パソコン音痴の私に代わり、DOXスタッフのリュータローが《DOX フィールド 計画》のブログを作ってくれた。今まではDOX日記の中で随時お伝えしていたが、計画のスタートが見えてきそうな気配になり、更に詳細な情報をお伝えしようと思う。
ところが、ご来店のお客様に、
「DOX フィールド計画とは何ですか?」と訊かれることがある。たしかに、新しいお客様は何の事だかお解りにならなくて当然だ。そこで、ブログの第一弾として、「DOX フィールド計画とは何ぞや?」というご説明をさせて頂きたい。
私達は熱烈なイタグレのファンだ。小さくて可愛らしいのは当然だが、グレイハウンドとしての美しい走りも大きな魅力だから、イタグレに適した環境と時間を与えてあげたいと願っている。ところが、多くのドッグランは決してイタグレに優しいとは言いがたい。芝生が完璧にフラットでなかったり、障害物があったりするし、直線距離が足りない。オリンピックの短距離選手でも及ばないイタグレの走力を、いかんなく発揮できるドッグランは非常に少ない。それでも、遠く地方に出れば無くもない。しかし、イタグレには良くても、今度はオーナー様が長時間楽しめる設備に大きな不満がある。寒かったり暑かったり、おトイレの清潔感が問題だったり・・・。そして極めつけは「大型犬など、他犬種との衝突や喧嘩」に尽きる。超軽量なボディーや細くて長い足には非常に危険な状況だ。(貸切で楽しんでおられるメンバー様もおられるが)
そうした、全ての問題を可能な限りクリアした《イタグレ専用のメンバー制ドッグラン》を造ろうとした訳だ。
言葉にこだわるようだが、「ドッグラン」という既成の概念を打ち消すため、あえて「フィールド」と名付けたかった。DOXの当初からのイメージは、イタグレ達に適した環境はもちろんだが、オーナー様が「リゾート・レベル」として感じて頂ける新しいスタイルのフィールドだ。朝から晩まで居られるような、まるでリゾート地のような素敵な空間を造りたかった。
この《DOXフィールド計画》は6年越しとなるが、ご愛犬とオーナー様に喜んで頂けるフィールドと共に、決して無視はできない《イタグレ専用のメモリアル・パーク》の設立は、イタグレを販売させて頂く生業としてDOXが成し遂げなければならない責任だと認識している。だから、どんなに苦労があっても実現させたいと願っている。イタグレオーナー様ならご納得頂けると思うが、現実として、イタグレはイタグレと遊ぶのが安全で適切だし、その愛しき生涯を終えても、イタグレ仲間と一緒に居させてあげたいと願っている方も少なくない。もちろん、メモリアルに関しては個々のお考えもあるから、そうした準備だけはしておきたいということだ。
年に2回、《イタグレの集い》を千葉のAiランドさんに無理を言ってお貸し頂いているが、その度にメンバー様にお力を借りて簡易フェンスの設営や撤去をお願いしてご迷惑をかけているし、いつまでもAiランドさんにご迷惑もかけられない。
《イタグレの集い》では参加費を頂戴してはいるが、場所の使用料や準備・資材費を算出すると完全な赤字のイベントになる。その割に簡易フェンスでの危険性や、暑さ寒さに対する対処が難しく、やはりDOXオリジナルのフィールド所有が迫られてきたと言う訳だ。
DOX定休日を利用しての「パソコン検索での土地探し」はもちろん、ダービーパパとの「知人のアテをアタリまくる」から、「とにかく走って不動産屋さんに飛び込む」まで色々と試みた。お気持ちあるDOXメンバー様からも、ご親戚の土地をご紹介されたこともある。でも、想像している環境と設備を可能にするには様々なハードルが立ちはだかり思うように事が進まない。ソンなコンなで時は過ぎ、私達は3つの希望条件を基に土地探しを見直すことにした。
「比較的暖かいこと」「海を感じること」「夕陽が見えること(できれば富士山も)」という条件だ。
海を感じて夕陽が見えるとなれば、海岸が西を向いていなければならない。まず思い浮かんだのが三浦半島の西海岸だ。そして何度も通った。結果としてダメだったが、その理由は多くて長くなるので割愛させて頂く。茅ヶ崎あたりからキメ細かく散策して南下した。ある日、城ヶ島をクルリと回ったあたりで、「もう、この先からは夕陽が見えないな~」と諦めかけていた時、東京湾を隔てた向こう側の山々や街がオレンジ色に浮かび上がってきた。「そうか。千葉の西海岸か」
翌週から千葉通いが始まった。割引前のアクアラインは異常に高額だったが惜しげ無く通った。そして色々な人に出会った。気に入った場所もたくさん出たが、様々なハードルを越えることができなかった。ハードルの第一は土地の価格だ。海沿いの良い場所は破格に高い。近所に民家があってもダメだ。1,000坪以下では駐車場だけで使い切ってしまう。そんなハードルに、毎回ぶつかってしまう。土地の価格については、こうだ。まだまだ、リゾートと呼べるドッグランが存在しないこともあり、一般のドッグランの入場料は極めて安い。安いどころか、公共のドッグランは無料だ。そうした中、いくら高級なドッグランであっても高額な会費や使用料金では皆様のご賛同が得られない。だから、メンバー様にお手紙とご返信のハガキをお送りして賛否を募った。「賛成」「ちょっと考える」「反対」など様々なご返事を頂いてはみたが、折しもアメリカの経済破綻が勃発し、日本への影響も出始めていた。
そして2008年の暮れも押し迫った頃、千葉県富津市にある神社の土地1,800坪を借り受ける手はずが整いつつあった。背丈ほどもある雑草を刈込まなくては敷地の全体像が把握できないため、《雑草バスターズ》なるDOXメンバー様が集まって作業をお願いしたことも記憶に新しい。ところが、こちらも最終的に価格の折り合いがつかず断念。
その後、数ヶ月の空白があった去年の暮、「知人の知人が、知人の知人に会わせる」という知人からの電話があった。もう、知人が何個付こうが行ってみようと思った。そして、この時がきっかけになり、この辺りの山を多く所有する《山主のケンさん》と衝撃的な出会いを果たす。「衝撃的とはオーバーな」とお思いだろうが、何年も複数の不動産屋さんと歩き回っても「モノにならなかった憂鬱」を、山主のケンさんは一気に解決してくれそうだった。何故ならば、地主が「売ってやる。貸してやる。使っていい」と言ったら一発で解決するからだ。こちらの要望も直接伝えられるし答えも早い。案の定、わずか3日後の正月には、マウンテンブーツを履いてケンさんの後について山を昇り降りする私があった。ケンさんは、「アンタの思いは何とか叶えてあげる。毎日でもいらっしゃい」と言ってくれた。
そして明日、絞りに絞った《DOXフィールド最新候補地》の詳細確認のため富津へ向かう。
ものごと、ゲタを履くまで分からない。調子に乗って「ここに決定ですっ!」とは申し上げられない。仮に、この地がダメだとしてもケンさんと私の想いは変わらないし、近々には一定のカタチをご紹介できるかもしれない。
以上が《DOXフィールド計画》の経緯であり現在のご報告です。
今後もこのブログを覗いて頂き、ご興味やご質問の折には何なりとお申し付け願いたい。
では明日、ピケボンのパパと行ってきますっ!