パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

抹茶アイスは私も好きだ

2009-11-17 21:03:29 | Weblog
 大相撲の九州場所が惨憺たる有様だ。

 ガラガラ。

 先場所は白鵬と朝青竜のガチンコ優勝争いで盛り上がったのだが、その反動か、それとも、鳩山政権誕生、オバマ来日、市橋逮捕、森繁逮捕などに話題を奪われてしまったのか。

 ともかく、普通だったら少しは事前に報道がなされるのだが、気がついたら始まっていた。

 ところで、市橋が深くフードを下ろして連行される姿が「かっこいい」と、女子を中心に盛り上がっているらしいが、確かに、あれはかっこいい。

 履歴書の字もきれいで、話し方もとても知性が感じられたと雇用者側が言っているみたいだが、偽名の「井上康介」もなかなかハードボイルドチックでかっこいいと思った。

 しかし、今のところはフードに顔の大半が隠されているので、本当のところはわからない。

 夜目遠目傘の内って言うからね。

 フードを取ったらがっくしとなる可能性はあるが、でも、あのあごのシャープな線はちょっとぐっとくるものがある。

 いい役者が少ない昨今、余計にそう思うのだが、その役者の森繁が死んで、世間はもう少し騒ぐかと思ったが、そんな風にも感じられないのがちょっと意外だった。

 もちろん、テレビなどでは一応いろいろやってはいるのだが、世間はまったく森繁の死に関心を持っていない。

 それで、追悼番組もまったくおざなりでしかないが、中では、中村メイコが、「森繁さんは老人になってから老人を演じていた」と言っていたのが印象的だった。

 そうだ。そういう森繁のやり方に世間は食傷気味で、飽きていたのだと思う。

 しかし、森繁といえば、小林信彦が狩り出されると思ったがテレビでは今のところ出番なし。

 小林の場合は、どちらかというと、森繁批判になるからか。

 森繁に「社長シリーズ」の話を振ると、あんなのは芝居のうちに入らないと露骨にいやな顔をされるらしいが、この森繁のシリアス志向を世の森繁にあこがれるコメディアンたちは追随し、失敗する。

 これを小林信彦は「森繁病」と言ったのだが、コメディアンというのは意外なことに、勉強家が多いのだそうで、みな小林の「日本の喜劇人」などを熟読し、参考にする。

 ゆびぱっちんのポール牧もその一人で、「俺は絶対に森繁病にはかからない、一生芸人で通すんだ」とがんばったが、がんばりすぎで自殺してしまった。

 ポール牧なんかは、シリアス映画でまじめな役をやったってぜんぜん大丈夫なタイプだと思うのだが。

 要するに越えようとしてもだめ、逆をやってもだめと、何をやっても日本の役者は森繁という壁に拒まれてオリジナリティを獲得できないのだが、ただし、北野武の映画だけは別で、実にたくみに森繁という壁を避けている。

 渡嘉敷のような元プロボクサーを使うのもそのひとつだし、中でも「ソナチネ」のちゃんばらトリオのおっさんは面白かった。

 シリアスな顔で張り扇を振り回しても全然オッケーじゃないかと思ったりした。

 というわけで、追悼番組にはぜひ北野武を呼んで演技者森繁について語ってもらいたいと思ったのだが、今のところ影も形もなし。

 いずれ、小林も武も何らかの形で発言するとは思うのだが。

 ところで、鳩山首相にマスコミは振り回されているが、普天間基地問題における閣内不一致は、前回の連連立政権における失敗を繰り返さないために、ガス抜きとして反対意見を言いたい放題言わせているのかもしれない。

 という意見が一部にあるが(私だけ?)、本当にそうだったら鳩山は案外ものすごい宰相ということになる。

 でも、わからない。

 ただ、意外に「図太い」ことは確かのようだ。

 でも、時々「屁理屈」を言うのが気がかりだ。

 基地問題で、「話し合いに前提があったら話し合いの意味がない」とか。

 あれは、私が、元来理工系なので思うのだが、理系特有の言わずもがなの「屁理屈」だ。

 しかし、オバマ大統領はすごいなあ。

 「抹茶アイス」の一言で、女子大生なんか、涙流さんばかりに感激していた。