過去を顧みて現在の誡めとするのはよいことです。
しかし、いつまでも取り返しのつかない過去にひっかかっていては
愚の骨頂です。
また、先のことばかりに引きずられて行くのは誇大妄想です。
古歌に、
「過去を思い 未来をここに引きよせて 今現在を 常(とこ)闇にする」
とあります。
今日あっての過去です。今日あっての未来です。
否、過去も未来も「今日(即今)」となって現成(げんじょう)しているのです。
今日なくして人生なし。
今日を完全に送る人は「聖賢(せいけん)」です。
「地限り、場限り」と白隠禅師はいつもいわれました。
「その場その場を空しくするな」という意味です。