらず、わざわざここにきて大きな画面でこの作品を見ることが出来たことに満足。ただ一つ、個人的なことを云うと、途中三国さんのフィルモグラフィが流れるのだが、その中に自分が脚本家として名前を載せている映画が「釣りバカ日誌」の他にももう一本(『メス』貞永方久監督)あることに気づいて(本当に見るまで忘れていた)、三国さんの役作りの凄まじさと脚本に対する自分のイージーさを否応もなく比較してしまって背筋が凍りつく。そのショックで本当は一本で帰るつもりだったのに続いて山崎さんが今から38年前に撮影を担当した「地球は音楽だ」(龍村仁監督)も二本見てしまう。気軽にウチの店のカウンターに座って俺とお喋りして行ってくれた山崎裕と云うカメラマンの凄さを思い知る。そして今なお精力的に世界中を飛び回るエネルギー。もう完全に彼に対する敗北感(元々対抗できる身分ではないのだけど)に打ちのめされて、昨日見に来ていたと人から聞いた元スタッフで自主映画監督のHKに電話して高円寺で会う。待ち合わせ場所は俺が20から一年半シナリオを勉強している時に働いていた古本屋のT書店。ここは最近見た映画「苦役列車」で舞台になった古本店だ。もう当時のご主人夫婦や番頭さん格のSさん御夫婦やMさん、Yさんたち他のスタッフも一人もいない。でも、店の中はタイムスリップしたように昔と殆ど変わっていない。HKが来るまでうろうろしていると、もう45年も前のことが思い出されて来て自然と目がウルウルして来る。HKとそのT書店の支店が見える居酒屋で飲む。店にいる時からお喋り関係の俺とHKだったが、三カ月も空白があると、ドキュメンタリー映画の話から昨日の都知事選の話、そしてお決まりの男女話まで止め処なくお喋りが続いてしまう。更には何十年も前から俺のことを知っていると云う彼女の知り合いの女優さんが経営するバーBにまで足を延ばし、「座・高円寺」であった女性アニメ作家でHKの友達でもあるSさんも呼んでの5時間余り。俺は二十歳の頃に嗅いだ「高円寺」の匂いに酔っていた、いや酔っていたかったのだ。
昨日の朝からの記憶はまだ戻らない。ただポケットから領収書が出てきたので母の処まではタクシーで行ったことは分かったけど、老老ランチに何を食べたか、犬の散歩にいつ行ったかなどなと思い出さない。そんなことがあった翌日は自己嫌悪から記憶を無理やり刻みこむ。九時過ぎに起床してすぐにお湯を溜める(あ、そうだ。昨日は朝風呂にも入らずに飛び出して母の処へ行ったんだ。どうしてだったのか?)窓をあけて外を見る。一面の雪景色。でも、朝日が照っていて雪が解け始めている。だとすると今日行くことになっている芝居の公演は中止と云うことはない。案の定、出演する女優のYさんから芝居は予定通りだし、終焉後楽屋を訪ねて欲しいと電話がかかってくる。と云うことは余裕を見て12時半には母の部屋を出る必要があるので、10時半に行くと母に電話する。バスを乗り継ぐと、一番歩かなくて済むので、マンションの前から六本木ヒルズ行きのバスに乗り、品川駅で新宿西口行きに乗り換えて、天現寺で降りる。部屋に着いてまず愛犬を散歩に連れ出す。雪が積もった中を約30分。糞もしたし、犬も俺も満足。老老ランチは納豆ふりかけ弁当に焼いたシシャモとカイワレ大根、それにカニ玉。味噌汁はオクラとネギと茗荷。デザートとして羊羹まで食べて2時に池袋の芸術劇場シアターウエストへ。ProjectNyxの公演「宝島 」(作・寺山修司 演出・金守珍)を見る。不覚にもあの寺山修司がこんなメルヘンチックな芝居を書いていたとは想像もしなかった。いつか出演していたYさんに頼んで台本を読んでみたいと思う。終焉後、高円寺で催されているドキュメンターフェスティバルに行きたかったが、今日は都知事選だと云うことを思い出して、真っ直ぐ帰宅。どうやら大勢は決まっているみたいだし、俺の一票なんか影響がないとは思いつつも、投票すく行為自体に意味がある。投票を終えて部屋で帰る途中に買ってきたたこ焼き、稲荷寿司で晩御飯しながら録画してあった「すーちゃん まいちゃん さわこさん」(御法川修監督)を見る。続いてWOWOWで長編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を取った「シュガーマン 奇跡に愛された男」をみる。アメリカのデトロイトの貧民窟に住み、たった一枚だけアルバムをだしたまま姿を消した歌手ロドリゲスの曲「シュガーマン」が時をへて南アフリカのケープタウンで国民的な大ヒット曲になるという話。制作予算がなくて途中からスマホで撮影したということも含めて感動して地上波に戻したら都知事選挙の開票結果が映し出される。感動から失望へ。一昨日午前から午後にかけての記憶はまだ戻らない。
時々この日記にもネタとして使ってきたけど、今日朝からしたこと、出くわしたことの記憶が途切れている。早い時間に母の処に出向いたのは覚えているけど、それが何時頃で、老老ランチに何を食べたかが思い出せない。そして早く出向いたのには理由があって、今日は愛犬の散歩をしてくれる方が雪で来ないだろうから代わりに散歩に連れ出さなくてはと思ったからなんだけど、その雪がいつから降り出したのか、そして歩いて行ったのか、電車かバスなのか、それも記憶にない。帰りに五反田駅前の本屋に寄って「小説・北方領土交渉 佐田勇の告白」(佐藤優)と「懐かしの写真館 大田区品川区」(西村敏康)を買ったのは目の前にその本があるから事実だけど、それが何時頃だったか分からないし、その後部屋に帰って何をしていたのか不明だ。でも、眠る直前からは思い出せる。もう雪が凄かったし、12時過ぎにはベッドに入って、ラム(マレコン)をショットで飲みながら「佐田勇の告白」を一時間ばかり読んでいて自然睡眠。二時ごろ一旦目を覚ましたけど、電気を消してそのまま続けて眠った。ベッドに入る前はお腹が空いたので卵かけご飯を食べたけど、その前に明日芝居をいくかどうかで元祖天使のIに電話して15分ほどお喋りをした。そして、その前は9時から11時半まで「最高の離婚・2014スペシャル」(脚本・坂元裕二)を見ていたことも確か。そうだ、ドラマが始まる前にピザを焼いて食べた。だったらその前は多分大雪‥‥駄目だ。雪が凄く降り出す前に帰ってきたことは帰ってきたけど、母の処で犬を散歩させたのが何時頃だったのか、その頃雪はどの位降っていたのか、そして老老ランチに何を食べたのか依然記憶喪失中。
広尾時代のフードメニューで一番好評だったのは「ヌードなコロッケ」と云う料理だ。でも、これは料理とは言えない料理で、「ヌード」=「衣のない」、つまり普通のコロッケから衣を剥がしてしまって中身だけをキャベツと一緒にお皿に盛りつけただけのもので、更に白状するとじゃがいもも丸めている訳じゃなく、ただそのままマッシュポテト状に放置して、挽き肉とみじん切りのタマネギとパセリをちりばめ、ウスターソースをかけただけの代物なんだけど、これがビールのお供として人気で、これで800円と云うのは詐欺っぽいのだけど、最後までメニューから外されることはなかった。それなのにどうして乃木坂に移ってメニューから外れてしまったかは10年も経つと思い出せない。詐欺っぽくって嫌になったのか?でも、今度の店ではもう一度メニューに入れてみようと思って今日久し振りに作ってみる。そして老老ランチで母に食べさせてみたら好評だったので自信を持つ。付け合わせはサバの塩焼きと白菜の漬け物。味噌汁の実は春菊。午後、昨日発生したトラブルについて建築事務所のFさんと電話で相談。この問題を放置すると工事が四月になってしまうので、内装工事はこの問題を別にしてとりかかることにする。11月17日にコレドを閉店して約三カ月。時間は有り余る程あるけど、勿論無収入だし、もう限界だ。突然だけと、こんな精神状態でいると、死の予感に襲われる。別に自殺しそうになるということではなくて、確実にいつか誰にも訪れる生物としての終りの時が66才の自分の間近に迫ってきているような気にさせられるのだ。そうか、こうして人々は自分の終りの時を予感して、対社会的に何もしなくなるのか?でも、俺はそれに納得しない。そりゃ確かにその時は明日訪れるかも知れないけと、店だったオープンしたいし「遺作シリーズ」も続けたい。それに変態と言われようと何と言われようとまだまだ恋だってしたいし、愛のぬくもりだって求めたいなんて思っている俺が、深夜録画してあった「ピアニスト」((ミヒャエル・ハネケ監督)を見てはまってしまったのは当然か?
今度オープンする店は10坪程度の狭い店だけど、ルーフバルコニーがついていて、アンダーグランドだった乃木坂コレドとは全くムードのちがう眺望のいい空間だ。こっちの心づもりでは今月末までに内装工事が終り、三月中旬にはオープンの予定だったのだが、内装工事に入る前にトラブルが発生。このままでは内装工事に入れない恐れが出て来たので、終日仲介不動産業者、税理士、建築士のFさんと連絡をとり、対応策を練る。一昨日はデザイナーのKさんとも店のロゴを決めたりしてオープンに向けてスムースに運びそうだったのに、この一件で精神的動揺を受けたのか、夕べから胃が痛かったので、今日の老老ランチはトーストとクリームスープとサラダでランチというよりブレークファスト。1時に高輪台でY子さんに会って店におくワインの相談。3時過ぎ帰宅。「最高の離婚」の再放送を見ながらソファで休む。30分ほど眠ったお蔭で体調回復。いつも妖しい魅力を振りまく歯科医のSちゃんから食事の誘いがあったので麻布十番の干物屋Aに出向く。今日俺は精神的にも体調的にも元気はなかったし、Sちゃんも週末前で疲れ気味だったけど、「女子トーク」的には快調。十時前、駅前で彼女と別れた時、元祖天使のIから仕事が終わったので今から会わないかとの誘い。もう飲めなかったし、お腹は一杯だったけど、店のトラブルの一件を相談したかったので、そのまま麻布十番の居酒屋で会うことにする。でも、このトラブルはいくら元祖天使でも解答不可能。疲れて眠たい彼女に向ってただただ愚痴の連射の一時間半。最終電車で帰宅して録画してあった「緊急取調室」を見る。今回より前回の方が圧倒的に面白かったのは何故か?
今日は老老ランチではなく老老ディナーにしたので、朝昼兼用の食事は一人で先日の豚すき焼きの残りをリフォームしたものと菜の花のお浸し、納豆、サーティンとミニトマトと白滝のへぺろんチーノ風、そして味噌汁は隣のKさんからいただいた四万十川の青海苔と茗荷。この青海苔、そのまま食べても美味しくてとまらなくなって困る。その後、品川税務署に出向き、法人税の相談。帰宅後会社としての収入はなくても、新しい店を作る上で動き回ったり、必要なものを買ったりするからお金は出ていく。そのたびごとに領収書を取っておいて机の上のボックスに入れておくのだけど、かなり貯めてしまってボックスからはみ出しそうになったので、午後の時間をこの一週間分の領収書を帳簿につけて行くのに使う。帰りに買ってきた挽き肉を使って麻婆豆腐を作り、白菜としめじの中華スープと一緒に母の処へ。一日中寒かったけと、夕方になってからは更に寒い。久し振りに手が悴んで途中何度タクシーを拾おうとしたことか1それでもなんとかいつもより10分以上はかかっても歩いて到着。でも、さすがに帰りはギブアップ。バスを待つ間に我慢できなくなってタクシー帰宅をしてしまった。午後、税務署に行った帰りに本屋で買ったキネマ旬報のベストテン号の頁を捲る。個人賞も発表されていて、脚本賞に友人のAの顔と名前。今度で五度目のキネマ旬報脚本賞。これは歴代脚本家の中でトップだとか。僻みと羨望で何度もその頁を見てしまう。
昨日、生命保険の金額が高すぎると日記に書いた後、もう一度契約証書を見直してみたら、とんでもないことを発見した。一昨年の五月に離婚した妻だった人の入院保険がまだ継続中で、現在に至るまで毎月4400円も余計に自動引き落としになっていたのだ。そんな馬鹿なことがあってたまるか、届けは出した筈だど××共済に電話してみる。するとオペレーターの女性が記録を調べてくれて、確かに電話で解約申し込みは受けたけど、正式に解約書類がまだ届いてないと云う。いや、毎月4400円も違って来ることだから絶対出した筈と反論してみるものの、現実に届いてないと言われると水掛け論だ。郵便物が何処かで紛失してしまうことだって考えられるじゃないかと更に追求してみても、仮に届いていたら翌月から保険料が減額になっている筈だし、以前どおりの引き落としが続いていたなら不思議に思って当然ではないかと指摘されてしまい、グーの音も出なくなる。つまり俺の不注意なのだ。お金に困っている癖にお金にルーズすぎるのだ。確かに会社の支払いを含めると十数件の自動引き落としがあって、一々チェックが行き届かなくなっていたかも知れない。でも、そのことで今月までの20カ月、つまり88000円をドブに捨てたのだ。もう馬鹿馬鹿しくで自己嫌悪なんてもんじゃない。早速解約書類を送って貰うことにしたけど、こうなったら俺の分まで解約してしまわなくては気分が治まらない。そんなムシャクシャした気持を抱えながら2時に池袋西口のジョナサンでデザイナーのKさんに会う。今日も生後7カ月の赤ちゃんを早退してきた夫のSさんに預けて俺との打ち合わせに来てくれたと云う彼女の心意気と、考えてきてくれたプランの素晴らしさにそれまでのイライラが吹き飛ぶ。赤ちゃんのこともあるしジャスト一時間で打ち合わせを切り上げて表に出たら雪が舞っている。Kさんと別れて茅場町のT歯科クリニックへ。今日もまた「デンティスト」の取材を兼ねて診療室や歯科衛生士の動きを観察。タイトルに「ねずみの歯と取っ替えろ」とつけくわえたくなった。「桃井章遺作シリーズ③ デンティスト~ねずみの歯と取っ替えろ~」うん、悪くないけど、問題は中身だ。時間が二時間程空いたのでS珈琲でその中身を考える。7時に麻布十番の焼鳥屋Sで社長秘書のYさんとその友人で有名フレンチHに勤めるM子さんと待ち合わせ。一年で90数回、週に二度は来店してくれていたYさんなのに、コレド最後の日の11月17日以来だからホボ三カ月ぶりの再会。それもあるけど、あんなに仲よかったのに店の外で会うのは今日が初めてと云ってもいい位なので、それは俺の文章力では表現てきない幸せ。それも俺の去年の誕生日(11月3日)にM子さんと一緒に誕生日プレゼントとして「美女二人が桃井章に焼鳥を奢るチケット」と云うのをくれたのだけど、その期間が乃木坂コレドがクローズしてから新しい店がオープンするまでと云う期限付きだったので、この日記を見ていたYさんがそろそろ使わないと有効期限がなくなりますよとメールしてきて、且つ元々この焼鳥屋Sには行きたかったのだけど、紹介者がないと予約を受け付けて貰えないので行けないでいたM子さんのリクエストで、今日の焼鳥屋Sでの飲み会となったのだ。雪の舞う夜、コレドを愛してくれて、次の新しい店のオープンを心待ちにしてくれているいい女二人と、特上の焼鳥を食べて、ワインを飲んで、お喋りする一時が幸せじゃない訳がない。まだいくつか問題は抱えているけと、こうして期待してくれている二人の為にも何とか三月中旬にはオープンにしたいものだ。そう言えば今日2月4日は、もしも父が生きていたら91才の誕生日。美味いもの好きで、女性が好きだった父よ、あなたの代わりに息子の俺がいい女たちと美味いものを食べて祝ってみた。どうだ?羨ましいだろ?
申告の時期が来ると、毎年どうしてこんなに生命保険に入っているんだろう?と疑問に思う。確かに結婚していた時には必要だと思っていた。でも、妻に逃げられて三度目の独身生活をしている現在、入院保険、がん保険、傷害保険の三つも入っているのは問題だ。何が問題かって月に保険料が四万近くもかかるのだ。去年の年収が年金も入れて150万円の身にはかかり過ぎるなんてもんじゃない。だったらやめればいい。それが正しいと思う。そう思えばすぐ保険会社に電話すべきだ。だからかけようとはする。でも、やめた途端に病気や怪我で入院しそうで、ついつい気が重くなってしまう。でも、月に四万円近く節約できるんだぞと自分を励ますけど、こんな時に母から急用の電話があったもんだから、それにかこつけて10時には部屋を飛び出して、今日もまた保険を継続してしまった。馬鹿っ。そんな風に始まった節分の日。今日の老老ランチは、牛肉じゃなくて豚のバラ肉のすき焼き。験しに作ってみたのだけど、案外うまい。それにカイワレ大根と茗荷とミニトマトのもずくサラダ。味噌汁はなめこ。食後、広尾駅にある銀行で新しい店の前家賃と不動産屋への手数料など数件の振込をしてから、五反田駅と目黒駅の中間にある品川区役所の出張所で印鑑照明を貰って、今度は新宿御苑にあるY税理会計事務所に出向いて本店移転及び定款の変更手続。この辺りでかなり疲れる。実際に足は使わないのに電車やタクシーで行ったり来たりするだけで疲労感を覚えてしまうのだ。おまけに足を躓いて転びそうになったりすると、やっぱり保険は入っておくべきかと弱気になる初期高齢者。一瞬もうすぐ点灯するネオンに吸い寄せられそうになったけど、明日は飲む約束をしているし、どうも最近新宿が嫌いになったこともあって、K書店で23区の古い地図を買っただけで大人しく帰宅。夕食は録画しておいた「最高の離婚」の再放送を見ながら、近所のコンビニでつい買ってしまった恵方巻きを食べる。不味い。口直しに昨日の残りのカレーライス。これは実に美味い。
飲みすぎた。久し振りの二日酔い。朝風呂に入って酔いを抜こうとする。それなのに酔いが抜ける前に眠気に襲われて危うく溺れそうになったので頭も洗わず飛び出す。食欲はない。インスタントのコーンスープで体を温め、ソファに横になって日曜午前中のテレビ番組を眺めている内に再び眠りの世界へ。それでも30分ほどウトウトしたら酔いは抜けていて食欲が猛然と起きる。いや、食欲と云うよりカレー欲だ。カレーライスが食べたくてたまらなくなる。幸いタマネギが三つあった。ニンニク生姜唐辛子はある。野菜はかぶの細切れとまいたけとオクラ、それに人参とじゃがいも。肉はない。シーフードもない。でも、冷凍庫の隅に牛スジがちょっぴり残っていた。コンビーフがあった。オクラと牛スジとコンビーフで煮込んでコーンスターチを加えればとろみはOK。クミンとコリアンダー、ターメリックに荒挽き胡椒と最後にがラムマラサ、そして隠し味に昆布茶。これで万全!だった筈だけど、問題はカレー欲ギラギラなのに♪煮込む(会えない)時間が愛育てるのさ‥‥で、最低二時間はお預けだと云うことを忘れてた。だからと云って他のオンナに目移りする程浮気性ではない。昨日業者の人に片づけて貰ったルーフバルコニーを掃除し、この日記と「母の履歴書」の続きを書き、漸く二時間が経過!といいたい処だけど、1時間半で我慢できなくなって、少し味見してしまう。美味しいっ、となると「少し味見」が小皿にご飯を盛ってちゃんと一杯食べてしまったりして、でも、そのままザザッと食べるのをグッと堪え、母との老老ディナーの為に大きなタッパーウェアにその後もギリギリまて煮込んだカレー詰めこんで、部屋を出た。いつもなら50分はかかるのに、カレー欲ギラギラで胃袋が求め続けていたから、足が競歩みたいになったからか所要時間は44分の新記録。そんなにまでして早くカレーが食べたかったのに、母の部屋に入ったらシャワーの音。ええっ、それはないだろ、母上よ。、、