桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2014・2・7

2014年02月08日 | Weblog
広尾時代のフードメニューで一番好評だったのは「ヌードなコロッケ」と云う料理だ。でも、これは料理とは言えない料理で、「ヌード」=「衣のない」、つまり普通のコロッケから衣を剥がしてしまって中身だけをキャベツと一緒にお皿に盛りつけただけのもので、更に白状するとじゃがいもも丸めている訳じゃなく、ただそのままマッシュポテト状に放置して、挽き肉とみじん切りのタマネギとパセリをちりばめ、ウスターソースをかけただけの代物なんだけど、これがビールのお供として人気で、これで800円と云うのは詐欺っぽいのだけど、最後までメニューから外されることはなかった。それなのにどうして乃木坂に移ってメニューから外れてしまったかは10年も経つと思い出せない。詐欺っぽくって嫌になったのか?でも、今度の店ではもう一度メニューに入れてみようと思って今日久し振りに作ってみる。そして老老ランチで母に食べさせてみたら好評だったので自信を持つ。付け合わせはサバの塩焼きと白菜の漬け物。味噌汁の実は春菊。午後、昨日発生したトラブルについて建築事務所のFさんと電話で相談。この問題を放置すると工事が四月になってしまうので、内装工事はこの問題を別にしてとりかかることにする。11月17日にコレドを閉店して約三カ月。時間は有り余る程あるけど、勿論無収入だし、もう限界だ。突然だけと、こんな精神状態でいると、死の予感に襲われる。別に自殺しそうになるということではなくて、確実にいつか誰にも訪れる生物としての終りの時が66才の自分の間近に迫ってきているような気にさせられるのだ。そうか、こうして人々は自分の終りの時を予感して、対社会的に何もしなくなるのか?でも、俺はそれに納得しない。そりゃ確かにその時は明日訪れるかも知れないけと、店だったオープンしたいし「遺作シリーズ」も続けたい。それに変態と言われようと何と言われようとまだまだ恋だってしたいし、愛のぬくもりだって求めたいなんて思っている俺が、深夜録画してあった「ピアニスト」((ミヒャエル・ハネケ監督)を見てはまってしまったのは当然か?