活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

無常

2016年07月11日 | 仏教

「無常」 というものは、ものがあって、そういうものが消滅を繰り返し、
変化しているのだと受け取られやすいものです。

私たち衆生は、「此の物」 を 「生きている」 とか、「此の物」 の働きが
なくなった様子を 「死んだ」 といいます。

しかし、「此の物」 というのは生きているということも、
死ということも、何も分からないのです。

「此の物」 は見えること、考えていることに、
自分にはそういう働きがあることさえ知らないのです。

「此の物」 が縁に従って色々変化していくから、悪いものが良くなり、
良くなったら又悪くなるということを 「無常(常で無い)」 と感じられますが
そういうものではありません。

最初から中心になるものが無いのですから、変化しているもの自体のことを
「無常」 といっているのです。