小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

民主主義は最高の政治形態

2011-04-19 23:31:04 | Weblog
民主主義は、もちろん最高の政治形態ではない。最高の政治形態は、コンピューターが発達して、正しい思考力を持つようにまでなったら、コンピューターによる国家の統率が最高の政治形態となるだろう。しかし、それはまず永遠にあり得ないだろう。
私は、最高の政治形態は、独裁政治であると思う。ただし、独裁者は、キリストや釈迦やガンジーのような聖人でなくてはならない。独裁政治というと言葉は悪いが、つまり哲人政治である。しかし、現実にはそういう人は、おらず、どんなにいいように見える人でも権力を持つと、横暴になるから、哲人政治は現実的にはあり得ない。
だからセカンドチョイスである民主主義とするしかないのである。それしかないのなら、セカンドチョイスである民主主義が最高の政治形態である、という言い方をしなくてはならない。しかし、もちろん、民主主義が理想の政治形態であるわけがないのである。民主主義とは、多数決が正しいことになり、標準的人間の道徳感覚が正義となるのである。しかし、正規分布のグラフによる偏差値50の標準的人間の道徳感覚を正義とする事ほど危険なことはない。

「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である」
(芥川龍之介)

イエス・キリストを殺したのは誰か。民主主義ではないか。地動説を主張したジョルダーノ・ブルーノを火あぶりにして殺したのは誰か。民主主義ではないか。民主主義で、さらに怖いのは、マスメディアの発達と共に、ちょうど神輿のように、人々の意識が一挙に雪崩を起こすことである。
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