コロナワクチン治験データとアメリカからの便り

下のリンク先の報告書　P.38 全体のP.46 掲載の

コロナワクチンの海外治験時の副反応結果

現在、コロナワクチン投与は、

国立病院機構140病院、

地域医療機能推進機構（ＪＣＨＯ）57病院（尾身先生理事長）、

労働者健康安全機構（労災病院）32病院

の、計229病院で始まっています。

計画では、

この229病院の内、1万人の副反応等のデータを集積させた後、

民間医療機関や保健所に対象を拡大（400万人）

続いて、高齢者、高齢者施設従事者へと進めていくようです。

私の講座では准教授を、

今、フロリダのH.Lee Moffitt Cancer Center（モフィットがんセンター）に

2年間の予定で留学派遣しています。

先日、

モデルナ社コロナワクチンの

2回の接種が終わったと

アメリカから報告メールが届きました。

1回目は何事もなかったのが、

2回目は翌日1日寝込んでしまったと。

倦怠感と発熱が副反応だったようです。

他の日本人でも

2回目は、中には発熱や倦怠感に加えて、

嘔吐したりして、5日間位寝込んだ研究員が

いたそうです。

アメリカで使用している

モデルナのワクチンは、
ファイザーの3倍のmRNAの含有であるとのことから

より強く副反応が出たのかもしれません。

（ですから、あくまでも参考の範囲です）

が、2回目に副反応が強く出るのは、

ブースター効果としての免疫応答機序から
十分に予測できます。

（1回目に体内で記憶した抗原（コロナmRNA）を

　2回目にはより認識し、

　攻撃する免疫機能を定着・強化させることを

　ブースター効果といいます。）

そこで、

ファイザーのワクチンが
PMDA（医薬品医療機器総合機構）で
審議された時の報告書をもう一度見てみました。

昨年12月18日に申請され

今年2月12日に報告された

審議結果報告書です。
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_2.pdf

「コミナティ筋注」が製剤名です。

構造も詳細に記述されています。

別紙本年1月29日の報告で

安全性が報告されています。

全身症状については、

1回目より2回目の方が

やはり少し副反応は多いように見えます。

（P.21 全体のP.29）

年齢差でみた全身症状の副反応は

若い（18～55歳）群の方が

高齢者（65歳～85歳）群より多いように見えます。

が、N（対象人数）が小さく一言では言えませんが。
（P.23 全体のP.31）

免疫応答は若い人の方が活発なので、

これも理解できる範囲です。

ただ、この安全性結果（副反応の数字）を見る時に、
気を付けるべきことがあります。

P.38 全体のP.46に、
臨床試験を実施した時に、

被検者の46.5%が
解熱鎮痛薬を使用していた（！）

という記載がある点です。
（ここは、准教授がアメリカから指摘してくれました。）

アメリカの解熱鎮痛薬というと
タイレノール®（アセトアミノフェン）500～650㎎/錠が
普通に市中の薬局で購入できました。

日本でも同成分の薬剤やもっと少ない㎎で

処方箋またはさらに少ない㎎のものが

市中のドラックストアでも購入できます。

（通販は不可です（Webサイトでは買わないで））

これをワクチン接種時（前投与は不可）に
半分程度の人が内服をしている状況での

発熱や疼痛の結果が

表になっているという点です。

解熱鎮痛薬を使っていなければ、

果たして、どの程度の副反応になってたのでしょうか・・・

副反応結果を

少し軽く考えていたかもしれません。

解熱剤でマスクされているかもしれない

臨床試験結果・・

1回目から2回目は3週間開けます。

まずは、現在実施している229施設の

2回目のデータがそろう今から3~4週間後、

日本人1万人の2回目の接種後の副反応結果を

しっかりと見てみようと思います。

そして、自分自身が接種する時は、

2回目を接種する時、

翌日には穴があけられないような仕事は

入れないこと

（2回目の接種翌日には仮に休んだとしても

　問題ない体制を取っておく）

解熱鎮痛薬を手元に準備しておくことも

考えておこうと思います。