勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

うれしいひなまつり

2007-03-01 02:17:29 | Weblog



あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ ももの花
五人ばやしの ふえたいこ
今日はたのしい ひなまつり

おだいりさまと おひなさま
二人ならんで すましがお
およめにいらした ねえさまに
よく似た官女の 白いかお

金のびょうぶに うつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白ざけ 召されたか
赤いおかおの うだいじん

きものをきかえて おびしめて
今日はわたしも はれすがた
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり

作詩 サトウハチロー
作曲 川村光陽

 弥生3月春本番、街に流れるこの曲に、悲しい物語が秘められているという。

 作詩のサトウハチローさんの生涯は破天荒で、波乱万丈であったが、「おかあさん」の詩を最も多く書いた詩人といわれる。作詩した多くの童謡には優しさが溢れ、数え切れないほどの名曲がある。

 「うれしいひなまつり」は子供の頃からよく耳にした曲でもあり、懐かしくさえある。
2番の詩にある「お嫁にいらした ねえさまに ・・・」を何の疑いもなく、この家に嫁いできた義理のお姉さんのことを歌ったものと思っていた。「お嫁にいらした」と敬語を使っているからである。

 「童謡の謎」の著者・合田道人さんによると、「いらした」という敬語は「行く」「来る」のどちらにも使うが、身内にこのような敬語を使うのはおかしいという。

 ハチローさんには、幼いとき腰に大やけどを負った彼を、いつもかばい、励まし、やさしく面倒を見てくれた4歳上の姉がいた。
そんな大好きな姉が嫁ぐ寸前に胸を患い、相手から一方的に婚約を破棄された。そして間もなく息を引き取った。
黄泉の国へ旅立った姉、神のもとに嫁いだ姉への悲しみを込めた敬意が「お嫁にいらしたねえさまに よく似た官女の白いかお」と歌われていると、合田さんは言っている。

 この「うれしいひなまつり」、ちょっぴり「かなしいひなまつり」でもある。

 サトウハチローさんの代表曲『ちいさい秋みつけた』『かわいいかくれんぼ』『わらいかわせみに話すなよ』『リンゴの歌』『長崎の鐘』『うちの女房にゃ髭がある』『目ン無い千鳥』etc. 数えあげたらきりがないが、僕にとってはどれもが好きな歌である。

 もう3月ですねぇ。あなたのひなまつりは、どんなひなまつりですか?
2007.03.01