今週は日本癌治療学会学術集会が横浜でアジア腫瘍学会(AOS)の併設で始まります。海外からの参加者も少なくなく、久しぶりに活発な対面国際学会になりそうです。この国際学会の中でも、やはりがんとコロナの掛け合わせの演題が少なくなく、この3年間アジアの事情を学んできたいと思います。また、私が関係している委員会のセッションは社会とがん医療をつなぐセッションで、厚労省 . . . 本文を読む
何度も、何度も、頷き。本当にその通りだ・・と心に染み入った言葉がんを克服するとは、治癒することではない。死ぬまできちんと生きること。がんだけのことではないなあと思うのです。私自身、励まされた言葉です。(AKA23によるPixabayからの画像)疾病を抱えて治療を行っているときであっても、最終的な目標は、治癒ではなく、Well-being(心が満たされて生きている状況で、疾病や障害の有無で健康が決め . . . 本文を読む
これは、2008年の記事に、2014年頃、加筆したものに今回、加筆したものになります。ですから、以前いただいたコメントはそのまま残っています。今から25年以上前のことです。ある患者さんは放射線治療のため、都内の大学病院に入院されていました。緩和ケアの立場で治療中から私はサポートに入っていました。(今でこそ、早期からの緩和ケアと社会の中でも言われるようになりましたが、その当時から、私は、その大学病院 . . . 本文を読む
一人なんです。がんに薬が効かなくなるかどうかって、もういいって思えるけれど、これから先に、お金のこと、家のこと、どうやって生活するかってこと、心配で心配で不安なんです。ご高齢のがんの患者さんでこんな風におっしゃる方は少なくないものです。80歳を超える位の方で、何とかご自身のことはまだできているけれど、先が見通せなく漠然と不安が高まっているような方です。不安な訴え → 適応障害・うつ &r . . . 本文を読む
30年近く前に緩和ケア病棟に勤務していたころのこと。苦痛が和らぐと、透明になっていく患者さんがいらっしゃいました。それまで、長く、辛く、痛みと戦い続けてきたのでしょう。痛みが取れると急に、抜け落ちたようにもう、いいの・・と。痛みと戦い続けて、痛みが取れると、戦う相手がいなくなった・・空虚な時間になってしまった・・と説明してくれました。どれほど、戦ってきたのでしょう・・このころ・・苦痛を取りきること . . . 本文を読む
研究の一環として、よく医療者にはアンケート調査が届きます。匿名の調査であり、情報の取り扱い、倫理審査の承認を得ていること、返信をもって条件に同意したこととなることなどが最初につらつらと記載されています。次に、アンケートの質問がはじまります。その冒頭ではたいがい回答者の特性(背景)の質問が並びます。年齢または年代性別職種医療者の経験年数専門領域での経験年数などなど・・これらに続き、調査したい内容につ . . . 本文を読む
新型コロナ感染症が5類になる前は全数把握対象疾患でした。すべての医療機関が報告しなければいけなかったので、全数が把握できていました。5類になってからは定点把握対象疾患となりました。医療機関の中から可能な限り無作為(意図しないで、抜き打ち的)に選定されること、都道府県全体を反映できるようには考慮されること、こうした条件で選定された医療機関が協力して患者数を報告しています。新型コロナウイルス感染症 & . . . 本文を読む
昨日まで、緩和医療学会学術大会で神戸でした。初日は5000人が現地に参加し、全2日間の(現地とリモートの)参加者は7500名位だったようです。この学会の特徴は、参加者は熱心に学会に参加することです。他の学会では、参加もするけれど学会の外に抜け出したり、早めに帰ることも少なくありません。それはさぼっているわけではなく、ライブ(実施している時に、映像でも流すこ . . . 本文を読む
筆者の山登先生は徹底的に子どものミカタ。とはいえ、好ましくないことをそのままにはしません。例えば、未熟な若者への声掛けとして・・成熟が困難な時代だからといって、オトナにならなくていいという法はない。もし、患者があまりに依存的に寄りかかってきたら、私はふつうに「それはキミが決めることだよ」というだろう。他罰的なもの言いにカチンときたときは、「あれ、それってオレのせい?」と、意地悪く笑うかもしれない。 . . . 本文を読む
薬に対しての立ち位置は、千差万別・・最近、処方が必要な方で医療用麻薬は拒薬される方は、ほとんど出会わなくなりました。眠剤や抗不安薬は、自ら処方希望される方が多数いらっしゃいます。化学合成薬より漢方薬を希望される方もいらっしゃいます。診察の時から、ご自身の薬に対する考え方について話し合うことができる場合もあれば、何も質問ありませんという方で症状の改善が思いのほかよくないためよくよく確認してみると思い . . . 本文を読む
とても面白くて、通勤の友になっている本「子どものミカタ」山登敬之.日本評論社,2014副題は”不登校・うつ・発達障害 思春期以上、病気未満とのつきあい方”帯には”思春期はいつもグレーゾーン。悩みか病気かあいまいな子どもと向き合うためにベテラン精神科医が明かすヒント”と書かれています。この本の中から、一言でいうとどんな病気か・統合失調症よくわからなくな . . . 本文を読む
最近読んだ論文・・・仕事で座っている時間が長い男性は、膵臓がんのリスクが有意に高くなる・・・おお?!・・なんと・・運動しないことで膵臓癌???と推測しながら論文を読むと、座っている時間とBMI(肥満)と膵臓癌とは関連性がなく、余暇の運動時間とも関係がなく。では、女性は??なんと、なんと、座っている時間が長いと肺癌が増えると・・なぜ???そこに喫煙は関係がなく、考察では、受動喫煙が増えている可能性が . . . 本文を読む
先週、夜遅い時間に何気にTVをつけたらがんの妊孕(にんよう)性を取り上げた番組が・・ハートネットTV“しあわせ”の選択 ~AYA世代のがんと妊よう性~日本人の2人に1人が生涯で「がん」になると言われています。特に15~39歳までのAYA世代では、毎年2万人が新たにがんと診断。直面するのが「子どもをもつ能力(妊よう性)」を失うリスク。医療の進歩に伴い、“妊よう性を . . . 本文を読む
2011年2月6日というと、東北の震災の1か月位前のことの記事・・そんな気持ちで過去の記事を見ていました。先日、コメントを頂いた記事。こんな古い記事を記憶に留めていてくださっていた・・読み返してくださっていた・・言葉が見つからないほど・・嬉しく・・感激でした。改めて、患者さんのことを想い、振り返ってみたいと思います。マサコ アーントによるPixabayからの画像 ーーーーーーーーーーーーもう、死に . . . 本文を読む
思い出せないお父さんの顔(2)からの続きです。大切な人を亡くした子供たちのサポートグループ。ある日のテーマは、亡くなった人の絵を描こうというものでした。お父さんの顔を知らないみほちゃんは、描けないと言葉にしてくれたことで、ファシリテータだった私はリフラクションというスキルを使いながら、絵を描くことではなく、記憶にないお父さんのことについて、対話を進めていました。絵本を作っているお母さん。お父さんの . . . 本文を読む