雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

「マラソン」を観る。

2006年02月28日 | 「発達障碍」を見つめる眼
自閉っ子のお母さん仲間と一緒に、映画マラソン
観てきました。

主演の俳優さん、とてもうまいですね。
自閉症の役って、日ごろ自閉症児を何人も見てる立場からすると
とても「わざとらしい」感じがすることが多いのだけど、
私の目には本物の自閉くんのように見えました。

個人的好みから言うと、ゴール後取材を受けるシーンでは
カメラに向かって笑うんじゃなくて、カメラ撮影が
終わってからあっちゃむいたままむちゃくちゃいい笑顔になって
周りを悔しがらせて欲しかった(笑)

息子は彼とは全く違うタイプだし、私もあのお母さんとは
全く違うタイプなので、まわりの仲間たちがポロポロ涙をこぼしながら
観ているのをよそに、感情移入することもなく、
主人公の自閉くんらしい可愛らしさがうまく描かれているので
笑いながら観てたんですが

ふと思ったのは、「私も息子を頑張らせ過ぎていないか」ということ。
息子はとても素直で頑張り屋。
一生懸命頑張る息子を「偉いね」「頑張ってるね」
「かっこいいね」と私はいつも褒めていて、息子はそれに
嬉しそうな顔をしてくれるけれども、彼は自分のためでなく
私のために頑張っているところもあるのかもしれない。

「ノー」「やりたくない」というのが難しい息子。
だからこそ「ノー」のサインにはとても気をつけて
きたつもりだったけど、本当に息子自身の気持ちを
汲み取れていたかどうか。

息子は私にとって何にも換えがたい大切な存在だけど、
息子が私なしでは生きていけない、なんてことにならないように
するのも親の務め。
それは「何でも自分でできるように仕込む」ことではなくて、
「必要な支援を受けながら自律的に生きていけるように」
育てることだと思うのです。
そのためにも、私が息子を「囲い込み」過ぎないように
気をつけないとなあ。

マラソンコーチの「それはお母さんの気持ちでしょう」
「それは親のエゴじゃないか」という言葉、きついけれども
いつも私自身に問いかけていなきゃいけないことのように思いました。

5回目の歯医者。

2006年02月27日 | Wonder of Autism
ちびくまは、まだ歯医者への通院を続けています。

右上下、左上、と順調に臼歯へのシーラントが済んだのですが、
ここで問題が持ち上がりました。

左下の奥歯2本だけ、まだ乳歯が残っているのです。
しかも、下からは永久歯が顔を出している。
その状態だからなのかどうか、歯磨きもほとんど
できていなくて、歯垢がひどく、
このまま自然に乳歯が抜けるまで
待っていては、永久歯のほうも生えてくるまでに
虫歯になってしまうかも、ということでした。

ドクターのお勧めは、ここで2本とも乳歯を抜歯して
永久歯にシーラントをすること。
「でも、無理に押さえつけてやるわけにはいかないからね。
 できないならできないで、他の方法を考えないと。
 そんなに無茶苦茶急がなくていいので、お子さんと相談してみてください」

…というのが先週の話。

そこで、息子に話をしてみることにしました。
「ちびくまくんのお口の中は、もうほとんど大人の歯に
 なっていて、その大人の歯が虫歯にならないように
 お薬を塗ってもらったんだけど、左の下だけ
 赤ちゃんの歯が残っていて、それをとらないと
 いけないんだって。」

案の定、息子の顔色がさっと変わります。
「しない!ちびくまくん、はをとらない!」

「でもね、それは病気の歯なんだよ。だから
 とらないでおいとくと、歯磨きもちゃんとできなくて
 歯が痛くなっちゃうの。」

すると息子が
「…とげがささった、みたい?」

実は息子の大好きなアメリカの"Dragontales"というアニメのビデオに
足にとげがささった子が、お医者さんに行くのが怖いのを我慢して
頑張って、無事にとげを抜いてもらえる、というストーリーがあるのです。
息子はそれを連想したのでしょう。

「そう。赤ちゃんの歯がとげになってるの。
 とげをとってもらったら、元気な大人の歯になるんだって。
 どうかな、ちびくまくんもザックみたいに頑張れるかな?」

大好きなキャラクターの名前を聞いて、息子はにっこり。
「ちびくまくん、がんばれる。ザックみたいに、とげのはを
 とってもらう」
やったっ

抜かなければいけない歯は2本あるのだけど、「1回1本だったら
頑張れる」という話になりました。

そして、今日。
歯医者に着くとすぐ、受付の奥さんが
「寒いといけないからトイレに暖房を入れました。」
「診察までトイレに避難」は息子のスタイルとして、
すっかり認知してもらえたみたい。(うれしー)

診察室に呼ばれ、固い表情で椅子に座った息子、
ドクターの顔を見るなり、
「きょうは、はをとってもらいます!」
ドクターはびっくり。
「ほんとに取っていいの?」
「はい!」

「本人と話し合って、1回1本なら頑張るということです」
と説明すると
「へえ~、すごいな。じゃ、ちょっとお口の中見せて。
 今日はどっちを取るか決めよう」

結局、奥のほうの歯を取ることになりました。
注射をすることは説明していなかったので、表面麻酔だけで
取れそうなほうを、ということで。

「じゃあね、果物の味のお薬を塗るよ」
「じゃあ、歯をとるからね」
と丁寧に説明してもらったおかげもあって、
息子は全く暴れることも泣くこともなく、
抜歯をしてもらうことができました。

抜いた歯を本人が見たいかどうかはわからなかったので
その場では本人に見せないで欲しいことを伝えておくと
ちゃんと小さなケースに入れてから渡してくれました。

息子はドクターが「はい、今日はこれでおしまい」と
言った途端に、「がんばりました!」と叫んで
待合室のトイレに一目散。

でも、ほんとに頑張ったと思います。
帰りにスーパーでご褒美に彼にジュースを選ばせて買い、
夕食は彼のリクエストにしたがってカレーライスにすることになりました。

家に帰ってから見てみると、抜歯した歯はもう根がすっかり
吸収されてなくなっていましたが、虫歯で大きな穴が
空いて(進行止めのみ処置)いました。すごく汚れてるし。
ちゃんと抜歯できてよかった~。

それにしても、普通の歯医者で抜歯できる日がくるなんて。
さすがの母も、ちょっとびっくりです。

マンツーマン介助の効用

2006年02月25日 | 楽しい学校生活
マンツーマンで介助がついていることは、では息子だけに
いいことなのかというと、もちろんそうではありません。

まず、学校にいる間、ずっと大人が傍についていて、
音が辛ければ外に一緒に出てくれ、周りの子との通訳を
してくれ、時には遊び相手になり、勉強を教えてくれ、
お母さんがわりに食事や着替えの世話も焼いてくれる、という生活を
するわけですから、

どの子にも「大人は自分をわかってくれる」
「大人は自分を守ってくれる」という気持ちがわき
強い信頼関係ができあがっています。

また、手がある、ということで、集団のニーズの前に
個人のニーズを犠牲にしないですみます。
人の泣き声が何より辛い子と、すぐ泣いてしまう子を
安全確保のためにひとつのスペースに押し込めておくような
ことをしなくてすむのです。
集中して課題に取り組めるのが5分の子どもと、
20分の子どもを、同じ教室において指導をすることが
できるのも、マンツーマン体制だからこそ、です。

「それぞれの子の個性に合わせて」と口で言うのは簡単ですが
とことんその子の個性に合わせようと思ったら
23人いる子どもには23通りの対応と23通りのカリキュラムが
必要になってきます。
これほど個々の子どもの個性の強い集団だと、
個のニーズが保障されていてこそ、共通する部分を一緒に学ぶ
集団の効果が出てくるのだと思うのです。

時々
「そんなふうにずっと介助を受けていたら、いつまで経っても
 自分でできないのでは」
と言われることがありますが、私は息子の暮らしを見る限り
そんな心配はないと思っています。
介助とは「何もかも代わりにやってあげる」ことではないし、
介助の先生はちゃんとそのへんを考えてくれているからです。

介助というのは、「その時間その子の幸せを保証する仕事」だと
ある介助の先生が言っていました。
時には全面的に手を貸すこともあるけど、
時には「自分でやる」ためのお膳立てをしたり、
物理的でなく精神的な支えとなったり…
その子その子の持つ能力と性格とその日の調子と
今その子に求められている課題とを
しっかり把握していなければ、有効な介助はできません。

大人しくて穏やかなちびくまだけど、毎日毎日
ただ手がかからないというだけで放置されたり、
表面的にできるところだけを見て自分でやりなさいと突き放されたり、
本質がわからないまま周りを真似てついていくだけ、というような
生活だけはさせたくない、と思っていた私にとって、
マンツーマン体制を持つこの学校はとてつもなく
魅力的だったのです。

この間家庭科のお手伝いに行って、5年生の定型発達の子どもたちでも
まだまだマンツーマンで教えてもらいたいところは沢山
あるのだということを実感しました。
まして、知的障碍こそなくても、発達上の課題のある子には
「問題行動が起きてから」介助をつけるのではなくて、
集団生活の最初から「問題行動を起こさなくてもすむような」
しっかりした体制で支えてもらうことが、とても大切なのでは
ないかと思います。

日本のあちこちで、やっとそういう子どもたちを
支援する取り組みが始まり始めましたが、
「手のかからない子にも手をかける」視点をぜひもっていただきたいな、と
思っています。



暴れない子に介助が要るわけ。

2006年02月24日 | Wonder of Autism
息子は今学校で、常時マンツーマンの介助を受けています。
中学生になっても、やはり常時介助の体制を
とってもらいたい、と私は考えています。

知的障碍を伴う自閉症であるちびくまは、それなりに
注意の転導性も多動もしっかりある子どもですが、
なぜか「落ち着いている」という印象を人に与えるようです。

もともとが怖がりで慎重なタイプなので、昔から
家を勝手に飛び出したり、危ないことをすることはありませんでした。
それに、人を触るのが大嫌いだったこともあり、他の子どもに
手を出すことはまずありません。
言葉を話すようになってからは、ぶつぶつ独り言をいうことはあっても
周りが一斉に振り返るような奇声を発することもありません。
パニックになっても静かにしくしく泣くだけです。

今は交流級の教室から勝手に出て行くこともないし、
言葉もたどたどしく、見るからに幼いイメージがある
ことも相まって、クラスメートとトラブルになることもありません。

こんな子にはマンツーマンの介助は要らないのじゃないか、と
言われることがあります。でも、私は、息子は暴れないからこそ
密接な介助が必要だと考えています。

息子の学校には、周りの対応が少しでも適切でなければ
大荒れになる自閉っ子たちが沢山います。
私は、ある意味、彼らのほうがずっと能力が高いのだと思うのです。

息子は、自分に合わない対応をされても、じっと耐えてしまいます。
能力を超えた要求をされても、それに答えようとしてしまいます。
精一杯頑張って、我慢して、その反動は自分の体と心を
痛めつける形でしか出てきません。

周りからは「やりやすい子」なのかもしれない。
でも、成人自閉者の方から、「外見でパニックになれないまま
パニックになっていることがある」ことを教わって、
私には息子の痛みが少しはわかるようになりました。

本当は、自分の混乱を外に発散して暴れることのできる子より
我慢して、非自閉の世界に一方的にあわせようとしてしまう
息子のほうが辛いことだってあるのではないのか、と。

私が息子に望むのは、「自立した自閉者」であることです。
この場合「自立した」とは、「自分で何でもできる」とか
「福祉的な援助を受けないで生活できる」ということではありません。

深刻な障碍を持つ息子は、一生何らかの援助を受けなければ
おそらく生きていくことはできないでしょう。
だからこそ。
彼には「自分が今困っている」ことを自覚し、
「自分には援助が必要」であること、「どんな援助をして欲しいのか」を
自分で考えて自分で相手に伝えていく。

その力をつけて欲しいと思っているのです。

学校という、集団生活の場で、ただ座っているから、
周りとトラブルを起こさないから良い、というのではなく、

できないなりに、彼には彼の居場所があり、
彼なりのやり方があっていいのだということ、

自分も頑張るけれども、いつでも自分に力を貸そうと
してくれる人はいるのだということ、
適切に力を貸してくれる人さえいれば、自分には
できることが沢山あるのだ、ということ、
その人にどう伝えればうまくいくのか、ということを
私は息子に学んで欲しいと思っています。

人間は信じていいのだ、ということ、
自分の味方になってくれるひとは必ずいるのだ、ということ、
その人間への信頼感こそが、どんなスキルよりも
彼の生きていく力になると思うからです。

「人間を嫌いにさせない」
そのことこそが、どんなスキルよりも大切なことになるのだと
教えてくれた人たちに、私は感謝の気持ちでいっぱいです。




ミシン実習。

2006年02月22日 | 楽しい学校生活
2日連続で息子の学校へ行ってきました。

先月配布された「学年だより」に「家庭科のミシン実習を
手伝ってくださるお母様を募集しています」とあったので
「交流級での様子を見るチャンス」と応募したのです。

子どもたちは3人ほどで1台のミシンを使い、エプロンを
作るという課題なのですが、例年この単元の時には
マンツーマンで教えてくれる人が必要になり、とても
先生だけでは手が回らないのだそうです。

案の定、先生が前で説明しただけではほとんどわかってなくて
手取り足取り教えなければならない子も沢山おり、
待ち針のうちかたや、ものさしの使い方、三つ折のしかたを教えたり
ミシンの返し縫の仕方や手の添え方をアドバイスしたり、
糸が切れた、針が折れた、などのトラブルに対応したり、
間違ったところを縫った子が縫い目を解くのを手伝ったり、と

家庭科専科の先生に交流担、それに手伝いのお母さんが私を入れて
5人くらいついてフル回転して、やっと実習がなりたつといった具合でした。


そんな中でも
「あれ?おばちゃん、ひさしぶり~。1・2年のときはしょっちゅう
学校来てたのに、最近来てなかったね~」
とか
「あ、おばちゃん、ちびくまくんのおかあさん?なあ、
ちびくまくん、めちゃ英語うまいなあ。おれ、感心したわ」
とか声をかけてくれる子が何人もいて

もう低学年の頃とは違って、ちびくま本人にべたべたかまったり
一緒にままごとや電車ごっこをすることはなくなったけど
少し距離を置きながら、でも置いてきぼりにしないように
ちびくまをありのままに受け入れ、見守ってくれている
空気がとても居心地良く思いました。
本当に優しい子どもたちです。

また、学校へ行っても、我が子のことは介助の先生にお任せして
私は普通のお母さんとしてクラスの子達と関われるのも
この学校ならではのことで、とてもありがたいと思います。

あとわずか1年あまりで卒業しないといけない学校ですが、
この学校での6年間は、息子にとって大きな財産になりそうです。




英語の授業

2006年02月21日 | Wonder of Autism
今日は息子の学校のオープンスクール(学校公開)の日でした。

3時間目から給食・昼休みをはさんで5時間目まで、自由に
学校内を参観できるのですが、私は午前中に別の会合があり、
福祉センターの駐車場に停めた車の中でコンビニおにぎりを
ほおばった後、5時間目に間に合うように学校へ向かいました。

5時間目は交流級で英語の授業。
ちびくまの学校では全学年で「英語に親しむ」活動を取り入れていて
月に何回かALTの先生が来校していますが
今日は、ALTの先生ではなく、交流級担任の先生が
英語の授業をする、ということになっていました。

廊下で授業の開始を待っていると、職員室から帰ってきた
交流担の先生が、すれ違い様に
「おかあさん、ジャパニーズイングリッシュでも笑わないでくださいね!」
「日本語のわからない帰国子女で、親子でも英語で会話している」と
鳴り物入りで入学した頃をご存知の先生なので…。(笑)
でも私はそんなに性格は悪くありません。

息子には、交流級で授業を受けるときにも、マンツーマンで
介助の先生がついてくれています。

授業は、まず英語の歌で始まり、
"Hello, I'm ______. Nice to meet you."
という挨拶、それから
"How are you?" "I'm fine, thank you."
というやりとり、さらに
"Which ______ do you like?" "I like ____."
と、相手の好きなものを尋ねる会話をやっていました。

中学になってから
"This is a pen." とか "I speak English."から
習っていた私たちの頃とは随分変わったものです。

で、先生が一通り説明して、みんなで練習した後は、
2人組になって練習するのですが、
ちびくま、口の動きを見る限りでは、全く周りの
子どもたちに遜色なく、会話練習ができていました。

それもそのはず、この授業で習ったフレーズは
ちびくまはアメリカの養護幼稚園時代に
オウム返しから始まったとはいえ日常的に使っていましたし、
単語レベルなら、日本の中1くらいの語彙はゆうにあるのです。

何かにつけて自信がなくて、いつも介助の先生が
付いていてくれることを支えにしながら色々なことに
挑戦している息子ですが、英語だけは自信を持って
とりくんでいることがよくわかる授業でした。

先生からも周りの子からも
「ちびくまくん、英語うまいなあ」と言ってもらって
息子はとても嬉しそうでした。

「自分はみんなのようにできない」と落ち込みがちな
息子には、クラスメートに伍していける特技があるというのは
たぶん、とても大切なことです。

本人に日本語を話すことを強制しなかった一方で、
英語を保持させるための努力も全くしなかった私ですが、
息子が自分から英語に興味を持ちつづけ、
自分で選んだ方法で英語に触れ続けてきたことが
思わぬ形で彼の役に立っていることを
なんだか嬉しく思ったのでした。

太った!

2006年02月18日 | 時には泣きたいこともある。
…いえ、今回は母ではなくて息子のことです。

先週、障担からの連絡帳に
「最近、太ったといろいろな先生から言われます。
 食べる量に比べて運動量が少ないのは確かなことです。
 本格的な肥満になる前に考えないといけませんね」

わっちゃ~。言われちゃった。
体重17キロという軽量級で小学校に入学したちびくま、
その後ぐんぐん肉付きがよくなって現在ついに34キロ。
倍ですよ~。

それもここ数ヶ月のうちに、急に大きくなりました。
食べる量が半端でなくなったこともあります。
もう大人の1人前はぺろっと平らげるようになりました。
場合によっては1人前ではきかないことも。
夏の間は毎日のようにプールに通っていたし、
運動会の練習やらで運動量が結構あったのが
3学期になって動くことがなくなったのもあるのでしょう。

それにしても「ビッグより大きいサイズ」の紙パンツが
横にピーッと引き伸ばされてビキニブリーフのように
なっているのがなんとも…

息子はいわゆる「固太り」で、ぽちゃぽちゃした
イメージは無いんですが、
小学校高学年時にはいずれも肥満体だった両親の
血をひいているからなあ~。


さて、今日は週一で通っている教育大でのセッションの日でした。
私はいつもどおりモニター室でマジックミラー越しに観察。
すると、後からモニター室に入ってきた院生の先生が、
「あれ、ちびくまくん、なんか太ってませんか?」
ひえ~、ここでも言われちゃったよ~。

「やっぱりそう思われます~?実は学校でも言われて
 るんですよ~」と言っていたところへ、
今度は久しぶりにF教授登場。で、マジックミラー越しに
息子を見るなり、

「あれ、なんか丸くなったぞ。太ったんじゃないか?」

…とどめ…

いかんなあ。いかん。
肥満を食い止める方法、真剣に考えないといけないかも。

新しい靴。

2006年02月16日 | adorably autistic
今朝、マンションのエントランスまで息子を送って、
一緒に通学バスを待っているとき、ふと息子の足元を見ると…
靴に穴が開いてます。右足の小指のあたりが、ぱかっと。

いくらうちがビンボーだからといって、息子に穴あきの
運動靴を履かせておくわけにはいかないので
「今日帰ってきたら新しい靴を買いに行こうね」と約束して
息子の乗ったバスを見送りました。

…が。
「新しい靴」というのは、息子にとっては鬼門なのです。
一時は新しい服は断固拒否、という時代もあった息子、
今は大分服へのこだわりは減ってきたものの、
靴へのこだわりは強烈です。
これまで何足の靴が一度も履いてもらえないまま
よそ様へもらわれていったことか…。

他のおうちではどうしているんだろう、と
「自閉症 靴 こだわり」で検索したら
うちのサイトが3番目くらいに出てきました。


で。お店の開く時間を待って、市内の靴屋さんを
探索に出かけます。つまり、息子が気に入ってくれそうな
靴を売っているお店を前もってあたりをつけておこう、と
いうことです。
自閉っ子との暮らしには何事にも、下準備が欠かせませんね~。

息子の靴へのこだわりは、たぶん色(外側が紺で中が黄色)と
素材の柔らかさ、それに軽さ。
紐は結べないので、面ファスナー止めは必須です。
市内で心当たりのある6軒の靴屋さんを回ってみたけど、
今息子が履いている靴と似通った色デザインのものはなし。
小学校入学の頃はわりと見かけたんだけど、
こういうものにも流行があるんでしょうね。

1軒目のお店で、中が黄色ではないけど、紺とブルーの
柔らか素材のスニーカーを発見。でも、形が少し
ハイカットで足首でバンドを止めるタイプだからどうかな~。
2件目のお店では白に紺メッシュのスニーカーを発見。
だけどちょっとガタイがゴツすぎるかな~。
お店オリジナルの健康スニーカーというのも
お値段が手ごろでいい感じ。でも色はグレーです。
他のお店もまあ同じようなもの。

とりあえず1軒目か2軒目、どちらにつれていこうかな~、と
悩みながら帰ってきました。
下駄箱を念のためにチェックすると、買い置きの靴
(息子が受け入れた靴をサイズ違いで買いだめして
置いてある)はあと1足。今のサイズより1サイズ
大きいので、足が大きくなっていればこれでいけるかも。

さて、いつもどおりの時間に帰ってきた息子。
他のことなら、朝お出かけを約束したら、
そのことばかり言いながら帰ってくるのに
新しい靴を買うのは嫌いなせいか、まったく
そのことには触れようとしません。

「そのお靴は穴があいちゃったから、あしたからは
新しいお靴で行こうね」というと、しぶしぶという感じで
「はーい」

足先を指で押さえてみると、あれ、結構パンパン。
これなら今ある靴でいけるかも。
家に帰って早速買い置きの靴を出してきて
ぐずぐず言う息子に無理やり履かせてみて、
「どう?ちょうど良かったら、明日からこれにしよう。
大きすぎるんだったら、今から新しいお靴を買いに行こう」
と言うと、息子は間髪を入れず
「おおきすぎない!これでいい。もうくつはかいにいかない!」
…ほんとかよ~…

まあ、しばらく様子を見ることにしましょう。
それにしても、ついに買い置きの靴がなくなってしまった。
次買い換えるときはどうしよう~。



中学での交流会

2006年02月14日 | 楽しい学校生活
今日は地域の中学校の障級を訪問してきました。
校区内の2つの小学校の障級の生徒さん4人と、センター校に通う
ちびくまを、中学の障級でのパーティに招待してくださったのです。
ちびくまは障担と一緒に出席、「小学生はお母さんもどうぞ」と
言ってもらったので、ルンルンと出かけていったら
来ていた保護者は私だけでした。


メニューはセルフサービスで作る巻寿司とちらし寿司。
人との会食の苦手な息子、「食べられるかなあ、なにか
好物でも買って行きましょうか」と訊いてくれた障担の心配をよそに
ちびくまは、巻寿司2本にちらし寿司1膳をペロリと平らげました。


食事のあとは、中学生のお兄さんお姉さんが作文の朗読や
歌でもてなしてくれ、小学生もちびくま以外はみんな持ち芸を披露して
楽しい会になりました。

途中顔を出してくれた校長先生・教頭先生との様子、
なにより中学の障級のお子さんたちが、
とても晴れやかでのびのびした顔つきで
先生とやりとりしながら自主的に活動している様子を見て、
嬉しい気持ちになりました。

障担も「ここの子はいい顔をしてますね。学校の体制も
いいんだと思いますよ」と私に耳打ち。

来年の春は、ちびくまもここへお世話になることになるかしら。

歯医者3回目。

2006年02月13日 | adorably autistic
息子の歯医者通いも3回目になりました。

家を出る時間を言っておくと、自分でテレビもパソコンも消して
さっさと玄関へ行ってくれるあたり、自分でも
「行かなければならない」という覚悟は出来ている様子。

医院に着くと、「トイレいきま~す!」と叫んで
トイレへ直行。
どうやら、待合室の音(空調?それとも電話がかかって
くるかもしれないから?謎です)が苦手なので、
診察室へ行くまでトイレに避難しているらしいのです。

でも、診察室から名前を呼ばれると、耳ふさぎをしたまま
「は~い」と返事をして、大急ぎで入っていきます。
顔はバリバリに緊張モードですが、先生を待つ間に
「1 はのおそうじ
 2 お水であらう
 3 おくすりを塗る
 4 かいちゅうでんとう」
とシーラントの手順を一緒に確認。

先週処置してもらったところがとれてしまっていたので
そこのやり直しと、右上の奥歯2本の処置ができました。

最後は樹脂が少しかみ合わせ的に高すぎたとかで、
少し削ったのですが、それもパニックにならず大丈夫でした。
うわ~、この調子で少しずつ慣らしていけば、
万が一虫歯になってもここで治療してもらえるかも

先生は障碍歯科は専門でないけど、口調が穏やかで
出来たときにすかさず「そう、上手だね~、その調子」と
励ましながら診てくれるので、頑張れるのかもしれないです。

終わった瞬間、自分で、
「うわ~、よくがんばったねえ」と自画自賛していた息子。
でも、ほんとに頑張っているなあ、と思います。