夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

甦る鳥取城

2015-04-22 22:59:34 | 日記

鳥取城跡には、明治40年に建てられた仁風閣(じんぷうかく)という洋館があり、国の重要文化財に指定されている。
旧鳥取池田家の別邸だが、現在は鳥取藩と池田家関連の資料館になっており、先日私が訪れたときは、「甦る鳥取城」という特別展示が行われていた。
仁風閣はフレンチルネッサンス様式の白く美しい建物だが、正面と、裏側から見たときとではまるっきり印象が違う。


私の今の職場には、城郭史研究の専門家がおられるので、先週の金曜日、教職員親睦会があったとき、「甦る鳥取城」の展示を見に行った話をした。
その先生は、現在進められている、鳥取城跡の整備(復元含む)計画に加わっているのだそうである。
「本丸跡にも行ったんですか?」
と聞かれ、
「はい。」
と答えると、
「そうですか…。いや、僕も二度行きましたが、もう上までは登りたくないですね。先日も学生を連れて調査に行った(山麓の近世城郭部分と思われる)んですが、本丸跡は学生にだけ行かせて、僕は下で待ってました。」
とのことであった。

確かに山頂からの眺望は素晴らしいが、山道が険しい上に、石段も整備されているとはお世辞にもいえないので、本丸跡まで行くのはちょっとした登山である。
昔はロープウェイもあったらしいが、今は滑りやすく、ハチ、イノシシ、クマが出没することもある山道を歩くことになるので、これから行こうとされる方は十分ご注意を。

鳥取城跡

2015-04-21 21:43:28 | 日記
この話題はもっと早く書きたかったのだが、先日、鳥取運輸支局に行った後、少し時間に余裕があったので、鳥取城跡を訪れた。
鳥取城はもともと戦国時代、久松山(きゅうしょうざん)の地形を利用して築かれた山城である。
その後、近世城郭として改修され、江戸時代には鳥取藩32万石の居城にふさわしく整備された。


鳥取城は明治12年に建物のほぼ全てが取り壊されたが、石垣や櫓跡などの残る城跡は久松公園として整備され、現在も大藩の政庁だった頃の面影を伝えている。
この時は桜はもう散ってしまっていたが、一週間早くここに来ていたら、どんなに見事な眺めだったろう。


久松山の山頂(263m)にある天守跡が見たくて、急な石段の続く険しい山道を登った。
その途中ですでに息が上がり、汗をかくほどであったが、山上からは鳥取平野、那岐山、湖山池、日本海、砂丘などが見渡せ、「日本にかくれなき名山」と呼ばれたのももっともだと思った。


例会に参加

2015-04-20 23:48:09 | 日記

会場は夙川の大手前大学だった。
所属が変わって初めての例会なので、何人かの知り合いの方に、転職通知状や最近の論文の抜刷をお渡しした。
新年度が始まったばかりで、何かと慌ただしい時期だからか、いつもより参加人数がやや少ないように感じられた。
この日の発表では、平安時代、任国に赴いた国司が神社に参拝して歌を詠むことが、後の社頭歌合の発生につながったと見るご考察に、特に興味を惹かれた。


会場には恩師も来ておられたので、挨拶をし先日のお礼を申し上げた。
恩師からは、今の職場の様子や勤務内容などを尋ねられ、いつものことながらお気遣いを有難く思った。

会場の書籍販売コーナーで、国文学研究資料館編の『和書のさまざま』(和泉書院)が近刊で出ているのを見て嬉しくなり、すぐさま買い求めた。
「和書のさまざま」は同館の通常展示として一年のうち半分ほど行われており、このブログでも二度ほど話題に取り上げている。(その①その②
書型、装訂、料紙など書誌学の基礎知識がわかりやすく解説されているので、書籍化してくれないかなとずっと思っていたのだ。
今の職場では、有志の教員で週一度「古文書の会」をしているのだが、先日初めて参加して、私は自分に書誌学の知識も経験も不足していることを痛感した。
『和書のさまざま』の本には、学習システムCDも付いているので、早速ここから学び直すことにしたい。

チューリッヒ美術館展

2015-04-19 23:38:47 | 日記
例会の後、神戸で一泊し、今日の午前中はゆっくり休息。
昼前に三宮に出てきて、「momiji」という店で昼食。
海鮮丼がおいしいので、思わず日本酒が飲みたくなってしまった。
その後、神戸市立博物館まで歩いて行き、現在開催中の「チューリッヒ美術館展―印象派からシュルレアリスムまで―」を観に行った。


セザンヌ、モネ、ゴッホ、シャガールをはじめ、著名な近代画家の代表作ばかり74点が展示されており、その豪華さに目がくらむ。
日本人は印象派を好むとはよく言われるが、私も昔から印象派、特にモネが大好きだ。
昔観た「ウォータールー・ブリッジ」、「死の床のカミーユ」などは今も忘れられない。

今回の展覧会でモネは4点が展示されていたが、特に「国会議事堂、日没」が素晴らしかった。
川面に映る夕日の輪郭、線描は朦朧としているのに、現実の光景として眼前に現出するように見えるのはなぜだろう。
モネの幅6メートルの大作、「睡蓮の池、夕暮」は本邦初公開、今回の展覧会最大の注目作ということで、一見の価値ありと確信する。

私は絵画には天分が無く、美術館で名画をただ眺めるだけだが、絵画と短歌・俳句には共通する部分があるように思えてならない。
自然からインスピレーションを受けつつ、自己のフィルターを通して自然を再創造するあり方に通底するものを感じ、作歌に生かせないかと思っている。

はやなつかしき

2015-04-18 22:48:06 | 日記
例会で神戸へ。
米子から神戸に行くには、岡山を経由する必要があり、特急「やくも」で2時間ほどかけて岡山に着いた。
岡山からは新幹線に乗り換えて神戸へ行く。


駅のホームから、また新幹線の車窓から眺めると、ついこの間までこの街で暮らしていたのだなという感慨とともに、過去の様々なシーンが脳裡に蘇る。
今は旅行者としての目で見るからか、わずか半月ほどしか経っていないのに、岡山の街はどこかよその土地の風景のようにも感じられた。

  越してより幾日(いくか)も経(へ)ねど岡山ははやなつかしき町になりたり