小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

金魚倶楽部

2011-08-28 01:46:37 | 考察文
さて、土曜の夜、11時30分から、金魚倶楽部というドラマをやっている。つい見てしまう。いじめられてる高一の女生徒、春川こと、を 高三の、ハルが守ってやるというストーリーである。

これは、視聴者をひきつける物語の作り方の原則そのものである。つまり、作者は視聴者に、こと、とハルが結ばれて幸せになってほしいとの熱烈な感情を視聴者に起こさせている。それには、どうすればいいか。それは単純明快。こと、をいじめ、こと、とハルが結ばれない障壁をつくったストーリーにすればいいだけである。二人が結ばれないからこそ、視聴者は、もどかしさを感じ、二人を結ばせてやりたい、という思いが強まるのである。二人をいじめれば、いじめるほど、視聴者は二人が結ばれて欲しいと思う。これは、いじめ方を、手を換え品を換え、いろいろな方法で、いじめれば、いくらでも話は続けられる。そして、いじめの度合いを強くすればするほど、視聴者はハラハラして二人の行く末を見守る。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の大昔から使われている視聴者をハラハラさせる常套手段である。

ケータイ小説のドラマ化らしいが、小説は読んでいないが、ドラマはいい。春川こと役の刈谷友衣子さんが、いかにも、いじめられ役の顔つきで、演技も上手い。

しかし二人がキスしてしまったのは、(私としては)非常に残念である。残念を通り越して、ガッカリである。もっとプラトニッククスな方がいい。ただ、ハルが、結構、硬派そうなのがいい。

ちなみに私は、高校生とか大人でも、現実の「恋愛」というものがサッパリわからない。し、嫉妬なんてものもわからない。私は今まで、恋愛も嫉妬もしたことがない。

「真剣な恋愛などというものは何もすることのない人間の特権だ」
(オスカー・ワイルド)
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