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30年近く前に緩和ケア病棟に勤務していたころのこと。
苦痛が和らぐと、
透明になっていく患者さんがいらっしゃいました。
それまで、長く、辛く、痛みと戦い続けてきたのでしょう。
痛みが取れると
急に、抜け落ちたように
もう、いいの・・
と。
痛みと戦い続けて、
痛みが取れると、
戦う相手がいなくなった・・
空虚な時間になってしまった・・
と説明してくれました。
どれほど、戦ってきたのでしょう・・
このころ・・
苦痛を取りきることが
本当に良いことなのかと
悩んだ時期でした。
そうではないです。
戦う相手を残して生きるバランスをとっていくことが大切なのではなく、
痛みと戦い続けてきたと記憶に刷り込むほど、辛く、苦しい時間を患者さんに味合わせてしまった事にこそ問題がありました。
こうした過去の患者さん達。
苦痛が取れた後、
どんどん透明になっていく患者さんを感じたことがあります。
自己も欲も全てがなく、遠くを見つめながら今を過ごし、そして無になっていく・・
あの頃、どんどん透明になっていった患者さん・・
もういいの・・とおっしゃった患者さん・・
空を見上げながら、語りかけることがあります。
症状緩和の先にある生きることの意味、共にあろうとすることの意味を、若い医師に教え、伝えるためにはどうすればよいのだろう・・
何よりも、あなたの人生からのメッセージを受け取ることができたことに、今更ながら、心の底から感謝です。
Susan CiprianoによるPixabayからの画像
いつもありがとうございます。
改めて、1日1日を大切にし感謝して生きていきたいと思いました。
想いを寄せて下さり、本当にありがとうございます。
何のための苦痛の緩和なのか悩んだ時期でした。
温かなコメントに支えられます。
aruga