BOSSの壷

"Southern Valley" の日常とBOSSの《壷》をお伝えします。

ピザ窯。

2019-03-21 11:15:55 | ご報告
ご存知の方もおられると思うが、
房総の山中には「村のピザ屋 カンパーニャ」という名店がある。
ピザが食べたくなると必ず訪れているうちに、
オーナーシェフの K氏 とのお付き合いが始まった。
K氏 は厨房のピザ窯だけに留まらず、
ご趣味の範囲でもピザ窯を作っておられる。

そんな折、トレーラーハウスビレッジの方から
ピザ窯製作のご依頼を受けた私は、即座に K氏 に製作を依頼。

ほぼ全ての製作は K氏 の豊富な知識と経験によるものだが、
移動可能な便利さと、最後の仕上げ部分、架台は私が製作する。

「乾燥の火入れが終わったよ」〜との連絡を受けて K氏 の元へ直行。
ピザだけではなく、様々な料理が可能な重厚で立派な窯が完成していた。


私の注文で、ベースの分厚い鉄板には、ユンボで吊れるアンカーボルト が装備され、
重量 250キロ の本格ピザ窯を軽トラで移動できる仕組みだ。

この写真を見た DOX スタッフが、
「BOSS の友達って、皆さん雰囲気が似てるよね」と言った。
確かに、私もそう思う。


世の中に無いもの。
人がやらないこと。
本気で頑張らないと出来ないもの。
時間を忘れて没頭できること。
トラブルと悩みをこよなく愛せること。
わかる人にわかって欲しいこと。
わからない人には分からなくていいこと。

そんな思いが原動力なので、色白で華奢な人は極めて少ない。

私の人生、あと何人の「悩める天才」に出会えるのだろうか。



《オヤジの壺》唯一無二。私の師匠。

2019-03-17 07:39:36 | ご報告
前回のブログで、私なりの「神さま仏さま」に少し触れた。
ところが実は、神さま仏様にすがる前の段階で必要な「師匠」の存在がある。
私にとっての師匠は間違いなく《迫(はざま) 二郎》(敬称略)なのである。
ガラス作家一筋の師匠とは30年以上のお付き合いだが、
“SV” の開拓が始まってからはお会いするタイミングが全く無かった。

ところが先日、知人の結婚に伴って記念品を考えた時、
真っ先に思いついたのが師匠の作品だった。

〜で、あまりにも乗らなさ過ぎてバッテリーが上がったコルベットを修理し、
妻の Noco と茨城の笠間へ向かった。

師匠の自宅は私にとっての聖地。
何日も下宿して吹きガラスの手ほどきを受けた頃が懐かしい。


山里の澄んだ空気は富津のそれとは違って凛と冷たい。


見る者を圧倒する神聖なガラス窯に素材を投入する師匠。


十数年ぶりの再開なのに、お互いに「変わってないね」だったが、
改めて写真を見ると、二人とも孫を有する歳が見て取れる。


〜で、お祝いの作品だけに我慢ならず、
私も Noco も、師匠の大切なストック作品をおねだり。
全て手のひらサイズだが七点をピックアップ。


その中から私の二点だけをご紹介したい。
なぜ二点だけなのか? それは私の勝手な解釈だ。
師匠の魂が込められた作品は、手に入れた人に純粋に渡るべきで、
その細やかなディティールは、本人の承諾なしに公にするべきではないと思っている。

「めでたい(めで鯛)」〜から発想された作品。
こちらと同型の二作品をご結婚の記念にさせて頂く。


沢山のペーパーウエイトの中から、燦然と光り輝いて
私を虜にしたのがこちら。
私がコルベットでやって来るのを察知したかのような
アメリカンで艶やかな作品。
これは、ただいま復活作業中のエアストリームに飾るのさ!


「波乗り」と「釣り」と「作品探し」(作品づくりも)は、
時間的、精神的な余裕がないと手をつけられない私。
それが、「師匠に会いに行こう!」と思ったのだから、
もしかしたら少し余裕が生まれ始めたのか、
はたまた人生のラストに差し掛かった焦燥感からなのか。

いずれにしても、仕事は現役でありながら、
決して忘れずに取っておいた大切な世界にも身を投じたい。

そんなことを思い起こさせてくれた師匠に感謝です!




ご祈祷式

2019-03-16 20:14:39 | ご報告
私は決して信心ぶかくはないが、
それなりのシキタリはギリギリに守っている。

それは何故か?

何事にも(好きなことだけ?)夢中になる私は、
予測なり経験値なりで出来る限り必死で頑張る。
それでも上手くいかない場合は、
「きっと、神様なり仏様の類(たぐい)の力が働いているのかも?」
〜と思うことがある。
それは、単なる力不足だったりタイミングの悪さだったりするのだろうが、
もしかしたら運命や宿命だったりするのかもしれない。
それが原因なら、そこには絶対に自分の力が及ばない訳で、
何かの悪い部分を、神様や仏様に忖度(そんたく)してもらおうと
ちょっと卑怯にジタバタするのかもしれない。

ご祈祷は魔除け・健康・安全・商売繁盛まで盛り込んで頂き、
私たちスタッフのみならず、”SV” を訪れる全ての皆様の分も
心を込めてご祈祷させて頂いた。




「へぇ〜。BOSS でも神様に頼るんだ」〜と若い常連さんが言った。
確かに。こうしたシキタリを重んじる世代は過ぎ去ったのかもしれない。
でもね。「初穂料に加え、酒や米、お頭付きの魚、果物や野菜などなど、
これだけ捧げたのだから宜しくお願いしますっ!」〜てなもんで、
これは正に忖度の極みでしょ!
〜で、この忖度は確実に効果があるのだから困ったもので、
これでもダメなら確実に自分の努力が足りないのである。

誰かが歌ってた。
♪ヤッてもいないのに「ヤってられない」〜はないだろう♪
そう、全てヤってみるのも方法の一つだと思います。


富貴蘭(フウラン)

2019-03-04 11:25:55 | ご報告
人は、「忘れる」という優れた能力を持っている。

四季の移り変わりも、けっこう厳しかったはずの
「あの頃」を忘れられるから耐えられる訳で、
体感として思い出していたら辛くてヤってられないかもしれない。

この前の真冬と真夏は厳しかったはずなんだけど、
じきに訪れる春はウキウキが先で、その後の猛暑を忘れている。
秋も、美味しいものに目が行って、その後の厳寒を忘れている。

いいよね。忘れられるって、本当にいい!

話は変わりますが、私は今年で62歳になりました。
“SV” の開拓から約10年が経った今、
これまで感じたことがないほど爽やかな、
ワクワクとウキウキが混じった精神状態に浸り始めている。
その原因は、DOX スタッフが “SV” に全員が揃ったからで、
今月末には次男のダイジロー家族も近所に引越して来るからだ。

私は、いつまでも業務の先頭に居座るつもりはない。
かと言って、現役を引退するつもりもない。
ただ、時代の流れと自分の老いを無視することは宜しくない。
運良く息子二人が DOX と “SV” を引き継ぐことになったのだから、
彼らは彼らならではの業務形態を模索するべきで、
私は「間違ってはいけないこと」に目を光らせるのみである。

つまり、ナンでもカンでもガツガツと先を急ぐのではなく、
彼らの進みたい方向を見定めながら、少しゆったりと構えたいと思う。

〜で、ここ10年間でヤレなかったことに少し時間を作り、
ずっと健康でいられる約束のない今後の毎日を、ボチボチと楽しみたい。
妻の Noco も息子たちも、「そうしてください」と言っているし、
(私が頑張りすぎると邪魔なのかも?)
それが最近のワクワク&ウキウキであることは間違いない。

下の写真は、マウイ島のコンドミニアムの庭。
なんの変哲も無い景色だが、だからこそ「パクれる」のである。


下の写真は、数ヶ月前の DOX ガーデンの写真。
自分としては、けっこうハワイに近づけた庭だと思っている。


この写真には、私の求める「3つの要素」が写っている。
「広い空」「大好きなヤシの木」「それを引き立てる真っ赤な花」だ。


暖かな気候の房総でも、さすがに常夏ではない。
だから、植物の種類も色合いも限定されてしまうが、
私は、ただひたすらに、この単純な三角関係を自分の庭に再現したいのである。
まさに単純な動機と自己満足だが、満足とは所詮そんなものではなかろうか?

〜で、富貴蘭(フウキラン・フウラン)を準備した。
富貴蘭は着生植物で、私はヤシの木に着生させるつもりだ。


着生のタイミングは来月4月。
根を水苔で巻き、ヤシの木の幹に木綿糸で着生させる。
そのため、今は休眠中の根と葉を観察しながら、
根と葉が動き始めたタイミングを見計らって作業を行う。

こんな些細な積み重ねが、自分にとっての理想の庭造りに欠かせない作業となる。
そんな些細な作業項目は 100 を下らないから、ずいぶん先まで楽しめるのである。

実は私、大した目的や目標なんて持っていない。
流れ流れて、毎日が夢中で、今に至っているだけだ。
そして、DOX や “SV” を訪れる皆様が、
「あ〜、気持ちいい!」〜と感じて頂ける空間を造りたいだけである。