プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

火垂るの墓

2005-11-06 20:19:25 | スポーツ
阪神タイガースの2年ぶりの優勝パレードは、またしても雨になってしまいました。そこで今日は、御堂筋へは行かず、「火垂るの墓」(11/1日本テレビ系で放映)のビデオを観ることにしました。野坂昭如原作の「火垂るの墓」はすでにアニメでは有名ですが、このたび井上由美子脚本、佐藤東弥演出で終戦60年スペシャルとして実写ドラマ化されました。アニメの「火垂るの墓」は、14歳の清太と4歳の節子の幼い兄妹が、戦時下を懸命に生き、死んでいく兄妹愛の話として、また、戦争の中でおばさんたちが人間としての判断を狂わせる悲しい物語としての印象が強くありました。
今回のスペシャルドラマ版「火垂るの墓」は、子役たちの熱演で、アニメのイメージを生かしつつ(幻想的なホタルの群舞、恐怖のB29の襲来など随所に見所あり)、「それだけでは終わりません!」という製作者の言葉どおりの力作となりました。空襲で家も親も失った幼い兄妹を引き取る沢野久子(松嶋菜々子)の心理的葛藤を長女の目を通して描写し、戦争とは何か、国家とは何か、軍人が守ろうとするものは何かなどを鋭く問いかけていました。さらに、戦争によって奪われていく、主人公たちをとりまく人々の生活や心のさまを鮮明に描き、いっそう厚みのある反戦ドラマに仕上がっていました。私がさらに感銘を受けたのはエンディングで、清太や節子の映像にダブらせながら、イラクやパレスチナ、アフガニスタンと思われる国々の子どもたちの映像を流したことでした。製作者の心意気が伝わる思いがしました。
日本の自衛「軍」をアメリカの侵略戦争に加担させる企てが、在日米軍基地強化や憲法改定によって現実のものとなる危機がまぢかにせまっています。わが自衛「軍」が、中近東の幼い子どもたちを清太や節子と同じような運命にあわせることを、私たちは許せるでしょうか。私たちは、戦争による被害者になることも加害者になることもイヤではないでしょうか。私たちがやらねばならないことは、憲法を改定することではなくて、憲法9条がすべての国が守るべき国際基準となるよう力をつくすことです。人々の意志が戦争を止める日が必ずくると信じます。節子の悲しい死は、私たちにそのことを訴えかけています。佐々木麻緒ちゃんの「節ちゃん」は本当にすばらしかった。松嶋菜々子さんは毅然としたところはとてもよかったが、も少し”やつれ”があれば、もっとよかったと思います。

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3 コメント

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Unknown (junko)
2005-11-07 09:10:58
パレードには行かれなかったのですね(笑)また雨でしたねぇ~

誰か「雨男」が居るんでしょうか(笑)

「火垂るの墓」はかわいそうなので見ませんでした。

同じ地球に住む仲間同士、争いあうことの無い日が来ることを

私も祈ってます。
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Unknown (MAYUMAYU)
2005-11-07 15:25:48
話し合いで解決できれば、戦争なんておきません。しかし、現実は、様々な国で戦争が起こっています。

何のために戦争をするのでしょうか?

軍事力を誇示するため?

軍事需要を産むため?るため?

現実、アメリカの税金の半分以上が軍事費に当てられる。そのお金があれば、道路の補正・福祉などにまわせばどうかと考えられるが、アメリカ国民からそのような声は聞かない。国民性の違いからだろうか・・・。



日本に目を向けてみると、自衛隊が海外に派遣される時、憲法第9条がネックとなっている。この第9条は日本が唯一世界に誇れるも。それが改悪の危機にある。唯一、原爆が投下された日本が、世界の平和の危機である今、改悪するべきなのでしょうか。世界の中の日本の立場を考えると、手本になるべきなのではないでしょうか。戦争のない平和な暮らしを、私たちの子供や孫に継承していくことが日本に住む私たちの使命だと思っています。
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子役佐々木麻緒の母親 (sadakun_d)
2005-11-21 19:49:31
週刊誌に麻緒六歳と

母親真由美32歳が写真入りで掲載されていました。



写真見なければよかった
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