プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

株価4年半ぶりに1万4000円台を回復

2005-11-05 19:54:04 | 政治経済
4日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は休日前の2日終値に比べ181円18銭(1.30%)高の1万4075円96銭と、2001年5月23日以来ほぼ4年5カ月ぶりに1万4000円の大台を回復、構造改革を標ぼうして小泉政権が発足した同年4月26日終値(1万3973円)をようやくにして上回った。安倍官房長官は早速「感慨深い。われわれが進めている小泉改革は間違っていない、今正しい道を進んでいる、そういう気持ちだ」と述べ、小泉構造改革の成果を強調した。果たしてそうだろうか。小泉内閣になって4年半近くもかかってやっと元の水準に戻っただけで、とても小泉改革の成果などと言えるものではない。
ゼロ金利で、日銀が超金融緩和を続けているもとで、株価の上がりはむしろ遅すぎたといわねばならない。小泉改革で、労働分配率をどんどん引下げ、法人税負担を軽減し、「リストラ効果」で大企業勝ち組は空前の利益を上げているのだから日経平均が上がってある意味で当然である。多国籍企業が世界で稼ぎまくる一方で国内の家計部門は低迷したままである。国内の再生産構造がいびつだから実体経済の拡大が進まない。行き場をなくした資金が、株式市場や土地に向かう。今回の株価高はこのような過程で生じたものだ。そのなかには株式や土地の売買で儲けるアメリカの投資資金も重要な割合を占めている。小泉・竹中改革は軍事と金融に頼るアメリカ・カジノ資本主義に従属しながら、国民の犠牲を足場に多国籍企業の利益を守ろうとしているのだ。株価の回復と国民生活の回復とはなんの関係もないのだ。

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