日本で最初にダンエレクトロを弾いた男

2017-05-26 23:10:24 | Dano Column
より厳密にすれば「日本のミュージシャンで(おそらく)最初にダンエレクトロのエレクトリック・ギターを弾いた男」ということになるわけだが、その男の名は清野太郎といって、スウィング・ウエストというバンドのメンバーであった。

スウィング・ウエストについて調べてみると、小坂一也のいたワゴン・マスターズを脱退した堀威夫(あのホリプロの会長)が1957年に結成したロカビリーバンドなのだそうだ。その後、日本の音楽の流行がロカビリーからエレキ、そしてグループサウンズへと移り変わっていくたびに、スウィング・ウエストもその音楽性を変えていき、1970年に解散したとのこと。このバンドに在籍したメンバーを眺めてみると、佐川満男、守屋浩、湯原昌幸といったボーカリスト、そして後にスパイダースのリーダーとなる田邊昭知といった名前が並んでおり、戦後の芸能歌謡史に残した足跡はそれなりに大きいものだということがわかる。

さて、清野太郎に話を戻すと、彼は当時のロカビリー歌手がそうだったように、アメリカのロカビリーソングに日本語詞をつけて歌っていた。「ダイアナ」や「ドント」といった有名曲のほか、「ロックを踊る宇宙人」という邦題をつけた「パープル・ピープル・イーター」なども歌っていた。



そして清野太郎はスウィング・ウエストを脱退後、ハワイで活動していたことがあり、ちょうど映画「ブルー・ハワイ」のロケでハワイに来ていたエルヴィスと出会い、「歌手なら何か歌ってみろ」と言われ、歌ったところ、エルヴィスもノリノリになって一緒に歌いだしたというエピソードで知られている。

そんなわけで以下にリンクしたサイトを見ていただくと清野太郎がすでに1957年にダンエレクトロのU2を弾いている姿を見ることができる。画像がモノクロなのではっきりとはわからないのだが、彼のダンエレクトにはいくつかの可能性があり、そのうちの1本はジンジャーのU2ではないかと思われる。

ウェスタンからロカビリーの時代



「Dano研」的には日本で最初にダンエレクトロを弾いた人は誰かというのが長い間の疑問だったのだが、年代的にいって清野太郎で間違いないのではないかと思われる。欲を言えば、彼がどういう経緯でダンエレクトロを知り、愛用したのかを知りたいところである。
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