またしても、絶望した非正規労働者による悪夢のような悲劇的事件が繰り返された。事件はきのうの朝、広島県のマツダの工場で起きた。四十二歳の元期間従業員の男が乗用車を暴走させ、歩いていた社員ら11人を次々とはねた。日本には形だけは労働組合があるが、大企業正社員によって組織される企業別組合が主流で、本来の労働組合はほとんどないに等しい。労働組合運動のない日本社会では、支配階級の攻撃に対する反撃が個別的・局地的になりがちである。仲間と連帯して闘うすべを知らない絶望した労働者を社会変革の隊列に迎えることができない限り、今後も暴発を完全に防ぐことは不可能だろう。
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