緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

頂いたお礼のメール

2011年01月29日 | 医療

今週末は、拠点病院は開催を義務付けられている
緩和ケア研修会

今回は、土曜日午後からの開催のため、
土日ともに終わるのは18時前後。
もちろん、月曜日からは通常勤務。
2か月間の準備プラスこれを年間2回・・

かなりの疲弊・・

まあ、一人でも多くの医師が
緩和ケアの基本的なスキルを
身につけてくださるなら
報われるというものではありますが。。。






先週、薬剤師さん中心の学会で
がん疼痛の模擬カンファレンスをワークショップで企画しました。

正直・・ 満足できる場を提供しきれませんでした。
とても、静かなフロアでした。
好奇心で目がキラキラするような経験をしてもらいたかった・・

もっと、工夫ができたはず・・

ちょっぴり失意の中にいた私に、
1通のメールが届きました。

 

感謝の言葉に続き・・

小規模で、チーム医療が中々成り立たないと感じていた病院。

チーム医療を実践したいけれどできていない現実から、
職場をかえてみようか・・・
そんな悩みでいっぱいだったそうです。

そんな中、
他の施設の薬剤師さんとの交流や勉強を通し、
ワークショップに参加している最中、
“答えが見つかった”
と、書いてくださっていました。

“うらやましがるのはやめにして、
 自分が変える!くらいの気持ちで、
 今自分がいる病院の内容を
 今より充実させるよう努力しようと思います”

勇気ややる気、考える機会を与えてくださった
とも書き添えてくださっていました。



失意の私にとって、
これが、どんなに
心踊るメールであったことか!

ああ・・
単に緩和のスキルを伝えたのではなく、
取り組んでいくための
エネルギーチャージにつながった・・

お一人だったかもしれないけれど、
行動変容に繋がった1時間だった・・

本当に、ありがたいメールでした。





多くの異動はよりよい職場を求めるためでしょう。
でも、変える努力、変わる努力をしない以上、
どんなに異動しても、理想的な場は見つかるものではありません。

新たな場を求める前に、
まず、今を変える努力をしてみようと思い、
その力が自分にはあるのだということに気づいてくださったこと
しかも、ワークショップの最中に・・

ああ・・参加させて頂いた甲斐がありました。

何かに役だったかもしれないと感じた時に
疲れは消え去っていました。。


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3 コメント

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良かった (lullaby)
2011-01-30 13:18:36
本当に良かった。
同年代ながら蔑まれ続けた私にとって、先生のブログを見つけた時の幸せは涙以外の何者にも表現できません。
感謝の気持ちでいっぱいでした。
自分が力足りず出来なかった全ての事をこの方がして下さっている。
それも同じ女性。
あなたのおかげで安心して今に没頭できます。
心から尊敬し応援させて頂いております。
どうかお身体ご自愛いただきつつ頑張って下さい。
ゆっくりじっくり追いかけてゆきたいと存じます。
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お久しぶりです (レンコン)
2011-02-05 17:25:30
随分長い事立ち寄ることができませんでしたが、
今まで17年間働いていた病院を辞め、緩和ケア病棟が4月から開業する病院へ転職しました。
今まで臨時雇用だったので、残りの看護師人生を正規雇用で自分の力を発揮できたらと思い一大決心したのですが・・・
まさに、お話の通りですね。
環境が違いすぎて、どうしたらいいのかわからない気持ちでいたのですが、自分から、環境のせいにしないで、できることをやって行けば必ず何かが変わって行くと信じることにします。
自分の出来る事から、コツコツと・・・

やっぱり、悩んでいる時に、出会うんですね。
先生のブログは、またこれからも私の心の支えにさせていただきます。ありがとうございました。
返信する
コメントありがとうございました。 (aruga)
2011-02-05 23:50:15
lullabyさん
あたたかいメッセージ、ありがとうございます。本当に、励まされます。
それぞれの人には、出来たこと、やりたかったけれど思い半ばだったこと、やりたくなかったのに取り組んでいること、それは、それは、様々でしょう。そうしたことの上にある自分こそ何ものにも変え難い自分なのだと思います。同じ時代を生きている偶然に感謝しています。

レンコンさん
ご無沙汰しています。
色々な曲がり角におありだったのですね。
心が戸惑っているときは、自分から必要としているものを、しっかりキャッチする準備があるものなのだと思います。

きっと、大丈夫。
そう感じます・・


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