30年くらい前のこと・・大切な大人を亡くした子供たちのサポートグループに私はボランティアで参加していました。ある日のグループワークのテーマは亡くなった人の絵を描いてみようというものでした。 トレーニングを受けたファシリテーターが参加した子供一人に一人ずつつきます。その日、私は10歳位のみほちゃんの担当でした。最初の輪になったセッション。そしてグループワークと続きます。でも、ワークへの参加は必須では . . . 本文を読む
25年ほど前、シンシア ホワイトさんは大切な人と死別した子供達をサポートするダギーセンターのトレーナーでした。ルーテル学院大学が学術振興会の助成でシンシアさんを日本に招聘し、当時、国内にはほとんどなかった大切な人を亡くした子供たちのグリーフワークのためのファシリテーター研修と6回コースのサポートグループトライアルを実施したことがありました。私もはじめてトレーニングを受け、ファシリテータとして参加す . . . 本文を読む
「よりよい生活」の章から本当の命を生きる(同 P.135)なんて、強い言葉なのでしょう。。。「定めに任せる」の章には、2010年のTemerの論文から再発進行肺がん患者を対象とした早期からの緩和ケアの導入が緩和ケアを受けなかった患者に比較して25%長く生きたことも記述されていました。加えて、膵がん患者さんは平均3週間、うっ血心不全患者さんは3か月も緩和ケアの導入によって長く生きることができたことも . . . 本文を読む
「形あるものは崩れ落ちる」という章から。衰えは人の運命であるーいつか死がやってくる。しかし、人の中の最期のバック・アップシステムが壊れるまでは、そこまでの道を医療によって変えることができる。一気に下る断崖にすることも、穏やかな下り坂にして、生活の中でもっとも大切なことができるようにすることも可能である。医療に携わるわれわれのほとんどがこの可能性を考えていない。特定の個別の問題を取り上げるのは得意で . . . 本文を読む
2018年7月の記事に加筆した記事です。Susanne Jutzeler, Schweiz 🇨🇭 💕Thanks for LikesによるPixabayからの画像 ーーーーーーーーーーー序文から・・作者のガワンデ医師がレジデント3年目の時のこと。緊急放射線治療抵抗性の前立腺がんの患者さんに、脊髄圧迫症候群による両下肢麻痺が突如起こり、かなりリスクが高い状態でした。脊髄の転移腫瘍切除術を受けるか、受 . . . 本文を読む
何らかの疾病に罹患しつつ、人生の終わりが近づいてきた時。治療の限界を受け止め、家で生活を続けたいと思うことがあります。一方で、人生の終わりが現実になってきたとき、何か治療を継続できないか、藁をもすがる気持ちで模索を続けることもあります。それは自然な心の反応ですが・・・そこから抜け出せなくなってしまう場合があります。多額のお金をかけるような何かをしていると安心とか、病院の中で過ごしていれば安心とか・ . . . 本文を読む
放射線治療照射の副作用の一つに悪心・嘔吐があります。日本癌治療学会発刊の「がん診療ガイドライン」の中に「制吐療法」が設けられています。〇総論:どうして吐き気が起きるのかといった機序から、それぞれの対処方法の概略〇クリニカルクエスチョン一覧:臨床上、解決したい疑問をまとめた一覧クリニカルクエスチョンを頭文字をとって、CQと言います。ここには18個のCQがあり、各CQ毎にそ . . . 本文を読む
新しい年が明けました。切に、コロナや戦いから解放されていく年となることを祈っています。(Gerd AltmannによるPixabayからの画像 )縁者が数年前に亡くなった時の引き金は、がん専門病院ではない病院で投与されたイリノテカンの下痢等でした。私とあまり年が違わなかったこと、そこに至った経緯、対処の甘さ、下痢で頻回ナースコールした後の病院の対応・・思い起こすと今も悲しみがこみ上げます。昨年、あ . . . 本文を読む
メンデルの法則は・・・エンドウ豆の表面”つるっとしたもの” が3/4 ”しわがよったもの” が1/4こんな比率で出現する遺伝の法則です。AA、Aaで発現するもの・・つまり、一つでもAがあれば発現するものを優性遺伝aa・・つまり、二つ揃わないと発現しないものを劣性遺伝と過去には呼ばれていました。(Kreingkrai Luangchaipre . . . 本文を読む
AYA世代・・A :adolescence 思春期YA:young adult 若年成人の略で、アヤ世代と呼びます。15歳から39歳までを指すことが多いです。TomによるPixabayからの画像がん診療において、今、世代別のサポートのあり方が議論されています。小児、AYA、壮年期、高齢者とそれぞれ抱える悩みは異なります。AYA世代の支援は、就学、就労、妊娠・出 . . . 本文を読む
次男家族が3年ぶりに帰国し、にぎやかな時間です。医療系の学術集会も、対面で開催されることが増えてきて、便利だったリモートから、エネルギーも時間も使いますが、集うことの意味を実感しています。昔、細胞、遺伝子レベルの研究をしていました。細胞培養をすると、一つの細胞だけではなく、数個の細胞と培養した方が明らかに確実に増殖していくことに気づきました。これは、研究者仲間では当たり前のように言われていたことで . . . 本文を読む
ずっと、ずっと前のこと。国立の病院の緩和ケア病棟に勤務していた頃のことです。石碑の設計など手掛けられてきた患者さんでした。緩和ケア病棟に入院された時、個室でご自身のお墓の設計を熱心にされていました。お墓はこんな風にして作られるのか・・と思うほど、繊細で正確に㎜単位の設計図が描き出されていました。設計しながら、自分らしいお墓とは何か・・という哲学的な命題に向き合われていました。日々、その設計図はより . . . 本文を読む
私が所属している緩和ケア内科の外来は、「症状緩和・がん患者支援外来」という長い名前の外来です。8割はリンパ浮腫の患者さんで、その7割位はがんが治癒した後のがんサバイバーさんです。緩和ケアの外来というと、痛みの外来と思われるかもしれません。当院ではがんの主治医の多くががん疼痛緩和に対応できています。難渋した時は、相談は来ますが、多くはありません。まず、ファーストコンタクトする主治医が患者さんの苦痛を . . . 本文を読む
(写真は本記事一番下の記載ステートメントの診断のアルゴリズム)病院の中は、コロナを含む医療体制には上限があるため、比較的静かです。社会の中も、東京でも都民割(「もっとTokyo」など)の声もあり、居酒屋やレストランも通常営業ですし、電車もいつもの夏位の混み方です。ただ、地域医療は・・救急車の音は良く耳にし、SNSでは身近な人が感染したとか、続いてその家族や知人が感染したとか、玉突きのごとくお知らせ . . . 本文を読む
最近、厚労省の接触アプリCOCOAから通知が来ることがあります。でも、とても、ざっくり・・サンプルとして8月1日午前9時00分から2日午前9時00分までの間で15分接触がありました。という表示があったとします。しかも、この15分とは、合算なのです。15分1回だったり、5分を3回かもしれません。一体、どこの接触??という感じです。そこに、詳細分析アプリ見つけました!COCOA接触アプリの説明(出典: . . . 本文を読む