ダンエレクトロの首

2014-04-05 22:57:39 | Dano Column
    

ランディ・ローズの「ポルカドットV」のネックがダンエレクトロだということはよく知られている。エドワード・ヴァン・ヘイレンもその初期にはダンエレクトロのネックがついたギター(通称「スター」)を使っていた(ESPの「ランダムスター」はそのコークボトル・ヘッドの形状までコピーした)。

この二人がダンエレクトロのネックを採用したのはなぜか、そのことにどんな理由があるのか、「だのじゃん」的に以前から気になっていたのである。

調べてみると、知りたいことのほとんどは以下のサイトに出ている。
http://www.premierguitar.com/articles/the-guitars-of-randy-rhoads-1

このサイトではランディの「ポルカドットV」を製作したカール・サンドヴァルが当時の思い出を語っている。この人はエディーの「バンブル・ビー」や「メガゾーン」の製作もしたので、今回の私の疑問を解消してくれる、いわばキーマンということになるだろう。

そもそもの発端はランディがジョージ・リンチと知り合ったことから始まったそうだ。二人はギターやアンプのことなど語り合っていたらしいのだが、あるときジョージがVシェイプのギター(これもネックはダンエレクトロ)を持ってきた。それはギブソンのフライングVとは違い、シングルコイルピックアップとトレモロアームのついた、ギブソンとフェンダーをミックスしたようなものであった。これを製作したのがカール・サンドヴァルその人であり、このギターにランディは興奮さめやらず、ジョージを介してランディはカールと知り合うこととなったのである。

カールはフェンダーやシャーベルに在籍したこともあるクラフトマンで、若い頃からダンエレクトロのネックを使ってギター製作をしていたという。ダンエレクトロのネックは安く手に入るということもあるが、どうやら指板がフラットだということが気に入った一番の理由のようだ。おかげで弦高をできるかぎり低くできるし、それによるチョーキング時の音詰まりもないというわけだ。

エディーの「フランケン」も自分で指板をフラットに加工したわけだから、「スター」でダンエレクトロのネックを採用したのもカールと同様の理由からだろう。ランディもクラシックギターの先生になりたいと思うくらいだから、フラットな指板を好みそうだ。
そのほかの理由として考えられることは二人ともそれほど手が大きいわけではなさそうなので、フェンダースケールより短いダンエレクトロのほうが手になじんだのかもしれない。

フラットな指板はテクニカル系のギタリストに好まれるが、その源流にダンエレクトロのネックが存在しているということがとても面白い。



ちなみに「ポルカドットV」のネックはドルフィンノーズと呼ばれるヘッドを持つタイプで、その下の部分に木材をつぎたしてやじりのような独特のヘッドにしている。
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