BOSSの壷

"Southern Valley" の日常とBOSSの《壷》をお伝えします。

植生の変化

2013-04-30 17:51:22 | ご報告
"SV" と出逢ってから3年が経った。
今、DOX ハウスが置かれている "ウエストヒルズ" は、
わずか50坪ほどの草むらに細い棒を立ててネットを張り、
元祖バスターズのワンコ達を遊ばせながら作業を始めた記念すべき場所。
だからここは私にとってのスタート地点でありベースキャンプ。
「いつかはここにトレーラーハウスを!」~を決めたことが昨日のように想い出される。

その裏側の谷は "ウエストサイド” 。
実は、バンブーハウスのあるエーストガーデンやメインドッグランが最初なのではなく、
このウエストサイドを Noco や リュータローは最初に探索し、大いに気に入ったいた。
しかし、3年前から何度も手をつけては、雑草の繁茂に手を焼いていた。
強風や冬場の乾燥も避けられるウエストサイドは雑草の勢いが異常に強い場所だったのだ。
それでも無意味とも思える草刈を繰り返し、木々を成敗し、フジズルを退治し続けてきた。
縄張りを広げようとする竹の勢力も諦めることなく食い止めてきた。

昨日、「あ~あ、また雑草を刈らなくちゃ」~とマサオを走らせた。
夢中になって雑草をなぎ倒すこと2時間。
するとどうだろう。
ここはもう手を焼くほどのヤンチャな姿は影を潜め、
閑静で美しい "ウエストサイドガーデン" へと様変わりしていた。
バスターズの多大な努力で、雑草に取られていた養分を木々が充分に補給し、
陽の光を遮っていたフジヅルが消えたことで木々は勢いを増して生気を取り戻していた。
どこか辛気くさい雰囲気のあったウエストサイドは、
ナチュラルでありながらも整理されたガーデンへ生まれ変わってくれた。







マサオの爆音を聞きつけてか、
アイリー&オルカのパパがウエストサイドに下りていらした。
「いやいや、キレイになりましたね」~と言いながら、
見事なまでの手際と馬力で一気に「一冬分の」枯枝を集めてくれた。
あとは雑草バスターズの面々がチョメチョメするだけ。



この春夏は植生と様子をもう1シーズン観察し、
来シーズンには素敵な「ドッグラン」・・いやいや「ドッグパーク」に変貌させたいと思う。

★《イタグレの集い》は5/12(日)に順延します★

2013-04-21 09:44:01 | イベント
★明日の《イタグレの集い》は5/12(に順延します★


4/21に開催を予定していた《イタグレの集い》は
雨天の為 5/12(に順延します!

4/21(日)開催の集いにエントリーして頂いていた
方も一旦 ご参加、お弁当、肉団子、その他のフード
やグッズのご購入はキャンセル扱い
とさせて頂きますので、
恐れ入りますが5/12(日)ご参加OKの方は再度エントリーを
よろしくお願い致します。

(4/21(日)エントリーの際に5/12に順延になった
場合の出欠をお伝え頂いている方はこの限りではありません)

DOX店頭、メール(hatano@dox-ig.com)または
お電話(DOX:03-5743-6646)にてお申し込み下さい。

1.お名前
2.参加人数(大人/子供)
3.参加頭数(犬の名前)
4.BOSSこだわり・幕の内弁当 (¥1,000)、
 肉団子10コ入り(¥400)の有無(有りの場合は個数)

※お弁当と肉団子は5/9(木)までにお申し込みください。

以上、よろしくお願い致します。

DOX リュータロー
03-5743-6646
hatano@dox-ig.com

7泊8日の最長ステイ

2013-04-19 16:08:26 | ご報告
先週の木曜日から昨日の木曜日まで、
今までで最長の7泊8日をトレーラーハウスで過ごした。



メインドッグランにあった陽避けテントは雪の重さで崩壊し、
「安価なものを買うか」or 「しっかりしたものを作るか」~で悩んでいた。
本望ではないが(見栄えの問題で)、鉄の単管でガッチリ作ることを決意。
幅 10 メートル、奥行き4メートルの大きな陽避けテントを完成させた。
少し凝ったのは屋根の材質。
農業用の透明ビニールシートと太陽光 75 % カットのシートをサンドイッチした。
これで紫外線も雨も防げるだろう。
遠目から見るとソーラーシステムのように見えなくもないが、
まあ、頑強さと広さを優先したのでお許しを。





夕陽が丘のトレーラーハウス村ではいよいよガーデニングが始まった。
私の造ったパーゴラにはお洒落なオーニング生地がかけられ、なかなか良い雰囲気に。



そんな中、ワサビ家のハウスでは本職を招いてのデッキ造りが始まっていた。
さすがプロ集団。手際よく作業が進んで行く。





以前、ヤシの木を格安で提供頂いた農園屋さんから電話が入った。
「約束のソテツを地堀したから植えに行きます」~とのこと。
こちらからも出向いて行くと、「バナナの木(実はならない)やバラも持って行きなさい」。
なんでも、場所を整地するのでオジャマになったらしい。
誰とでもディープにお付合いさせて頂く私は、こんな嬉しいサプライズプレゼントが降り注ぐ。



これが2ヶ月前に「おねだり予約」をしておいた巨大ソテツ。
すでに冬枯れの葉っぱはキレイに取り除かれ、二股だった幹は2つに切り離されていた。



連泊最終日には明後日の《イタグレの集い》を直前にスタッフ総出で整備を行った。
すると夕陽が丘のクマハチ村長が、「ランチは私が用意するからシッカリ働きなさい」。
焼いて頂いたのはアンガスステーキと、ハウスで挽いたハンバーグ。そりゃ~旨すぎる!



少しだけビールを頂き、一週間の疲れがドッと出て GP とダウン。



まだまだ日陰は涼しいが、そんな時はグレッグが暖かい。

明後日の日曜日の天気が怪しい。
天気に翻弄されるのは最近の《イタグレの集い》に定着した感があるが、まあ、大丈夫でしょう。
当日の決行・順延情報は "DOX Diary" をご参照ください。









爆弾低気圧(~らしい)の週末。

2013-04-07 06:51:48 | イベント
私(BOSS)は週の半分を "SV" のトレーラーハウスで過ごしている。
おかげで仕事がはかどり、疲労も軽減された。
DOX のブログも整理されて、リュータロー&ミズキが頑張る DOX と、
"SV" に入り浸る私の「地方分権」が形になってきた。
だから、「日が暮れるまでに造っちゃわなくちゃっ!」~といった
時間に追われること無く、今まで以上に凝った作業が可能になってきた。

夕陽が丘の村人にご注文頂いたウッドデッキのパーゴラ。
ここの空間がグッとオシャレになってきた。





DOX ハウスにもパーゴラを考えていたが、
まずは直径 3.5 メートルの巨大パラソルで様子を見ることになった。
白い木製のイスは某有名コーヒーショップの改装時にもらい受けたもの。
このパラソルの下は "スタードックスコーヒー” となる。
*営業日:私がマッタリしているとき。
*メニュー:インスタントコーヒーか冷たい水。(全てタダ)



今日は「爆弾低気圧」とやらが攻めて来るらしい。
せっかくの週末だが東京の DOX で事務仕事を片付けなければ・・・。

再来週の 4/21(日)は " 第22回 イタグレの集い” が行われる。
DOX 出身のイタグレに限らず、多くの皆様に "SV" でお楽しみ願いたい。
ギリギリまでご参加を募集しているので奮ってお申込みください。
なお、お弁当&肉団子のお申込みは4/17(水)までとなっているのでご注意を!

なお、4/25(木)、DOX は臨時休業を頂きます。

《復活! オヤジの壷/第2弾》はオーバーオール。

2013-04-02 07:50:16 | ぼやき
本来の overall は日本でいう「つなぎ」を指すが、
アメリカでは一般に胸当てとサスペンダーの付いたズボンを指す。
サロペットという呼称はフランス語。
その歴史はアメリカの西部開拓時代にまで遡る。
元々は中に着ている服を汚さないように作られた服で、
鉄道員・蒸気機関士はもとより、農夫などにも人気を博した。
今ではファッションアイテムとして根強いファンが少なくないが、
私は "SV" での作業着としてオーバーオールを多用している。

胸当てのポケットには筆記具や小物が入れられ、
腰にはハンマーを吊るすハンマーループを装備。
反対側にはスケールポケットと呼ばれる定規用のポケットもつく。
広い敷地の "SV" では、何かと道具を身に着けられるのは非常に便利。
腰の部分を絞らないルーズなオーバーオールの使い方は多様で、
夏場の熱気も自然に外へ排出してくれるし、
冬場には厚手のアウターをオーバーオールの下に着られるからとても暖かい。

古着屋さんで見つけるオーバーオールはやたらデカいものが多い。
アメリカ人がデカいのも事実だが、西部開拓時代の古い写真を見ると
やたらデカいオーバーオールで仕事をしている農夫や作業員の姿が見られる。
そして、オーバーオールの下に上着を着込んでいる。
つまり、オーバーオールは下に着ている洋服を汚さないためのものであり、
軍手や革手袋のような存在であった事は間違いない。

最近では "SV" での作業がメインになった私は、
若い頃から持っているオーバーオールを引っ張り出し、
更に数着のオーバーオールを手に入れて実用性と収集を楽しんでいる。

オーバーオールには大別して4つのカテゴリーがあると思う。
一つは新品で買えるワークブランドのオーバーオール(多くはアメリカ企画)。
一つはデッドストックか古着でしか手に入らないヴィンテージ。(実名復刻も)
一つは古き良きアメリカにインスパイアされて生産される日本製。
一つは「色物」とも呼べるカワリダネ。

まずは私のコレクションの一部から紹介したい。

《Carhartt ブラック・ダック・オーバーオール》
1889年 US ミシガン州デトロイト創業のワークウエアブランドの老舗。
US 企画の製品はタフ&オーセンティックで昔ながらの無骨さを継承。
ヨーロッパ企画のプロダクツは都会的に洗練されたデザインで近年人気。
アメリカではヒップホップ系ファッションのブランドとして古くから人気がある。

【リポート】
機能性: 全てがオーソドックスで、ヴィンテージに偏りすぎない
     使いやすさが良い。
頑強度: アメリカ企画にしては縫製が丁寧。生地も丈夫。
     このカーハートを強度の基準として語られることが多い。
貴重性: 「珍しいか?」という部分では、そうでもない。
     会社がしっかりしているから供給状態も悪くない。
入手性: インターネットやアメ横などで入手可能。
    「アメリカ製じゃなくなった」という人もいるが
     アメリカ人は決して器用ではないから、私は気にしていない。
着用感: 所有のオーバーオールの中では最も生地が厚く安心なのだが、
     それだけに重量も重く、暖かな季節になると着ることをためらう。







《Dickies ブラウン・ダック・オーバーオール》
1922年 US テキサス州に創業のワーク・カジュアルブランド。
創始者の一人〈E.E.ディッキー〉が全米各地の工場や米軍などに
採用されて実用性を重視してきたが、今ではレディース・キッズ・
バッグ・キャップなどのアクセサリーも展開して
一躍ファッションアイテムとしても人気を博す。

【リポート】
機能性: カーハートと比べられることの多いディッキーズだが、
     少しばかりカジュアルになり過ぎた感がある。
     それでも優等生であることに変わりはない。
頑強度: 本気でハードに使うには生地が少し薄くて不安。
     普通の仕事や日曜大工程度なら全く問題ないが・・・。
貴重性: 地方のジーンズショップやショッピングモール、
     セレクトショップなどにも製品が置かれているので貴重性は薄い。
入手性: インターネットでもショップ数が多いが、オーバーオールは
     少ない感じ。俗に言う「バチモン」も少なくないらしい。
着用感: ハード過ぎない着用感が丁度よいのか、
     使い過ぎて色が抜けるほど着込んでいる。
    「いつでも買える」というセコイ感情も手伝ってのハードローテーション?







《BEN DAVIS エプロン付きホワイト・ダック・オーバーオール》
1935年 US サンフランシスコに創業。
    ブランド名でもあるベン・デイビスの祖父ジェイコブは、
    ワークパンツに欠かせないリベット(補強の鋲)付きの
    ポケットを生み出した人物。その技術がのちのジーンズの
    歴史に重要な役割を果たすことになる。

【リポート】
機能性: このオーバーオールはウエスト部分にポケット付き
     エプロンが付いており非常に便利。ちょっと可愛い感じなるが、
     私のような年配者が着るとシャレになって面白い。
頑強度: 上記の2ブランドに比べて縫製糸の番手が細い。
     ハードワークに使うのは無理だと判断しているので
     ガーデニングやワンコの散歩に最適だと思う。
     祖父と父の時代は頑強だったらしいが、孫の時代は軟弱に?
貴重性: このエプロン付きは貴重。アメリカ製と中国製が存在するが、
     ジックリ比べると生地や縫製に若干の優劣が見られる。
     アメリカ製は特に貴重かもしれない。
入手性: アメリカ製を店頭でお目にかかることは、まず無いだろう。
     更に希望のサイズを探すのはなかなか難しい。
着用感: 各部のディティールが素晴らしいと思う。
     ワークウエアと言うよりファッションアイテムに近い感じ。
     様々な意匠が独特な雰囲気を醸し出している名作。





ちなみに、同じく BEN DAVIS のエプロン付きブラウン・ダック・オーバーオール。
こちらは更に貴重で入手も難しい。
サイズが合わなくても、出遭ったら買いたいほど気に入っている。
こちらもアメリカ製と中国製があり、写真の VEN DABIS は中国製。
だから~という訳ではないがガンガン使っている。
アメリカ製は膝のダブルニー部分(補強のため生地が二重になっている)に
チェッカリングの縫製が施されている。更に背中の革製ブランドマークが大きい。





そうだ! ここで一言。(そして言訳)
私のオーバーオールの足、短いでしょ?
私の足が短いのも確かなのだが、それだけではない。
普通、オーバーオールは裾を折り返して着る人が圧倒的に多い。
私はロールアップした裾に砂や泥、草刈の葉っぱが溜まるのが嫌いで、
自分のミシンでかなり短くカットしている。

《ROUNDHOUSE オーバーオール3種類》
1903年 US オクラホマ州に創業。
    ルーズベルト大統領の時代。ライト兄弟が動力飛行に成功し、
    ヘンリー・フォードが最初の自動車をデザインした頃、
    何万人もの鉄道労働者が西部へ続く鉄道の建設に従事。
    蒸気機関車の工場が円形をしていたことから
    ROUNDHOUSE のロゴマークが生まれる。

【リポート】
機能性: 120年も昔から培った機能性はオーソドックスで堅実。
     どんな作業に使っても不便を感じる事はない。
頑強度: カーハートに次いで頑強。
     確かに裁断も縫製も「キレイ」とは言いがたいが、
     使えないほど壊れるようなハードな仕事をするとは思えない。
貴重性: MADE IN USA をかたくなに守るメーカーだが、
     在庫がなくなっても入荷状況は比較的スピーディー。
入手性: 実店舗ならアメ横に6店舗ほどある。
     ネットでも容易に探せて入手は割りと簡単。
着用感: 可もなく不可もない。しかしそれは如何なる仕事にも
     応用が利くという利点でもある。

上の写真はブラウンダックでオーソドックスなもの。
中の写真はヒッコリーストライプと言って、林業者に好まれたデザイン。
縦の縞模様は汚れが気になりにくく、森の中でも視認性が良いらしい。
下の写真は「ローバックスタイル」という、ヴィンテージに多く見られる形。
「女性労働者に好まれた」との説があるが、私は暖かな地方や
夏場の蒸れを解消するためのデザインではないかと思う。










以上は比較的簡単に入手できるオーバーオールのグループ。
以下は少しマニアックなオーバーオール。

《POINTERBRAND デニム・オーバーオール》
1913年 US テネシー州に創業。
    猟犬の競技者として有名だった KING氏が創業したブランド。
    頑強で耐久性の高い造りは4代目の今でも受け継がれている。
    ちなみに、ロゴマークの猟犬ポインターはKING氏が
    たいへん可愛がっていたビル君。
    私のものは少々珍しいローバックスタイル。

【リポート】
機能性: 多くのオーバーオールが労働者の需要によって
     デザインされて発展してきたこととは少し違い、
     犬の世話や散歩・訓練などに適したルーズさが特徴。
頑強度: ヴィンテージテイストをサラリと楽しむ程度の頑強さ。
貴重性: アメリカ製のデッドストックは存在するが、
     まず古着屋でしか見られないと思う。
     新品で見られるのは復刻版。
入手性: オリジナルは入手困難。
着用感: ゆるく使うなら非常に快適。







《POWERHOUSE ヴィンテージ・オーバーオール》
1920年 US イリノイ州シカゴに登場した「ストア系」ブランド。
    「ストア系」とは、デパートなどが立ち上げた独自のブランドを言う。
    1872年創業のMongomery Ward というデパートから生み出された。
    POWERHOUSE パワーハウスとは発電所のこと。
  
【リポート】
未使用のためリートは無い。
偶然、古着屋で見つけて手に入れた品。
私には遥かに大きいサイズだったが、そのヴィンテージ感と色合いに一目惚れ。
試着してみたら、「超デカいっ! でも、こんな着方もアリか?」~で購入。
ジャストサイズだとしたら、身長 190センチ、体重120キロといったところか?
1950年代のヴィンテージ。もしかしたら私と同じ年くらいかもしれない!






HEADLIGHT ホワイトツイル・オーバーオール》
1920年 シンシナティとサンフランシスコに拠点を置く
    カーター&カンパニーのストア系ブランド。
    鉄道員・機関誌などに人気があり、50年代になると
    機能的なデザインは完成の域に達する。
    「もし洗って縮んだら新しいものと交換します」
    ~と語って、革新的なサンフォライズド加工
   (あらかじめ生地を地締めて防縮性を得る加工)
    をアピールして成功を収める。
    1960年代には CARHART に合併吸収されて消滅。
    HEADLIGHT とは蒸気機関車のヘッドライトのこと。

【リポート】
入手したのが去年の秋。「やっぱり白は夏でしょう!」
ということで今だ未使用。
1960年代に消滅したブランドだが、東洋エンタープライズが
最近になって実名復刻させたモデル。
この復刻モデルは、アメカジショップを経営していた
横浜・元町の有名アメカジショップの知人に勧められたもので、
今は亡き彼の形見のつもりで大切にしている。
オリジナルを忠実に再現したサスペンダーの金具などのディティールが、
「金属フェチ」にはタマラない魅力の逸品。









《PAY-DAY インディゴ・オーバーオール》
1922年 US ワイオミング州ケメラーに発足したストア系ブランド。
    アメリカ最大級のデパート J.C.PENNEY が立ち上げた
    BIGMACと双璧を成したワークブランド。
    PAY-DAY とは「給料日」という意味で、
    労働者のウエアに相応しい、何ともシャレたブランド名だろう。
    ちなみに、「スーパー ペイ デイ」とはボーナス支給日のこと。
    1950年代のヴィンテージモデル。

【リポート】
申し訳ない。こちらも未使用。
「着ないのにドウして買った?」~と言われそうだが、
もちろん、 PAY-DAY というシャレの効いたブランド名で買いました。






《AVIREX オーバーオール》
1937年 US 空軍への戦闘服のサプライヤーだった前身のエアロ・レザー社
    のブランド。厳しい軍規定を満たした製品だけが納品を許される
    ミルスペックブランドとしても有名な AVIREX。
    1975年。AVIREX のフライトジャケットは街着としても脚光を浴び、
    これを期に一般市場へ製品の供給を初めて人気が爆発する。
    私も二十歳の頃、渋谷のバックドロップで高嶺の花を眺めていた一人。
    ワークブランドではないゆえに、伝統に固執しない自由なデザインが
    購入のポイントだった。まあ、邪道と言えば邪道。

【リポート】
機能性: かたくなな伝統を受け継ぐワークウエアとは異なり、
     ミリタリー系の機能的な装備を自由な発想で展開した逸品。
頑強度: 「さすが ミルスペック」~と言いたいが、最近の AVIREX は壊れやすい。 
貴重性: ファッションモールなどにテナントとして入ることの多い AVIREXだが、
     数はそれほど多くないと思う。
入手性: 私の知る限り、各店頭に存在したのは半年程度。
着用感: 最近のデザインだからスリムに出来ていて、
     立ち座りの多い作業では少し窮屈。

「邪道なのにナゼ買ったの?」~ 昔のAVIREX に敬意を表して買いました。






さて、ここからは MADE IN JAPAN のオーバーオール。
これはサラッと行かせて頂く。
しかしながら、古き良きアメリカにインスパイアされ、
「温故知新」を極めた MADE IN JAPAN は本当に素晴らしい。

《JELADO ヴィンテージストライプ・オーバーオール》
様々な US オーバーオールを参考に造り出されたキレイな一着。
装備されたエプロンの使い勝手も満点。
どんな仕事をしても非常に便利なディティールが満載だ。






《STUDIO D'ARTISAN デニム・オーバーオール》
D'ARTISAN とは「職人工房」の意。
本藍カセ染め、セルビッチデニム、打ち抜きリベット、
バックシンチなど、ヴィンテージデニムのスタイルを
守り抜く貴重な日本のブランド。






《SUGAR CANE オーバーオール》
東洋エンタープライズの前身会社は三菱財閥系の商社で
生地貿易を行っていた「港商」。
戦後まもなく「スカジャン」を作り始め、テーラー東洋の
スカジャンは 1960年代、米軍 PX の納入シェア90%を占めた。
現在ではアメリカンカジュアルウエア全般の企画・製造を
展開し、実在したアメリカン旧ブランドの実名復刻も行う。
このオーバーオールも前述の今は亡き知人から購入。
胸当てにポケットがなく不便だったので、彼への想い出を込め、
彼のショップ名ラベルをポケットに改造して縫い付けた。





【リポート】
さすが日本の誇る優秀なブランドだけに製作上の欠点は見当たらない。
あえて欠点を言うならば「味」か・・・。
しかし、ハーレー か ホンダか?ポルシェ か スカG か? ~みたいな話で、
比べること自体がナンセンスでしょ?


さて、最後に登場するのは
《DIESEL デニム・オーバーオール》

1978年 イタリア・モルヴェーナに創業。
今では「お兄さん系の高級ブランド」として超有名。
私のようなオジサンには縁のないブランドだと思って
数年前までお店に入ることも無かった。
ところが、サンフランシスコで時間つぶしに入った
DIESEL ショップで「目から鱗」の発見をした。
本来 DIESEL は「ちょい悪オヤジ」をターゲットにしたブランドで、
日本では若者向けの商品をラインナップしているに過ぎなかった。
サンフランシスコ店では日本には無い興味深いアイテムが沢山あって、
それからは何かに付けて立寄るようになった。

そして 2012年の DIESEL のテーマが「ワークテイスト」。
この1年間だけだが(評判が悪かったか?)
アメリカのワークウエアを意識してイタリア風に解釈した
私好みのテーマが壷にハマった。
日本への納入は約20着という少なさで、アッという間に完売したらしい。

これがまた優れもので、「アメリカンワークスタイルのイタリアン」だ。
「これはアメリカ人の発想にないだろうな~」と感心したのが
胸当ての裏側にあるポケット。
きっと、オーバーオールをファッションとして捉えるイタリア人は、
肩からストラップを外したラフなスタイルも楽しむのだろう。
そんな場面を想定した「裏側ポケット」は、折り返した方向から
使えるように、ポケットが逆さまに付いている。
思わず「スッゲ~!」とつぶやいてしまった。

【リポート】
機能性: ほぼ満点に近い機能性。気になるのはイタリアブランドという部分だけ。
     第一、私にイタリアは似合わないでしょ?
頑強度: 縫製や各部の補強は極めて丈夫で丁寧に作られている。
     生地自体の耐久性は、触った限りでは必要充分な感じ。
貴重性: DIESEL には「並行輸入品」や『バチモン」も少なくない。
     実際、ネットではストラップ部分がシルバー色ではなく
     金色をしたモデルを見つけることができるが、「コレは?」・・・。
入手性: 本物は、まず入手が難しいと想う。
使用感: 出ました 100点満点!
     ただし、貴重性と価格を考えるとハードな作業はためらってしまう。
     アウターを着て胸当てが見えなければ、(パンツ部分だけ見えていれば)
     デニムに優れた DIESEL の「カッチョいいジーンズ」となる。
     だから、買物や散歩に出かける時に着ている。
     裏染めのパープルなんてナウイでしょ?








オーバーオール・コレクションの一部をご紹介したが、
こんな「ドーでもよいこと」の話を最後まで有難うございます!
私、小さい頃から工作が好きで、小学生の頃には既に一通りの工具を持っていた。
何でも自分で造らなければ収まらない性格は今でも同じ。
これらのオーバーオールも、私にとっては道具の一つではあるのだが、
それ以上に、「自分のライフスタイルに合ったウエア」として愛用している。

でも、私のように肉体労働者風のダーティー感(薄汚い?)がないと少し浮くかも・・・。
キチッと整髪されて色白なら、フォーマルなウイングチップの革靴や
ウールのジャケットなどに合わせ、ニューヨークハットを少し斜めにかぶったら宜しい。
実はオーバーオール、コーディネイトによってどんな雰囲気の人にも対応する魅力があるのだ。

「オーバーオールが似合いますね!」
そんなことを言われるジジイになりたいなっ!