勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

あゝ勘違い

2007-03-02 10:50:12 | Weblog

-蕗の薹の絵の前で-

「うまいわねぇ」
「うん、これはうまい」
「花が咲いたのもいいわねぇ」
「いや、咲かないうちのほうがうまいんだよ」



(蕗の薹の絵の前で・ある夫妻の会話)

-星野富弘さん-


 中身に自信のない僕にとって、馬子にも衣装という言葉を信じ、包装紙でごまかそうとする。 
ある日、買ったばかりのお気に入りの洋服を着て出かけた。ブルゾンとパンツにお揃いの色と素材の帽子も被った。
駅のホームを歩いていると、通りすがりの人が僕を見る。振り返る人もいる。チョットいい気分。
地下鉄に乗った。座る席もなく、ドアーに向かい合って立った。走り出した電車のドアーに写った我が身を見てあっと驚く。ズボンの前ファスナーが全開だった。急いで帽子を目深に被りなおした。
 
 暖かな春の日の午後、蕗の薹がうまそうに芽を出していた。
2007.03.02