プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

世界で孤立するブッシュ大統領と小泉首相

2005-11-07 20:17:20 | 政治経済
小泉後継が噂される人たちが改造内閣の有力ポストについたことをアジアや世界の世論がどうみているか、日本国民がリーダーの選択を誤らないようにしないと、21世紀に日本は世界から、孤立することになる、相手はアメリカだけということになる懼れがあるとBlogに書いたところ、どなたからか「あなたは中国人なんだね」というコメントをもらいました。論理抜きの批判にまともに答える気はありませんが、今日はオランダ人のカレル・ヴァン・ウォルフレンさんが、2005.11.7付「朝日」新聞の「時流自論」欄で『繭にこもる「日米」孤立』と題して私と同じような趣旨のことを論じておられますので、紹介したいと思います。
ウォルフレンさんは言います。「最近、この2カ国(日・米のこと)に驚くべき類似点が露呈してきた。それを一言で表せと言われたら、『孤立』以上にふさわしい言葉はないであろう」、ブッシュ政権は、他国の運命などにまったく関心をもたず、「強大な軍事力で築いた、外界からのいかなる挑戦をもはねつけつける堅強な殻の中に閉じこもりつつ、軍事力によって世界を変革することを願っている」、そして日本。毎年1600万人もの旅行者を海外に送り出し、何百万台もの電子製品や自動車などを輸出しているのに「外国人の目には信じられないほど孤立している。・・・戦略的、政治的、外交的に・・・隅っこに隠れすんでいる」
「ブッシュ大統領やその側近は“繭”の中にいるのだ。」最近、共和党右派からさえ、次のような批判が公然と出るようになった。「空想に生きていく全く能力のない政権」、「空想の最大の産物であるイラク侵攻は米国史上最大の戦略的惨事だ」と。
ウォルフレンさんは続けて、小泉首相について次のように論評します。「小泉首相は、一見すると”繭“の中にひそんでいるようには見えない。テレビ受けする政治家・小泉氏は日本国民にとっては常に身近な存在のようにみえる。だが、アジアの隣国をはじめ、世界各国の首脳たちと、小泉首相は一体どのような関係を築いているというのか。そう考えると、小泉首相の孤立ぶりは極めて明白だ」そして、ウォルフレンさんは「ブッシュ大統領のプードル」だとか「愛玩用子犬(言いなり)」と揶揄されながら、日本には、小泉首相の付き合いの悪さのような態度を取る余裕が本当にあるのかと問いかけ、「この60年、日本を含め米国が同盟を組んだ国々は、米国にとっての従属国以上のものではなくなってきた」、日本の政治エリートはこの事実を認識しているのかと警告しています。
最近落ち目の目立つブッシュ大統領の支持率(一年前の55%が35%に)を「しんぶん赤旗」の潮流子は「秋の日のつるべ落とし」と皮肉っていますが(「赤旗」2005.11.6)、小泉首相の方は、あまり深く考えない国民に支えられ、なお意気軒昂のようです。世界の笑い者にならないように、もう少し、自分で調べ、考えることを心がけましょう。





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