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Dangerous Curves

2011-09-09 02:26:36 | Music Life
ギターの歴史をたどれるような本が1冊くらいは欲しいな、と思って見つけたのがこれ。



ボストン美術館が出した「DANGEROUS CURVES THE ART OF THE GUITAR」は美術館が所蔵しているギターを通じて、バロック期から現代に至るギターの歴史を豊富な画像でたどる、というもの。

複弦5コースのものからリラやハープとかけあわされたミュータントなギターたち、そしてもちろん、現在までに多種多様なデザインが生み出されてきたエレクトリック・ギターたちも、夥しくその危ない曲線の魅力で私を誘惑するのだった。

この本を買ってから発見したのだが、実はボストン美術館のサイトにほぼ全容がアップされているのである。ということはつまり、この本を買わなくてもよかったんじゃないかという気にもなったりするわけで。

だのじゃん的にはもちろん、こうしたギターの歴史をたどる本の中で、ダンエレクトロのギターがどのように扱われているのかが気になるというのもあったのだが、しっかりとブロンズフィニッシュのショートホーン3012が掲載されていた。

ダンエレクトロのギターについてはそのデザインや使用する材についてのオリジナリティや廉価なギターを通販で販売したことで、多くの人にとっての「初めてのギター」になったことなど記されている。

SWINGING LONDON 50's-60's

2010-07-13 21:25:52 | Music Life
埼玉県立近代美術館で開催中の「SWINGING LONDON 50's-60's」を見る。
ジミー・ペイジのステージ衣裳やダンエレクトロなどの彼が所有するギターを見ることができるというので、とりあえず行ってみたというわけ。

埼玉県立近代美術館はJR北浦和駅そばの北浦和公園の中にあり、黒川紀章の設計で知られているけれど、たまに面白い展示をやるので、今までにも何回か行ったことがある。

この展覧会はスウィンギン・ロンドンと銘打ってはいるものの、ピーター・ホワイトヘッドの「TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON」的なものというよりは、50年代から60年代のモダンな工業デザイン製品の展示といった感じ。ヴェスパやランブレッタ、あるいはロータス・エリート、モールトンというようなスクーターや自動車や自転車、ブラウン社のラジオやオーディオ製品、オリベッティのタイプライター、ニコンのカメラ、ソニーのポケットラジオやポータブルテレビなどが多数展示されたところに、テレキャスターやストラトキャスター、あるいはレスポール、リッケンバッカー、それにグレッチといったエレクトリック・ギターの展示があり、当時のファッションとしてマリー・クワントやポール・リーヴス、そしてザンドラ・ローズのデザインしたワンピースやスーツ、ドレスの展示があるといったところ。全体としては量に乏しく、物足りなさを感じるものの、当時のデザインに「萌え」な向きには楽しいひとときを過ごせるはず。

この展覧会の目玉の一つとして、ジミー・ペイジ所有のギターやステージ衣裳の展示があるのだが、ペイジのステージ衣裳はポール・リーヴスのデザインしたものが多数あり、この2人は親しい間柄でもあったそうだ。

「だのじゃん」的にはジミー・ペイジ所有のダンエレクトロを見に行ったというわけだが、展示されていたのは実際にステージで使われたことはなかったと思われる1ピックアップの3011だった。これは見た目では特に手を加えられたところもなく、オリジナルのままだろう。他にペイジ自身が所有するギターの展示はVOXファントム12弦の黒のみで、レスポールやSGダブルネックは本人所有と同じタイプのものが展示されている。

埼玉県立近代美術館スウィンギン・ロンドン50's-60's

The Clearasils

2010-05-30 22:44:47 | Music Life
Goose Step Mama~Weekend / The Clearasils 2010.4.10 ザ・クレアラシルズ


2008年9月の初ライヴ以降、精力的にライヴ活動を展開しているザ・クレアラシルズ。本業に支障が出ないか心配になるくらい。本業といえば、ギターの平川雄一氏は「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」の作者であり、漫画家なのである。その「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」の中にもザ・クレアラシルズがエキストラ的に登場している。

「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」は藤子不二雄へのオマージュでもあり、「ドラえもんは未来から来たが中村メイ子は過去から来た」のである。そして主人公清春が練習するのはビートルズの「ヘルター・スケルター」であり、この螺旋式すべり台は、作品世界の、一昔前のフレーズで言えば「終わりなき日常」を象徴するもので、本当は終わらないわけなんだけど。

中村メイ子は過去から、つまり60年代からやってきたが、ザ・クレアラシルズが我々に届けてくれるのも60年代のブリティッシュ・ビートである。映像をご覧のとおり、彼らのライヴでは60年代のブリティッシュ・ビートなどのカヴァーとそれらにインスパイアされて生まれたオリジナル曲が演奏される。

60年代のブリティッシュ・ビートを標榜するバンドは数多あるが、それらほとんどがサーフ系、ガレージ系、またはパンク的な諸要素が混在したスタイルとなっているなかで、ザ・クレアラシルズは正調マージー・ビートであるというところが特徴である。

そして使用される楽器たち。ギターの平川氏とベースの神野氏は二人そろってマニアなので、彼らのステージでは様々なギター、ベースが使用される。映像ではバーンズ(ボールドウィン)のヴァイブラスリムとフェンダーのミュージックマスターが使われているが、ステージのたびに違った楽器の組み合わせを見られるのも彼らのライヴの楽しみの一つ。

ちなみに平川氏とは互いにテスコのメイクイーンに出会ったことで、ビザールギターの魅力にとり憑かれたといったことが知り合うきっかけだったりするのだが、ギターが取り持つ縁というものはなかなかオツなものであるなと思う今日この頃。

平川氏の一本筋の通ったギターコレクションは必見。
60's Guitar部屋

ザ・クレアラシルズには3曲入りのミニアルバムがあるが、もうすぐ、4曲入りのミニアルバムがリリースされる予定。他にもサザナミレーベルのコンピに参加したりとレコーディング活動も活発になっている。

ザ・クレアラシルズのサイト
My Space

THE ROUTES

2010-05-13 22:20:41 | Music Life
The Routes - Left My Mind (Live at Yuyintang, Shanghai CHINA)


大分で活動しているThe Routesが万博開催直前の上海でおこなったライヴの映像。ベースがロングホーンDEAD ON 58を弾いている。

The Routesは2003年にイギリスから日本にやってきたクリス・ジャックが結成した。最初はFacialsという名前だったのをThe Routesに変えて、何度かメンバーチェンジをし、2008年に現在のメンバーとなった。

The Routesはプリティー・シングスやヤードバーズを髣髴とさせる、ブリティッシュ系ガレージバンド。フルアルバム「LEFT MY MIND」のほか、7インチのシングルレコード「DO WHAT'S RIGHT BY YOU」を最近リリースしたばかり。

ギター&ヴォーカルのクリス・ジャックとはまだ日本未発売だったダンエレクトロのロングホーンDEAD ON 58をいちはやく入手した同士といったことが知り合うきっかけだったりしたのだが、彼も相当なギターマニアで、これまでもフェンダーやギブソン、リッケンバッカーなど、様々なギターを使ってきていて、この映像ではテスコのスペクトラム5を使用している。だが、クリス・ジャックといえばやはりVOXということになるだろう。StarstreamやPhantomをはじめ、最近手放してしまったが、貴重なデッドミントも数本所有していた。

The Routesのオフィシャルサイトはブックマークに入れてあるのでそこから。
それとマイスペースのVox guitars fan pageではStarstreamとGrand Prixが内蔵するエフェクトを余すところなく披露した、クリスによるデモ演奏が聴ける。

ちなみにそのGrand Prixは現在、The Clearasilsの平川氏が所有している。

渡来宏明

2010-05-09 17:12:57 | Music Life
渡来宏明 秘密のメロディー


渡来宏明氏「秘密のメロディー」のライヴ映像。この曲は彼の最初のソロアルバム「シークレット・メロディーズ」のタイトル・チューン。

この映像でベースの人が弾いているのが昨日記事にしたダンエレクトロの Danoblaster RUMOR かと思うのだが、モズライトかもしれない。RUMORベースを使用したとすればなかなかマニアックだなと思うけれど、いずれにせよ今回の記事ではきっかけに過ぎないので。

マニアックといえば渡来氏本人もギターに関してはかなりマニアックで、最初のソロアルバムを作成中はSilvertone(主にハーモニーメイド)のギターを多数所有していて、収録曲のほとんどでSilvertoneを使用したとのこと。その一つ「俺のソウルカー」において、Silvertoneから生み出された素晴らしいギターソロを聴くことができる。



「シークレット・メロディーズ」を聴いて、私が最初に抱いた印象は「いわゆるナイアガラ的なるものを総括し、新たな地平を目指そうとする」というもので、それまでTreeberrysとして英語で歌ってきた渡来氏が「日本語のポップ・ミュージック」に取り組むにあたり、ナイアガラ・ファミリーとの対峙は避けられないところであり、優秀なミュージシャンと高度なスタジオ・ワークによって生み出されたナイアガラのフォール・オブ・サウンドをたった一人で、宅録機材で挑むことで乗り越えようとしたのではないかと思った次第。そしてそのアプローチは、ナイアガラのオモテ面としてのフィル・スペクター的な方法ではなく、ウラ面としてのロイ・ウッド的な方法に依拠したのではないか、とかなんとか。
かねてより渡来氏はザ・ムーヴ、そしてロイ・ウッドをリスペクトしているので、そもそもナイアガラ云々などといったことは単なる私の思い込みにすぎないかもしれないけど。



思い込みついでにさらに続けるならば、こうしてナイアガラを総括したことにより、新たな地平を獲得すべく、渡来氏はセカンドアルバムをレコーディングした。このアルバムは「How to Rock」とタイトルがつけられた。これはロック自体を問い直すことでもあり、それはグルーヴの追求による身体性の獲得によって、幾重にも重ねられたギターサウンドとハーモニーが織り成す複雑なテクスチュアをあくまでポップに一気に疾走させることである。

過去のポップ・ミュージックの遺産を引用し編集する桎梏からビートによって外に出ること。そうすることで何を目指したかといえば、渡来氏曰く、ロックという世俗的な音楽に「祈り」としか呼びようのないものを宿らせる、ということ。
そのことは歌詞にも反映されている。今までに歌詞として使われたことはなかったであろう言葉やフレーズを散りばめ、母国語にいわば外国語を刻んでいくような歌詞は、音韻や語感が配慮されているので、聴いている分にはスムーズに流れるが、歌詞を改めて読んでみると、一見、無秩序な言葉の羅列に見えてしまうくらい、音声と文字の間にギャップがある。とはいえ、それらは決して無意味ではなく、例えば不倫であったり、初めて人を好きになったときであったり、恋愛のしんどさであったり、そうした下世話ともいえる男女の様々な局面を描きつつ、自分が生まれる以前のパパやママも、ひいては遥か古来から人類は同じことを繰り返してきたということに思い当たり、大きな存在を垣間見るといったトータルなコンセプトを備えている。歌詞の刷新という点もこのアルバムの特筆するべきところだろうと思う。

要するに「How to Rock」は誰でも気軽に楽しめるポップでキャッチーなアルバムであると同時に重箱の隅をつつくようなオタク的な聴き方をすれば聴くごとに新しい側面を見せるアルバムとなっているというわけ。

このアルバムのエンジニアによる楽曲解説

このようなアルバムをつくってしまった渡来氏であるが、Treeberrys時代からそのソングライティング能力やグルーヴィーでよいラインを弾くベーシストとして、また一筋縄ではいかない「悪さ」をするギタリストとして天才と呼ばれている。だがそれだけでなく、原盤マニアの生態を描いたマンガ「原盤くん」や独自の視点による音盤レビュー「ロック黄金伝説」などでも非凡な才能を示している。

渡来宏明氏のブログ(リンク集からmyapaceや「ロック黄金伝説」へ「原盤くん」はBBSに掲載)
http://yaplog.jp/wattack/

すすめ!パイロンズ

2010-05-01 14:02:02 | Music Life
Live Rainbow @JAM ザ・パイロンズ


マージービートはリヴァプールを流れるマージー川に由来するが、広島を流れる太田川にちなんでここに太田川ビートが誕生した。

2009年に結成されたばかりのザ・パイロンズはご覧のように60年代のビート・サウンドを志向している。ヴォーカル&ギターのタクトくんは私のマイミクだったりするのだが、彼もまたロングホーンを2本、ショートホーンを3本所有しているダノファンなのである。で、いつのまにか、パイロンズもベースやリードギターもダンエレクトロという、ダンエレクトロ・オリエンテッドなバンドとなっていた。

この動画で演奏されている曲は「ペットボトルやきゅう」で、ファズをかましたギターの音が印象的。残念なことにここではロングホーンベースは演奏されずに片隅に立てかけられている(接触不良を起こしたとのこと)。

若いバンドなので、まだまだのびしろもたくさんあるし、メンバーのキャラもいい感じ。タクトくんは音楽以外にもいろいろなことをやってて引き出したくさん持ってる鬼才なので、将来楽しみといったところ。

マイスペースで他の楽曲も聴ける。
http://www.myspace.com/thepylons1

中村メイ子をかき鳴らせ!!!

2010-01-18 01:23:17 | Music Life
以前、TEISCOのMayQueenのことを書いたときに平川雄一の「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」のことも書いたんですが、そのときは「月刊少年マガジン」に連載中でした。連載は昨年で終わって、先日最終巻の単行本が出たので、この機会に改めてこの作品について書いてみようかと思います。結論から言えば、これは描かれただけで価値のある作品だと言えるでしょう。

エレキギターが美少女に変身するという設定はいわゆる「萌え擬人化」の文脈でとらえることもできますし、作中にもそうした「萌え要素」を含んだ場面があったりもしますが、この擬人化という設定について、例えばハイデガーあたりを援用しつつ、1本のエレキギターを交換可能な道具的な存在(本質存在)としてではなく、かけがえのない存在(現実存在)として描いたなんてことも言えるわけで、私のようなギターバカにしてみれば、人と楽器との特別な関係とか人と音楽の関わりに楽器視点を導入したとか、そうしたところが重要なわけです。
まあ「弘法筆を選ばず」とか「玩物喪志」とか、モノに過度の感情移入をすることを戒めるような言葉もありますし、ギターを弾く人にもいろいろあって、ギターを単なる道具と言い切ってしまう人もいますので、そういう人からすればギターが美少女に変身するという設定はフェティシズムのあからさまな発露ということで敬遠してしまうものかもしれませんね。

さて、このマンガはあまりの音痴ぶりに「ゆるジャイアン」とあだ名される中村清春という高校生を主人公としています。彼の家は骨董店を営んでいて、そこにある品物を整理しているときにTEISCOのMayQueenと出会いますが、音が出るか試しているとそのギターが美少女に変身してしまうというところから始まります。その美少女は中村メイ子と名づけられ、メイ子は清春に「私に40年分の賞賛を浴びさせなさい」と強く迫るのです。この導入部からは、音楽的な才能がまるでない清春がギターを手にし、様々な人たちと出会い、音楽に目覚め、バンドを結成し、幾多の障害を乗り越えながら成長・成功していくといったストーリー展開が予想されますが、この予想は裏切られます。音楽を通じて主人公が成長・成功する物語は今までにもいろいろ描かれてきましたので、主人公がギターがうまくならないままの結末は異色であると言えるでしょうし、リアルでもあります。ギターを手にしている人のほとんどがプロ、ましてや世界的なロックスターになれるわけでもなく、日常の中でささやかに音楽や演奏を楽しんでいるというのが圧倒的なわけですから。で、こうした普通の人々の音楽や楽器との関わりにも喜びや悲しみがあり、それらもかけがえのない経験であることに変わりはないのだといったところ。

「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」では、日常の中でギターを楽しんでいる人たちの諸類型が描かれています。主人公の清春はギター初心者ですし、そのほか中年になってから再びギターを手にした人やギターマニア、そして清春が入部した軽音部の部員たちなど。彼らもいろいろなものを背負っていたりするわけです。そこに描かれるエピソードの一つ一つは悲喜こもごもですが、楽器をやったりバンドをやったりした人には共感できるところだと思いますし、音楽や楽器の演奏は特別な才能がある人だけのものではないということで、これから何か楽器をやってみたいという人が読んでも楽しめると思います。

こうした登場人物の中でイチオシは軽音部の部員、志水響子ちゃんですね。愛用のギターがダンエレクトロの59DCでThe CHICKSという実力派ガールズバンドのギタリストでもあるという。ダンエレクトロのギターが登場するマンガというところでも「中村メイ子をかき鳴らせ!!!」は「だのじゃん」的に嬉しい、特別な作品であるわけです。

treeberrys

2009-09-25 01:29:17 | Music Life
9月22日に一夜限りの再結成ライヴがあったtreeberrys。
連休中だったので行けるかなと思っていたのだが、連休中は腰も重くなり「皆殺しの天使」状態になってしまって、結局行かなかったのであった。
まあ、私はザ・フーの来日公演にも行かなかった男ですよ。

treeberrysは1997年に結成され、1999年に最初のアルバムをリリースしてから2006年に解散するまで4枚のアルバムと、いくつかのepやコンピへの参加があるとのことだが、実は私がtreeberrysを知ったのはつい3週間ほど前のことであった。

treeberrysのメンバーであった渡来宏明氏のことはmixiのSilvertoneコミュで知っていて、最近twitterや何やらでちょこっとやりとりがあったということがきっかけでマイスペースにアップされていたtreeberrysの音源を聴いたというわけなのである。それら音源をすっかり気に入ってしまったので、遅ればせながら4枚のアルバムを入手したというわけなのである。。

画像左下の2ndアルバムのジャケットで渡来氏がロングホーンベースを抱えているというのも「だのじゃん」的に心が騒いでしまうところではあるのだが、なによりポップでキャッチーなメロディーを性急なビートに乗せて突き進んでいく楽曲群が素晴らしい。4thでギターに持ち替えた渡来氏のプレイもそこかしこで悪さをしていて良い。

BEATLESと私

2009-09-15 18:45:45 | Music Life
ここ数日はビートルズのリマスターをずっと聴いていました。

ビートルズの音楽はいろいろなところで使われてきたので、最初に聴いたのはいつのことだったかは定かではありませんが、小学生の頃、フジテレビの子供番組「ママと遊ぼうピンポンパン」や「ひらけポンキッキ」、NHKの「みんなのうた」などで聴いたのが最初ではないかと思います。「オブラディ・オブラダ」や「オール・トゥゲザー・ナウ」に日本語の歌詞がつけられたものは覚えています。

自分で意識してビートルズを聴いたのは1980年、中学1年生のときです。この年はポール・マッカートニーが来日したものの大麻所持で逮捕されたなんてことから始まり、ジョン・レノンが撃たれて終わった悲劇的な年でしたが、私がビートルズを聴くようになったのは、FMラジオでのジョン・レノン追悼番組からでした。

しばらくしてFM東京で毎週土曜日の夕方に「あなたとビートルズ」という番組が始まって、それを毎回テープに録音するようになりました。同じ頃、集英社のコバルト文庫から「ビートルズ・グラフィティ」という本が出て、その巻末に楽曲解説やディスコグラフィ(ビートルズ解散後のソロまでカバーされていた)があったんですが、聴いた曲にアンダーラインを引くみたいなことをやっていました。

最初に買ったビートルズのレコードは「リボルバー」でした。中学2年のときで、なぜ最初に「リボルバー」だったかというと、1枚のアルバムとしては知らない曲が一番多かったからでした。次に買ったのは「ホワイト・アルバム」でした。

レコードで買ったのは「ラバー・ソウル」から「アビー・ロード」まで。その他のアルバムは友人が持っていたのをテープに録って聴いていました。

中学時代はほぼ毎日ビートルズばかり聴いていた時期があり、今回、リマスターをずっと聴き続けてきて、中学生だった頃がよみがえってきたりしました。

高校、大学とさすがにビートルズを聴くことはあまりなかったのですが、12年ほど前にふと思い立ってCDを全部そろえました。実は「アイル・ゲット・ユー」というシングルのB面曲だけ聴いていなかったので、それを初めて聴いたときはこれで公式音源を全部聴いたという感慨がありました。

それからは好きな曲を90分テープに録音して時々聴いていたくらいで、いつしかカセットテープを聴くこともなくなり、現在に至るというところで、今回のリマスターの登場となったわけです。ステレオとモノを両方手に入れました。

今回のリマスターでは「リボルバー」や「サージェント・ペパーズ」、「ホワイト・アルバム」といった後期のモノ・バージョンを初めて聴くことになり、それらのサウンドは、リマスターされて音が良くなった以上に衝撃的でした。かれこれ30年近くビートルズを聴いてきて、まだ驚くことがあったというのは嬉しいです。

「だのじゃん」的にはビートルズとダンエレクトロとの関わりについて書きたいところですが、ジョージとジョンがエレクトリック・シタールを所有していたということくらいで、関係性が薄いのが残念です。解散後はジョージがシルヴァートーンの1448を抱えた写真があるくらいですし。ジョン・レノンがコンヴァーチブルを気に入っていたという噂はあるのですが、裏が取れていません。