緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

まだ安全ではない血液製剤

2007年12月13日 | 医療

血液製剤による肝炎問題。
収束の方向に進みますように。

ニュースを見ながら、気になっていました。
皆さんは、この問題を過去のこととして
捉えていないでしょうか。

現在の血液製剤は
B,C型肝炎、HIVはウイルスチェックを受けています。
しかし・・・・
数%これをすり抜けるものがあります。

また、ウイルスは、これだけではありません。
成人T細胞白血病、エボラ、デング熱、ヘルペス、麻疹・・・
これらの混入はチェック体制がありません。
ヨーロッパのみならず、アジアでは
輸血製剤の病原体不活性化対策
すでに導入開始されています。

気になっていたところ、メーリングリストで
送られてきた記事はまさしくそれを指摘していました。

「MRIC Vol62 輸血血液の安全を議論する必要性」
この記事によると、最近、E型肝炎、りんご病の
輸血による感染例が認められているようです。
B,C型肝炎、HIVの防御は99%は得られている・・と。
1%は未だ感染のリスクがあるわけです。
病原体不活化対策は狂牛病のプリオンは防御できないようですが
それ以外はすべて防ぐことができ
加えて、あの高価な血小板輸血は72時間しか有効期限はなかったのが
5~7日間まで使用可能となるなど
沢山のメリットがありそうです。

今、辛い思いをされている方の経験を無駄にすることなく
これからの輸血対策も考えていくべきことだと思います。

 


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2 コメント

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成人T細胞白血病 (panda)
2007-12-14 06:49:23
血液製剤というのは献血から作られるのでしょうか。
現在 HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)はすべてチェックされていると聞いています。
輸血からのHTLV-1感染はないと言われていますが、血液製剤はそうではないのでしょうか?
返信する
重要なポイントです! (aruga)
2007-12-14 21:34:07
指摘してくださり、ありがとうございます!
チェックは抗体検査でされていますが、感染する可能性はゼロではないのです・・・ちょっと長くなりそうなので、14日の記事に返信を書かせていただきました。
返信する

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