私はTVを持たず、日頃ほとんど見る機会がないため、生徒が普通に知っているような世間の話題や流行語も、時々知らないことがある。(ダメよ~。も先月初めて知った。)
一応、毎日、新聞数紙に目を通し、週間・月間雑誌の類も何種か見ることにしているのだが、どうしても芸能や当今の流行りモノといった話題には遅れがちである。
先日も、1年生の現代文の授業で、評論「ものまね上手・創造上手の日本技術」を教えていたとき、〈独創と模倣〉の説明をする中で、カバー歌手のMay Jの話をしたら、アクセントがおかしいというので、生徒たちが大爆笑になった。
私は「
メイジェイ」と発音したのだが、生徒たちに言わせると「メイ
ジェイ」が正しいのだそうだ。
「仕方ないだろ、TV持ってないんだから!」
と開き直ったら、しばらくの間、生徒の間では、他のクラスでも、
「ちかさだ先生、TV持ってないんだって。」
「家で何してるんだろうね。」
と噂になっていたらしい。

生徒から笑われたといえば、もう何年も前になるが、学校の廊下を歩いていて、あるクラスの生徒が表紙に『AKB48』と書かれた写真集を見ていたので、次の授業のときに、
「最近、AKBよんじゅうはち、っていうのが人気あるのか?」
と、何気なく尋ねたら、大爆笑になった。
「先生、「フォーティーエイト」。」
「よんじゅうはち、ってアハハ。」
と生徒たちから指をさして笑われ、このときは非常にシャクだった。
普通に読んだら、どう見たって「よんじゅうはち」じゃないか。
「フォーティエイト」と読むべき根拠はどこにあるんだ。
と思ったが、流行り物に理由なんかない。
TVを持つつもりがない私は、これからも茶の間を賑わわせている話題を知らずに過ごし(あるいはずいぶん遅れて知り)、時々、生徒からこうして笑われることになるのだろうな。