Convertible 5015

2010-02-09 21:06:19 | Dano Guitars
今まで何度か入札しつつもハナ差で競り負けていたコンヴァーチブルをこの次はモア・ベターとばかりに落札することができました。

コンヴァーチブルは1959年から1969年まで生産されました。ショートホーンにアコースティックギターのようにサウンドホールを空け、そこにリップスティック・ピックアップを1個マウントしています。ピックアップを取り外せば、そのままアコースティック・ギターになるというわけで、コンヴァーチブルという名前もそういうところから来たのだろうと思います。最初から電装系を取りつけていない5005というモデルもあります。

1967年にヘッドがそれまでのコークボトルタイプのものからインラインヘッドと呼ばれるものに変わり、ボディのカラーもブロンドからブルーやレッドになりました。

このギターのトップはやはりメゾナイトなんですが、家具調の化粧板のようなものが貼られています。おそらくそのような部材が大量に手に入ったのでそのまま使ったのだろうと思われます。同様の材が使用されたショートホーンのスタンダードモデルやスタンダードとコンヴァーチブルの合いの子のようなコンパニオンと呼ばれるモデルもあり、それらの型番は5025となっています。



一見するとボディの縁にブラウンのバインディングが施されているようですが、そうではなく、面取りをして地が出ているだけです。



コンヴァーチブルは他のモデルと異なり、アルミのテールピースと木製のブリッジが特徴ですが、これがいろいろと厄介な問題を引き起こすわけです。画像を見ていただくとブリッジがずれていますが、ブリッジを貫通しているネジ3本を足としてボディに乗っかっているだけなので、ジャカジャカとストロークしていると知らぬ間に動いていたりするのです。テイルピースもボディトップにネジ止めされているだけなので、頼りなげな感じで、こうした構造上の問題ゆえ、チューニングが狂いやすかったり、弦の震動がボディにうまく伝わらなかったり、といったことがあります。音はペンペンした感じで、これをショボイとするか、味ととらえるかは好みの分かれるところでしょう。そんなわけで、ブリッジを普通のフルアコのようなタイプに改造されているものも多いようです。

アンプを通すとやはりハウリングもしやすいので、決して扱いやすいギターではないのですが、そういう困ったところもかわいく思えてくるようなギターです。
コメント (11)
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