会場は夙川の大手前大学だった。
所属が変わって初めての例会なので、何人かの知り合いの方に、転職通知状や最近の論文の抜刷をお渡しした。
新年度が始まったばかりで、何かと慌ただしい時期だからか、いつもより参加人数がやや少ないように感じられた。
この日の発表では、平安時代、任国に赴いた国司が神社に参拝して歌を詠むことが、後の社頭歌合の発生につながったと見るご考察に、特に興味を惹かれた。
会場には恩師も来ておられたので、挨拶をし先日のお礼を申し上げた。
恩師からは、今の職場の様子や勤務内容などを尋ねられ、いつものことながらお気遣いを有難く思った。
会場の書籍販売コーナーで、国文学研究資料館編の『和書のさまざま』(和泉書院)が近刊で出ているのを見て嬉しくなり、すぐさま買い求めた。
「和書のさまざま」は同館の通常展示として一年のうち半分ほど行われており、このブログでも二度ほど話題に取り上げている。(その①・その②)
書型、装訂、料紙など書誌学の基礎知識がわかりやすく解説されているので、書籍化してくれないかなとずっと思っていたのだ。
今の職場では、有志の教員で週一度「古文書の会」をしているのだが、先日初めて参加して、私は自分に書誌学の知識も経験も不足していることを痛感した。
『和書のさまざま』の本には、学習システムCDも付いているので、早速ここから学び直すことにしたい。