今年4月に亡くなった井上ひさしさん追悼の「9条の会」講演会が先日(6月19日)、東京日比谷公会堂で行われた。鳩山政権は国民の、改憲や構造改革を止めてほしいという要望で登場した政権であることを強く自覚し、その分、迷走を繰り返したが、菅・民主党にはそのような自覚がまったくない。鳩山・小沢の辞任ですべてを水に流し、模範的に自民党化することで、支配階級の支持を取り付け、政権の安定を図る方向に舵をきった。政権に就いた途端、過去の自分の言葉を行動で裏切っても「政治家として当然」と開き直り、居直る菅新首相はその象徴である。
昨年の総選挙では、憲法問題を争点にすることを避け、訳の分からぬマニフェストですませた民主党が、自民党からの誘いに乗って、積極的に動き出す可能性が大いにある。それだけに、各地の「9条の会」が井上ひさしさんの志を受けついで交流と連携を強めつつ、ネットワークを形成し、草の根での運動をいっそう強化することを確かめ合った集会の意義は大きい。
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