活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

矛盾2

2016年07月13日 | 坐禅

とかく 「矛盾」 の多い世の中です。

「道」 といっても「道」を知らず、「人」 と言っても 「人」 を知らない人が

多いと思います。

 

「人多き 人の中にも 火とぞなき 人になれ人 人になせ人」

という道歌があります。

 

太閤、ある人に問う、

「世の中に一番多いものは何ぞ」 と。

 

ある人、「人ぞ」と答う。

 

また、太閤ある人に問う、

「世の中で一番少ないものは何ぞ」 と。

 

ある人、また曰く 「人ぞ」 と答う。

 

このように、世は皆 「矛盾」 です。

「矛盾」 は予期に反して遂には苦痛に終わるものです。

 

修養の要訣は、この 「矛盾」 を発見して、「矛盾」 を免れ満足を得る事です。

 

人は皆 「健康」 ですと言います。

しかし、人は早晩 「死」 を免れることは出来ません。

 

ですから、「死」 までの限られている 「健康」 ではないでしょうか。

「死」 という条件付きの 「健康」 ではないでしょうか。

 

人は、「死」 という 「大苦悩」 を製造する機械といってもよいのでは

ないでしょうか。

 

又、人は何のために食事をするのでしょうか。

大概人は、生きるために食事をするというをと思います。

 

「食事」 をする者は何時までも生きられるのでしょうか。

「食事」 をしても、「死ぬ」 ことは決まっています。

 

むしろ、「死ぬ」 為に食事をすると言った方が合理ではないでしょうか。