さて、看護師さんに点滴を調節してもらって、ポンプの警報が
治まると、ドクターは診察を始めました。
初診のときにしたように、手の筋力を調べ、
「ほう、腕はだいぶ回復しているね。まあ女性ならこれくらいかなと
いうくらいの力は出ているよ」と言ったあと、
脚の筋力と、あちこちの腱反射を調べたドクター、う~んと
しばし腕組み。
「今日、帰りたいんだったよね」
「はい、できれば」
「う~ん・・・。家に帰って、トイレ以外動かないで寝ていられる?」
「えっ、それはちょっと・・・」
「今お家はどうしてるんだっけ」
「実家の母に来てもらっています」
「じゃあ、お母さんに頼んで、家事もお子さんの面倒も
みてもらっって、寝ていたらどう?」
「いえ、それだと母が大変すぎます。それに、母も疲れてきているので
この3連休は 一度家に帰ってもらおうと思ってるんです」
難しい顔をして、考え込むドクター。
「・・・先生、やっぱり今日退院するのは無理なんでしょうか」
「うーん。お子さんが心配なのはわかるから、帰してあげたいのは
やまやまなんだけどね~・・・どうしたらいいかなあ」
「じゃあ、先生、あと3日だけ入院して、連休明けに退院、というん
だったらどうでしょう?」
「え?できるの?」
「休みの日なら、夫の送迎をあてにできるので、子どもを
専門の施設に預かってもらう手配ができます。
それなら家もなんとか持ちこたえられると思います。
でも、連休明けの火曜日にはどうしても帰していただきたいんです」
「うん、じゃあ、そうしよう。やっぱりね、もう少し安静に
していたほうがいいからね。3連休だし、その方が安心だ。
良かった良かった。じゃあ、火曜日の朝にもう一度検査と診察して、
それで 退院ということにしようね」
ドクターは心底ほっとしたような顔でそう言うと、ニコニコして
去っていきました。
帰りに詰所に報告していったのか、すぐ看護師さんが
「じゃあ、一応10日に退院の予定でいいですね?」と確認にきました。
「はい。でも、それなら、お願いがあるんですが」
「なあに?」
「実は、昼も夜もずっと和食続きで、もう飽きちゃったんです。
食事って1種類しかないんですか?」
「えーっと、常食なら2種類あるんだけど、食事制限なかったよね」
「はい、何食べてもいいと言われてます」
「じゃあ、今日から夕食は洋食に指定切り替えていい?
退院まで洋食が出てくることになるけど」
「はい、お願いします」
入院が伸びるとわかって、私の頭にまず浮かんだのが
これだったのでした。(いやしい?)
治まると、ドクターは診察を始めました。
初診のときにしたように、手の筋力を調べ、
「ほう、腕はだいぶ回復しているね。まあ女性ならこれくらいかなと
いうくらいの力は出ているよ」と言ったあと、
脚の筋力と、あちこちの腱反射を調べたドクター、う~んと
しばし腕組み。
「今日、帰りたいんだったよね」
「はい、できれば」
「う~ん・・・。家に帰って、トイレ以外動かないで寝ていられる?」
「えっ、それはちょっと・・・」
「今お家はどうしてるんだっけ」
「実家の母に来てもらっています」
「じゃあ、お母さんに頼んで、家事もお子さんの面倒も
みてもらっって、寝ていたらどう?」
「いえ、それだと母が大変すぎます。それに、母も疲れてきているので
この3連休は 一度家に帰ってもらおうと思ってるんです」
難しい顔をして、考え込むドクター。
「・・・先生、やっぱり今日退院するのは無理なんでしょうか」
「うーん。お子さんが心配なのはわかるから、帰してあげたいのは
やまやまなんだけどね~・・・どうしたらいいかなあ」
「じゃあ、先生、あと3日だけ入院して、連休明けに退院、というん
だったらどうでしょう?」
「え?できるの?」
「休みの日なら、夫の送迎をあてにできるので、子どもを
専門の施設に預かってもらう手配ができます。
それなら家もなんとか持ちこたえられると思います。
でも、連休明けの火曜日にはどうしても帰していただきたいんです」
「うん、じゃあ、そうしよう。やっぱりね、もう少し安静に
していたほうがいいからね。3連休だし、その方が安心だ。
良かった良かった。じゃあ、火曜日の朝にもう一度検査と診察して、
それで 退院ということにしようね」
ドクターは心底ほっとしたような顔でそう言うと、ニコニコして
去っていきました。
帰りに詰所に報告していったのか、すぐ看護師さんが
「じゃあ、一応10日に退院の予定でいいですね?」と確認にきました。
「はい。でも、それなら、お願いがあるんですが」
「なあに?」
「実は、昼も夜もずっと和食続きで、もう飽きちゃったんです。
食事って1種類しかないんですか?」
「えーっと、常食なら2種類あるんだけど、食事制限なかったよね」
「はい、何食べてもいいと言われてます」
「じゃあ、今日から夕食は洋食に指定切り替えていい?
退院まで洋食が出てくることになるけど」
「はい、お願いします」
入院が伸びるとわかって、私の頭にまず浮かんだのが
これだったのでした。(いやしい?)