雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

お見舞いって難しい。(物品編)

2007年01月31日 | 入院生活
3回の入院で、様々なお見舞いをいただきました。
それぞれに心のこもったお見舞いはありがたいものですが、
これも下さった方のお気持ちを別にして、頂いた側の
都合「だけ」を言うと色々あります。

《ちょっと困ったもの》

○洋服
「退院したら着てね」と頂いたのですが、当然病院では
役に立ちません。家族に頼んで持って帰って貰いましたが、
少し苦手な色合いだったこともあり、未だに手を通さない
ままです。後に残るものなので見る度に入院した時の
不安な気持ちが思い出されるし、頂いた方にお会いする度に
「また着ていない」と思われているのではないかと思うと
少し気が重いです。

病気見舞いはあとに残らないものの方が無難かも。

○置物
「ベッド周りに飾って」と頂いたのですが、退院後
どうするか、困ってしまいました。
やはり余程その人の趣味や生活を熟知しているのでない限り、
「後に残るもの」は避けた方が良さそうです。

○ナイフがないと食べられない果物
病室に持ち込まれた籠盛りの果物を奥さんやお母さんが
ナイフで剥いて病人に食べさせる…ドラマなんかでは
よくあるシーンですが、今は安全上の理由で病室への
ナイフの持ち込みを禁じている病院もあります。
私の入院している所は毎日メロンやオレンジ、りんごなどの
カットフルーツが日替わりで出ますし、家族は週1位しか
病院に来ないので、頂いた果物は全て留守宅に持ち帰って
もらい、家族に食べてもらうことになりました。

○豪華なお花
お花もお見舞いの定番ですね。ある時、一抱えもある
素晴らしく豪華なアレンジメントを頂いたのですが、
実は同室の患者さんは全員喘息である上に、隣のベッドの
人は花粉症。狭い6人部屋で荷物を置くスペースを
取られたうえ、同室の方からは迷惑がられて、とっても
気を遣いました。
おまけに後からお花を持って来て下さった方もいて…。
切り花も花瓶が必要だったり、水を替えないといけな
かったりでイマイチありがたくないもの。
重なっても邪魔にならない位のミニミニサイズの
アレンジなら、病院の共用スペースに飾ってもらうとか、
家に持って帰ってもらうとか、融通がきいて便利なようです。

特別扱い

2007年01月29日 | 入院生活
3度目の入院も遂に8週間目に突入。12月の頭に
ギラン・バレーなら有り得ないと言われていた
2度目の再発を自覚した時には、さすがに今後の入院は
少し長くなるかもしれないという覚悟はあったものの、
ここまで長引くとは思っていなかったというのが
正直なところです。

そんな中、夫や実家の母は勿論、
お母さん仲間や学校の先生、福祉事業所の人たちにも
とてもお世話になってきました。もうひたすら感謝です。

特別な配慮の要る子をおいて自分が突然長期入院するなんて、
今まで考えたくもなかった言わば最悪の事態になって改めて
障担との緊密な連携と信頼関係を日頃から築いておくこと、
「困り切っていないうちに」福祉サービス利用に
親子で慣れておくこと、そして親が十分頑張れるうちに
「子どもが独りで出来ること」を増やしておくことの
大切さを実感しています。

「うちでお預かりしているのはちびくまくんだけでは
ありません。彼だけを特別扱いするような、そんな
不平等な事は出来ません」
幼いちびくまを通わせた日系幼稚園で、私は毎日のように
こう言われました。
あの時の私には返す言葉がありませんでした。
でも、今なら言えるかもしれない。「他の子も大切だ。
けれどこの子も大切だ。そう思えない貴方には、たとえ
この子に障碍がなくても託すことは出来ません」と。

障碍があってもなくても、「目の前のこの人」を
支援しようという時、そこに必要なのは「全ての人を
特別扱い」するという発想なんじゃないかな、と思うのです。
それは生半可な仕事ではありません。でも、表向きの
「平等」にこだわっている限り、本当に必要な支援と
いうのは見えてこないんじゃないのかな、と、
障碍のある子の母として、支援者を志す人間として、
永続的な身体障碍を持つ可能性のある難病患者として、
病院のベッドの上でつらつら考えています。

パルス療法は効いたのだけど

2007年01月28日 | 入院生活
1/23(火)~1/25(木)の3日間、予定通りステロイド
パルス療法を受けました。事前にドクターから説明があった通り、
身体がほかほかと暖かく感じたくらい(「岩盤浴みたいで
気持ち良かったですよ」と言ったら「あ、それいただき(^.^)」と主治医)で、
1回1時間半位で終わる点滴は、1回4~5時間かかかる免疫グロブリン点滴を
3クール(のべ15日間)経験している私にとっては、
拍子抜けするくらい楽な治療法でした。

幸い、効果の方もすぐ出てきて、点滴直前には
手摺を持っても歩行や洋式トイレからの立ち上がりが
困難なところまで悪化していたのが、1回目の点滴を
終えた翌朝には、ほぼ悪化前の状態にまで戻り、
現在までその状態を維持出来ています。

今回は維持療法中の悪化でこの病気の難しさが
はっきりしてしまっただけに、主治医も看護師さん達も
私の心理面を含めて大変心配してくれていたので、
その分パルスで効果が出たことを一緒になって喜んで
くれています。

ただ、喜んでばかりいられないのは、今の状態は
年末年始の外泊時より少し悪いあたりで低位安定しているに
過ぎないこと。トータルで考えるとこの1ヶ月間では
全く快方に向かっていないことになります。

このままでは家に帰ったとしても、家事をこなすことはおろか、
私自身に対する介護が必要になってしまいます。

もう少し元気になって、早く家に帰りたい。
でも、ここで焦ってまた悪化を繰り返しては意味がない。

ここでは毎日ただ食っちゃ寝、の生活ですが、
精神力の方は毎日試され続けているような気がしています。

1/22の記事のコメントにお答えして

2007年01月24日 | 入院生活
このブログは予め設定しておくと、特定の携帯からだけ
メールで投稿できる仕組みになっています。
病院内は本来携帯の使用が禁止されていますが、
幸い私の病室は建物の外壁に面した一番端っこで
周囲に影響を与える医療機器も無いため、
ドクターも看護師さんもメール・ネットは
黙認してくれています。普段はPC専門で、携帯での
メール・ネットは殆ど使っていなかったのですが、
ベッドの上から外の社会と繋がれるのはとても便利で、
文明の利器のありがたみを痛感しています。
(でも来月の使用料請求がコワイ)

何年も入院している患者さんの中には(多分
許可を取って)病室内にネット環境を整えて
いる人もいます。(ネット中毒の私は正直
うらやましい)


朝昼ベッドの上でラジオを聞きながらボーッとしてる時、
(薬の影響か午前中は少し倦怠感あり)
夜中や明け方に目が覚めてなかなか寝つけない時、
携帯を握り締めてちょこちょこと書きためています。

ここでは一日中あまり人と話す機会がないので、
その分長文になっちゃうのかも。
で、どうしても笑いがとりたくなったり、
突っ込まずにおれなかったり、というのは
関西人の悲しい性でしょうか。

かく言う私の文章だって、実は突っ込みどころ満載かも
しれないですが。^^;
皆様のお心にかけていただいていること、たとえ
表立ってでなくても回復を祈っていただいていることは
身にしみ、感謝しています。
ありがとうございます。

せっかく人様からかけてもらった言葉にあの記事の
ようにシニカルに反応してるとなんだかバチが
当たりそうですが、こんなふうに突っ込みを
入れたり文章を書いたりすることで、暗くならず
病気と向き合うエネルギーになってるみたいです。

それに、ホントはここに書けないネタが山ほど
あるんですよ~。(≧▽≦)ゞ

ステロイドパルス療法開始

2007年01月23日 | 入院生活
経口ステロイドを40mg/日に減量して2週間、
残念ながらまた悪化が始まってしまいました。

減薬が順調にいけば2月の3連休明けには
退院できるかな、と思っていたのですが、
これもまた白紙に戻して考えなければなりません。
もちろんがっかりはしたのですが、
このあたりのしつこさ、一筋縄でいかなさが、
この病気が難治性慢性疾患と呼ばれる由縁
なんだなあ、と変に納得もしています。

とりあえず一旦経口ステロイドを中断して、
今日からステロイドパルス療法をやってみる
ことになりました。
ステロイドパルスというのは、経口ステロイドより
更に大量のステロイド(1000mg/日とか500mg/日、
私の場合は後者)を3日間連続で点滴静注する方法で、
経口ステロイドより強い効果が期待でき、
超大量投与のわりに副作用が比較的少ない
ことから、様々な自己免疫疾患の治療によく
使われる方法なのだそうです。

主治医いわく「免疫に揺さぶりをかけて一気に叩く」
のだそうで、この後は再び経口ステロイドに
戻る予定ですが、これを契機に病気が良い方向に
向かってくれるといいなあ、と望みをかけています。

お見舞いって難しい。(ことば編)

2007年01月22日 | 入院生活
日頃から変に言葉尻にこだわる傾向のある私
ですが、入退院を繰り返すようになってから、
人からかけられる言葉にやたら引っかかりを
感じるようになりました。
自分では冷静なつもりでも結構内心
動揺してるんでしょうか?
以下、相手の方に悪気がなことは承知の上で
毒を吐かせていただきます。

☆(入院する、と言ったのに対し)大丈夫~?
…これってどう返事したらいいんでしょう?
普通、「大丈夫じゃない」から入院するんだ
と思うんですが。


☆今度は再発させないようにね。
☆今度は無理しないでね。
…再発したのは「そういう経過を辿る
病気だったから」であって私が無理したから
ではありません。
「再発がないように祈ってるわ」ならまだしも
「再発したのは貴方が気をつけなかったから」
みたいに言われるとちょっと…。

☆1日も早く退院できるように頑張って!
☆早く帰ってあげなきゃ!
…いえ、私も帰れるものなら帰りたいんです。
そこをぐっと我慢してるのに、あまり「早く早く」と
せき立てられると…。
せめて「頑張って」ではなく
「早く退院出来るといいね」と言って下さい。

☆命に関わるわけじゃないんだから…
「良かったじゃない」とか「家に帰れば?」と
続く訳なんですが。
確かにこの病気自体は致命的なものではありません。
だけど、今出口の見えない闘病生活が始まった
ばかりの人間にかける言葉かなあ、と思うのです。
患者本人が言うのはいいけど、他人が気安く
言う事ではないような…。

☆医者の言う事なんか信じちゃ駄目よ!
…じゃあ、その代わりに何を信じたらいいのか
責任持って教えて下さい。

☆(完治するとか再発しないとかは)気持ちの
持ちようよ!
…ご自分が大病を克服された方にありがちな
発想ですが、それは「自分自身を褒め、励ます」
ためにだけ使って欲しいです。
勿論、そういう面が全くないとは言いません。
でも、良くならないのは貴方の精神が弱いから、
みたいに言われて元気が出るでしょうか。

☆絶対、完治させてね!
…そうなればいいとは思ってるんです、真剣に。
でも、そんなこと言われても困ります。

☆ちょっと痩せ過ぎなんじゃない?
☆顔が丸くなって元気そうね~。
体重の減りすぎは主治医からも言われてるんですが、
駄目押ししていただかなくても結構です。
また、顔が丸いのは健康になったからはなく、
薬の副作用なので、ギャグにされても正直笑えません。

医療費問題

2007年01月21日 | 入院生活
さて、思いがけず入院ということになって気になることの1つが
医療費の問題ですが、ギラン・バレーやCIDPの場合、
目をむくくらいお金がかかります。

ちなみに我が家が病院に支払ったのが、
10月分 約35万円(入院8日間)
11月分 約45万円(入院15日間)
12月分 約50万円(入院24日間)
これ、10割じゃないんですよ、「3割負担」の額です。

健保の「高額療養費」制度で自己負担上限を超える
分については3ヶ月後に払い戻しが受けられますが、
それでも一旦は全額支払わないといけないし、
1ヶ月あたりの最終的な自己負担が10万円を超えるわけ
ですから、零細サラリーマン家庭の我が家にとっては
経済的大打撃です。

何故こんなに高いかというと、治療に使う免疫グロブリンが
高価だからです。免疫グロブリンはいわゆる血液製剤で、
現在のところ人工的に作ることは出来ず、1回の治療に
必要な免疫グロブリン(50ml×5~10本/日×5日)を確保
するには100人以上の健康な人から免疫グロブリンを
集めなければなりません。私の場合この治療をこれまで
3回繰り返したわけですから、実に300人分の免疫グロブ
リンを提供してもらった計算になりますね。

ところで、ギラン・バレーもCIDPも厚生労働省から
「特定疾患(難病)」の指定を受けています。
私は「難病」というのは国から医療費が出るものだと
ばかり思っていたのですが、現在特定疾患に指定
されている121疾病の内、国からの医療費補助があるのは
わずか45疾病であることがわかりました。
つまり、ギラン・バレーやCIDPは「医療費援助は
受けられない難病」なのです。
ただ、CIDPは難治性の慢性疾患なので、都道府県レベルでの
医療費補助の対象となりうるのですが、これも
現在のところ東京都と埼玉県だけ。

根治療法がなく、治療法も確立されていない今、
CIDP患者の中には数週間おきに免疫グロブリンの点滴を
受けなければならないケースもあり、高額な医療費に
対する公的援助が一日も早く望まれています。
昨年やっと日本でもCIDPの患者会ができましたので、
私も入会したいと思っています。
今後は他の患者さん達と手を携えて公的支援を求めて
運動していくことになるのではないかと思います。

もちろん、経済的にも身体的にもより負担の少ない
効果的な治療法や根治療法が早く見つかれば
もっといいのですけれど…。

入院グッズ その2

2007年01月18日 | 入院生活
お役立ち入院グッズ続きです。
◎ウォーキングシューズ
病室内での履物というとまずスリッパが思い浮かぶのですが、このスリッパという履物、ギラン・バレーやCIDPで脚力が弱りバランスの崩れた足には歩きにくく転倒しやすくなってしまいます。
スリッポンのウォーキングシューズやスニーカーが着脱しやすく足をしっかりホールド出来てお勧めです。急性期が過ぎればそのままリハビリシューズとして使えます。
◎小型ラジオ
病室内での娯楽と言えばプリペイドカード式のテレビと差し入れてもらう本くらいしかありません。でもテレビも読書も意外に疲れます。全員がPC一辺倒で今流行りのデジタルオーディオやポータブルゲーム機の類のない我が家、夫に頼んでイヤホン式の小型ラジオを買って来てもらいました。AM/FMが聞けて、電池も長持ち。\1,700の投資でばっちり元をとってます。
◎日焼け止め
これはとても意外だったお役立ち。今私がいるのは南向きの病室の窓側。天気の良い日には冬だというのにうっすら汗ばむ程直射日光が照り付けるのです。「これはヤバい」と感じた私、入院してすぐ家から日焼け止めを持って来てもらいました。これはどうやら大正解。
年末から向かいのベッドに入院していたおばあちゃんは見事に顔が半分だけ日焼けして、退院時迎えに来たご家族にびっくりされていました。


入院グッズ

2007年01月17日 | 入院生活
入院生活も通算8週間を超え、なんだかそれなりに生活が落ち着いてきた今日この頃。(落ち着いてどうする^^;)
これまで身近な人が入院したこともなかった私にとっては、入院グッズも「こういう物が必要なのね~」と新発見の連続でした。経験者の皆さんには当たり前のことかもしれませんが、ひょっとしたらまたどなたかのお役に立つかもしれないので、私が便利だと思ったものをご紹介してみます。
◎バスタオル
病院の生活で意外に重宝するのがこれ。入浴時に使う他、車椅子に乗る時の膝掛け、肌寒い時の肩掛け、病院のシーツは大抵週1回しか交換しないので食事の時に布団の上に敷いて思わぬ食べこぼしによる汚れ防止、生理時に万が一のシーツの汚れ防止、など色々使えます。ここ難病病棟では自分で動けない患者には常時5枚のストックを奨励しています。
◎ステンレスボトルとティーバッグ各種
病院でもお茶は出ますが、やけど防止のため冷ましたものだったり、毎日同じリズムで同じお茶が出てくるので飽きたり。配茶用の熱いお湯が手に入る環境なら、ステンボトルとティーバッグがあれば手軽にバラエティある飲みものが楽しめます。焙じ茶やハーブティー、禁止でなければコーヒーなどいいかも。紙コップとマドラーも忘れずに。
◎S字フック
病院では私物を置くスペースが限られていますし、入院したばかりの私のように殆ど寝たきりだと、手の届く範囲も限られます。手元に置いておきたい物をS字フックでベッド柵に提げておくと場所をとらず便利です。この病院では個人用の屑入れを持って来るよう言われますが、私はこれもベッド柵に掛けた小さいポリ袋で代用しています。
◎ウェットティッシュ
ここの病院ではマイ箸を持参しなければなりません。食事の後自分で箸を洗いに行けない時に重宝でした。その他、入浴が出来ない時にこまめに身体を拭いたり、ポータブルトイレを使った後に手を拭いたり。病棟のトイレが使えるようになると使用前後に便座を拭くのにも使えます。
◎ポシェット
検査やリハビリ、トイレなどでベッドを離れる時に、貴重品を入れて身につけておきます。小さい手提げでも。
◎洗濯ばさみ・竿ばさみ
入浴後にバスタオルをベッド柵に干したり、カーテンを開けられたくない時に中から止めたり、うまく寝返りがうてない時期に布団や毛布のずれ止めに使います。


寄り添う姿勢

2007年01月15日 | 入院生活
昨年10月に初めて四肢の筋力低下に気づいた時、ただ「近いから」とこの病院にかかり、「たまたまその日の外来担当でベテランそうだったから」という理由で今の主治医に診てもらうことにした私だったのですが、珍しい難病だったことがわかり、療養が長期になるにつれて、実はこれがかなりラッキーな選択であったことが判明しつつあります。
まず、ここはこの地域を含む広域での神経内科基幹病院であったこと。9人の常勤ドクターと100床の神経難病病棟と数十床の一般病棟枠、独立した筋ジス病棟と重症心身障碍児(者)病棟を持つこの病院の神経内科は、大学病院の神経内科に優るとも劣らない体制であり、学会の神経内科専門医養成施設にも指定されていること。
そのため、多くの難病患者さんが他の病院から紹介されて遠くから受診・入院しに来ています。
しかもその中にあって私の主治医は診療部長であり、筋神経疾患の専門医であり、神経内科専門医養成コースの主任指導医であり、大学病院等と共同で最新の治療法を研究する研究者でもあることがわかったのです。
なので看護師さんも私は珍しいケース故に他の病院から主治医に紹介されて来たものと思っている人が殆どで、「自分でネットで調べて飛び込みで外来へ来た」と話すとびっくりされたり、「それは無茶苦茶当たりやったね~」と感心されたりします。
でも、そういった肩書きとかキャリアとか医師としての技術の高さという事以外に、このドクターが主治医で良かった~、と感じることがあります。それはドクターの人間性というか、人柄の部分です。
いつも変わらない穏やかな笑顔。決して尊大でなく、乱暴でもぶっきらぼうでもない話し方。毎日どんなに忙しくても担当患者のベッドを1人1人見て回り、ゆっくり診察したり時には世間話をしていく余裕。この病院では外来の場合、診察室の中からドクターがマイクで次の患者を呼び入れますが、このドクターだけは診察室の入口まで出てきて患者の目を見て名前を呼び、中へと招き入れるのです。ちょっとしたことだし、その分若干待ち時間が長くなっているのかも知れないのですが、1人1人の患者を大切にしてくれる感じが私個人としてはとてもいいなと思っています。
看護師さんの中にも、採血や点滴などとても上手くて介護の手際も良いのだけれど患者からは嫌われている人、どちらかというと頼りなくてドジを踏んで先輩に叱られたりしているわりに患者からは好かれている人がいますが、やはり基本は知識やテクニックに”加えて”「どこまで相手に敬意を持って寄り添うことができるか」ということに尽きるのではないかと感じています。
先月のまつこさんの講演でも「本人の思いを抜きに効果的な支援をしようと思うと管理や支配になってしまう危険がある」ことに触れられていましたが、自閉症の人たちを支援したいと願う私たちが決して忘れてはならない視点だと思います。