雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

宝物

2011年08月04日 | adorably autistic
おしゃべりはしない、または訥々としているけれど、
書き文字やキーボード入力なら
ずっと流暢に「ことば」を操れる、という
自閉っ子のお仲間の話はよく聞くのですが

うちの息子の場合、おしゃべり以上に
書き言葉は難しいらしく、「文を書く」のは
とても苦手にしています。

学校でも活用してもらっているスケジュールや
手順書は「書き言葉」というより、「文字情報」という
位置づけのようで、
「文」の読み取りもやっぱり苦手なようです。

なので、彼に「ことば」を教えるには、どうやら
実物や実体験と結びつけながら、話し言葉で
納得してもらうのが一番いいように感じ、
機会をとらえては、意識して親子で「おしゃべり」を
するようにしています。

逆さバイバイ(手のひらを自分に向けてのバイバイ)の
ようなことはなかった息子ですが、
そこそこ話し言葉でやりとりができるようになった今も
相対関係を言葉に反映させることはとっても
難しいらしく、
「…してあげる」と「…してもらう」「…してくれる」などは
頻繁に間違って使っています。

最近また何度目かのマイブームになっているアメリカの
幼児向けアニメには主人公姉弟が登場するのですが
「○○は△△の弟」であることは番組紹介に文字で書いてあるので
理解できるのだけれど、では「△△は○○の何か?」と
問われるとわからない様子。

兄と弟、姉と妹、親と子、祖父母と孫、おじおばと姪甥、
家族関係って、みんな相対的な関係で決まるのですよね。

それで、チャーリーブラウンとサリー、ルーシーとライナス、
アネムとズズ、など、本人が大好きなキャラクターを使って
家族関係をクイズにするのが最近の我が家のピロートーク。

で、先日もひとしきりそんなクイズをやった後、
最後に、「じゃあ、○○くん(息子)はお母さんの何?」と
訊いてみたら、息子は自信たっぷりににやりと笑って
答えたのでした。

「もちろん、タカラモノだよ」

楽しいお葬式?

2010年05月05日 | adorably autistic
今日は父の葬儀でした。無宗教の家族葬ということで
祭壇も遺影を山のようなお花で飾ってもらい、
読経もなく、クラシックをBGMに、
親族と40年住み続けた家のご近所の
方々にご焼香いただくだけの
シンプルでこじんまりした送りの儀式でした。

式後は親族だけでマイクロバスにのり、斎場へ。
バスの好きな息子は、嬉しそうです。
会場から斎場へ向かう道は、昔息子と共に
実家に居候して、そこから通園施設に通わせていたときの
スクールバスのルートでした。

そのことにすぐ気づいた息子、
「ねえねえ、おかあさん、この道、10年ぶりだねえ」と
しみじみと言います。
当時はまだニコニコとバスの座席におとなしく座っているだけで
言葉のほうも怪しかった息子でしたが、
あれから十年になることもわかっているんだなあ、と
なんだか私のほうもしみじみしてしまいました。

斎場で、棺が炉に入れられ、ガチャンと重い音がして
扉が閉められるのを見ると、息子は、
「おかあさん、あれ、エレベーター?」と
聞きました。
「うん、死んだ人の乗るエレベーターだよ。
 死んだ人をあの中で燃やすと、体がなくなって軽くなって
 煙になって空に登って神様になるんだよ」
そう説明すると、息子は「ふうん」とうなずきました。

その後は一度会場に戻ってみんなで食事をとり、
その後で母と弟と私の3人だけでお骨を拾いにいく
段取りになっていました。

会食に参加したのは母の姉(伯母)と兄(伯父)夫婦、弟(叔父)夫婦、
母と弟、私と夫と息子。
私たち一家と弟以外は全て60代と70代、という
平均年齢のものすごく高い会食です。

もともと知らない人と一緒に食事をするのが苦手な息子、
お膳も高齢者向きのものを選んであったのでどうするかと思いきや、
出された料理の中から自分で食べられそうなものを選んで
静かに落ち着いて食事をしていました。
やはり十年前、夫の父が亡くなったときには、
通夜や葬儀に出すのがはばかられる状態だったことを
思えば、やはり確実に成長しているのだな、と思いました。

会食も終わり、さてそろそろお開きにしましょうかというころ、
突然息子が言いました。
「お通夜もお葬式も、とっても楽しかったです。
 また来たいです」

すると弟が
「それは何より。だからといって、リクエストにお答えして
 頻繁に開けるもんでもないけどね」
とにんまり笑って答えたので、一同大笑い。

自分の親の葬儀で良かった~

息子にとっては、ほとんど初対面の年寄りばかりに囲まれ、
ただ静かに座っていなければならない席が、
楽しかったわけはありません。
でも、自分が招かれてここに来ていることと、
特別な意味がある会食であることはわかっていて、
精一杯の礼儀として「楽しかった」「また来たい」と
言ったのでしょう。

息子に障碍があることは親族はみなある程度
知っていることとは言え、息子のせめてもの挨拶に
うまく答えてくれた弟の機転をありがたいと思いました。

散会後、息子は「2日間、よく頑張ったご褒美」として
夫に、初めてのバス路線に乗せてもらって
大回りして自宅まで帰ったようです。
こちらは「本当に」楽しかったようでした。

ゴールデンウイーク中、バタバタで、息子に休日らしい
楽しみを与えてやることはできませんでしたが
せっかく慣れ始めた学校を一日も休むことなく、
連休明けからは何事もなかったようにまた登校できることも
ありがたいと思いました。父の、たった一人の孫に対する
せめてもの心配りだったのかな、という気もしています。

シャンプーの悲劇

2009年07月14日 | adorably autistic
我が家では息子も私も同じシャンプーを使っています。
息子のアトピーを機に洗濯にも食器洗いにもお風呂にも
石鹸を使い始めてはや10余年、なんやかやと浮気しながらも
結局はこれに戻ってきてしまう、パックスナチュロンシャンプー。

最近は生協やドラッグストアにも置いてあるのですが
ネット通販のほうが若干安いので、いつもはネットショップで
まとめ買いしています。

さて、今日お風呂に入って髪を洗おうとすると、
泡で出てくるはずのシャンプーボトルから水しか出てきません。
不思議に思って息子を呼び、

「ねえ、シャンプーの入れ物にお水入れた?」と訊くと
「うん」
「どうしてお水入れたの?」
「せっけんなかったから」
「シャンプー、もうなくなってたの?
「うん」
「空っぽになったから、お水いれてみたんだ?」
「うん。新しいせっけんある?」
「あと1つあるよ。じゃあ、新しいの入れとくね。
 これからは空になってたらお水を入れないでお母さんに言ってね」
「うん」

洗面所から最後のストックを取り出し、泡ボトルに詰め替えて、
一件落着。・・・のはずだったのです。

その後しばらくしてお風呂に入っていった息子。
「おかーさーん、新しいせっけん、どこ~?」
「え?シャンプーの入れ物にちゃんと入れてあるよ」と
言いながら風呂場へ行って見ると、
そこには空のシャンプーボトルを持って困った顔の息子。

「あれ?お母さん、その中に新しいシャンプー一杯
入れてなかった?」と訊くと、
ますます困った顔になって排水口をじっと見つめます。
「えっ、ひょっとしたら、入ってたの、全部捨てちゃった?」
「・・・ごめんよ~」


「…せっけん、なくなっちゃった。新しいのある?」
「あれが最後だったから、もうないよ」
「…えーと、なくなったから、また買ってくれる?」

明らかに焦りうろたえまくる息子相手に怒るわけにもいかず、
「うん、じゃあ、また買ってこようね。今度は捨てないでね」

ちょっとほっとした表情になった息子、
お風呂から出てくると
「おかあさん、せっけん、新しいの買ってね」
「せっけん、どこのお店で買う?」
とフォロー(のつもり)しまくります。

揚句の果てに
「おかあさん、ぼく、お母さんのこと好きだよ~!」

息子よ、それで全てが許されると思わないで欲しいんです。
・・・許してるけど・・・

麻衣子さんは色白。

2008年11月05日 | adorably autistic
どこのチャンネルのニュースを見ても
アメリカ大統領選挙の話題でもちきりの昨今。

「黒人初の大統領」のフレーズを何度も聞いて疑問に思ったのか
息子が質問してきました。
「おかあさん、黒人ってどういうこと?」

そういえば、在米時代に私たちが住んでいた地域は
白人と東洋系が多いところで、
息子とかかわりのあった大人は全て白人か日本人だったし、
養護幼稚園のクラスメートも黒人の子は2人だけ、
しかもその頃息子には人種という概念はなかったでしょうから

「黒人」と呼ばれる人々がいることを彼は知らなかったのかも
しれません。
(それにしても、ニュース番組でさえなぜ「アフリカ系初」と
言わないのでしょうね)

「あのね、ちびくまくんがアメリカのプリスクールにいたときに
 ○○くんとか△△くんっていたでしょう。
 あの子たちとか、オバマさんってね、お父さんやお母さんとか
 おじいさんやおばあさんやそのまたおじいさんやおばあさんが
 アフリカから来た人たちなんだよ。
 アフリカの人たちは、ちびくまくんが日焼けしたときみたいに
 肌の色が濃い茶色なのね。
 そういう人たちを『アフリカ系』っていうんだけど、
 色が黒い、っていう意味で『黒人』って言ったりするのよ」

「ゼロ系とか、700系みたい?」
「そうだね、アフリカから来た人たちの仲間っていうことだね」

「お顔が茶色いの?」
「そうだね」
「ふーん。でも、麻衣子さんは顔が白いよね」

麻衣子さんって?クラスメートにそういう子はいないはず。
私と夫の昔の仲間に麻衣子さんという人がいて
彼女は確かに色白の和風美人だけど
息子は彼女にはあったこともなければ写真を見たこともないはず。

「ちびくまくん、麻衣子さんってだれ?」
「テレビに出てる人だよ」

…テレビに出てる麻衣子さん?うーん…

「”だんだん”に出てるでしょ」

息子よ、それは「麻衣子さん」ではなくて、「舞妓さん」だ!



ちぐはぐな会話

2008年09月16日 | adorably autistic
今日は体育大会の代休。
ちびくまと2人でサティへ買い物に行き、
久しぶりにマクドナルドで昼食を食べました。
私の入院中は、土日のどちらかは父親と一緒にマックで
昼食を食べていた息子ですが、私が退院してからは
人ごみに出ることを避けていたため、一度も外食していなかったので
私自身にとっては数年ぶりのファーストフードです。
インフルエンザの季節になると、また感染を避けるため
外に出る機会を減らさざるを得なくなるので
たまには気分を変えてみようと息子に提案したのでした。

この土日、運動会だった小中が結構あるらしく、
フードコートには小中学生がいっぱい。
「うるさいのは苦手です。静かなところで食べたいです」
という息子に、少し離れたところにあるテーブルを
取っておいてもらって、私は注文の行列に並びます。

昔はハッピーセット一本やりだった息子も
今ではビッグマックセットをペロリと平らげます。
いつのまにか、ハンバーガーを分解しないで
食べるようになっていたのに驚きました。

さて、一旦家に帰ってから、夕方はまた歯医者さんへ行きます。
いつもどおり、隣同士のブースに入って、息子はドクターの治療、
私は歯科衛生士さんに歯の根の部分のクリーニングをしてもらいます。
ブースを仕切るついたて越しに、息子とドクターの会話が
聞こえてきました。

「ちびくまくん、よく日焼けしてるなあ、真っ黒だね」
「はい!」
そう、息子は夏休み中のプールでしっかり日焼けしているうえに、
2学期が始まってからは連日体育大会の練習をしていたので
一段と真っ黒になっているのです。
「どこかへ行ってきたの?」
「はい、マクドナルドに行きました!」
「えっ、マクドナルドで日焼けするの?」

私と歯科衛生士さんは思わず噴き出してしまいました。
息子にはドクターの言葉が
「(そんなに日焼けするような)どこかへ行ってきたの?」
という意味だということがわからなくて、
文字通り「今日はどこへ行ったか」を答えてるんですね。

聴覚記憶と視覚記憶がばっちりで、その両者をリンクさせるのも
うまい息子は、
場面とその時話されていた言葉を組み合わせて丸暗記しているので
場面にあった言葉をうまく使うことが多く、
本当は言語理解力が低いことがわかってもらいにくいのですが

見事に彼らしさが発揮されたちぐはぐな会話が
久しぶりに聞けて、なんだか嬉しくなってしまった
変な母親なのでした。


デイキャンプ再び

2008年08月07日 | adorably autistic
今日は親の会のデイキャンプ。ここ数年夏休み恒例の
野外親子活動です。

場所は先日の交流キャンプと同じ野外活動センターですが
母親が計画するものだけに

受け付けの関係で集合時間は決めているものの、
帰りは自由。
暑さを避けて風の通る部屋を借り、子どもの休憩や
お昼ごはんはここで。
昼食は各自持参、もちろんコンビニ弁当でも可。

施設から出ない範囲で思い思いに遊んで可。
時計と絵で一日のおおまかなスケジュールを書いた表が用意され、
触ってはいけないところ、入ってはいけないところには
「さわりませんカード」が貼られ、対策はばっちり。

「みんなで○○をしましょう」には疲れてしまううちの息子も
こういう自由度の高いプログラムなら楽しめるから・・・と思っていたら

どうやら先日の交流キャンプがよほどしんどかったのか
息子にとってはここのセンター自体が「いやな場所」になってしまった様子。
昨年は我関せずでじゃばじゃばと施設内の小川に入って
水が流れていく様子を楽しんでいたり、シャボン玉を吹いたりしていたのに

今年は水着には着替えたものの、水の中にはほとんど入らず
脚だけ入って少し葉っぱを流したりして遊んだ後は
さっさと部屋に戻って服に着替え、
木陰のベンチに座って駐車場に出入りする車を眺めているだけです。

近所のスーパーで朝買ってきたお弁当を食べると、息子はもう
帰る気満々。
「おかあさん、早退するにはだれにご挨拶したらいい?」と
訊いてきます。
「○○くんのお母さんだよ」と教えると
すたすたと歩いて行って「お先に失礼します」と挨拶までしてきました。(笑)

仲間が1人午後から参加になっていて、受付がまだ終了していなかったので
「△△くんが来て、受付をしてもらうまで、赤の手帳(療育手帳)が
 返してもらえないから、それまで待ってくれる?」
と言うと、素直に「はーい。何時まで待つ?」
「うーん、1時半くらいかな」
「じゃあ、1時半くらいで帰ろうね」
で、息子はまた駐車場のベンチへ。

係りのお母さんが用意してくれたすいか割りにも、子どもたちは
ほとんど「興味なーし」で、「すいか割り」というより
「すいか食べ」大会になっているのも、まあご愛嬌ということで。

息子は、小さな仲間たちに混じるのがイヤで、遠くの木陰に隠れて
座っていましたが、スイカは近頃喜んで食べるようになっているので
スライスを持っていってやると素直に取りました。
「おかあさん、種はどこに捨てたらいい?」と言うので
「そうだね~。その木の根元のところだったら人が踏まないから
 捨てちゃってもいいと思うよ」
と答え、みんなのところへ戻っておしゃべりしながらふと息子を見ると、

スイカから種をほじくり出しては、まるで種まきのように
丁寧に植え込みの根元近くに種を並べている息子の姿が・・・(笑)。

結局、スイカを食べ終わって、療育手帳を返してもらい、
「もう手帳を返してもらったけど、どうする?」と訊くと
「帰ります」と即答。
前回エンジントラブルを起こしたのと全く同じ道なので
なんとなくトラウマになっていてひやひやしていましたが
なんとか無事に家に帰ってきました。

息子は「お母さん、ぼくは早退してばっかりだね~。
また早退しちゃったね」とニコニコ。
おやつにアイスを食べ、ごろごろしているなと思ったら、
あっという間に爆睡していました。

全然遊んでないのに疲れたのね。
数年前のことを考えたら信じられないほど柔軟で扱いやすくなった
息子ですが、

集団行動がとてつもなく負担になることには何ら変わりがないようです。

交流キャンプ

2008年08月03日 | adorably autistic
うちの市では、毎年夏休みに全市の小中の特別支援学級在籍者を
対象にしたキャンプがあります。
(昔は「療育キャンプ」と呼ばれていましたが、今は
「交流キャンプ」と名前が変わったようです。)

息子が小1のときは、マンツーマンの先生に、保護者や家族までセットで
バスに乗って日本海で海水浴のあと、丹波自然の家で1泊という
豪華版(?)でした。
子どもが寝た後、親と先生だけ集まっての懇親会で
日ごろゆっくりお話ししたことのなかった先生やよその
お父さんとお話ししたりしたのがとても楽しかったです。

その後、障級(特支級)在籍の子どもの数が爆発的に増えたのと
財政緊縮で市からの補助金が減ったのとで

海水浴の後1泊するのは小学校高学年と中学生だけになり
保護者や家族は参加できなくなり
小学校低学年は淡路島へ日帰り、高学年と中学生は海水浴なしの宿泊だけになり

ついに今年は宿泊も小学校高学年だけになって
中学生は送迎も付き添いも保護者で
日帰りの飯ごう炊さん、ということになりました。

この猛暑の中、毎日子どもの3食を用意するだけでは足らず、
キャンプ場まで車を運転して行って、炎天下で薪を燃やして
自分と子どものご飯を作れと言うんですかい?・・・と

よっぽどパスしようかと思ったのですが
「夏休みと言えば交流キャンプ」とお決まりのようになった息子が
「交流キャンプいきます。もうしこみします」と言うので
しかたなく(笑)申し込んでありました。

さて、昨夜、「あしたは交流キャンプだよね~♪」と
初めてゆっくりとプログラムを見た息子、
「ぼく、行きたくないな~。早退してもいいのかな~」

・・・だから言ったじゃない。
息子は暑いのと人ごみと子ども集団が大の苦手。
ヘルパーさんと大好きなプールに行くほかは、ほとんど家から出たがりません。
子どもを預かってくれる日中一時支援施設にさえ
「つかれるので、行きたくありません」と言う始末。
(小さい子が泣いたり騒いだりするのでストレスがたまるらしい)

人の大勢いるところで食事をするのも大の苦手。
外食はおろか、慣れているはずの交流級で給食を食べることさえ
いまだに「うるさいので苦手です」と拒否しているくらいです。

炎天下で中学生と小さな弟妹たちがわいわい集まって
カレーライスを食べる、なんて、最も嬉しくないプログラム
だったようです。

それでも、参加料支払っちゃったし、ということで、
ぶつくさ言う息子を乗せてキャンプ場まで行ったのですが、
現地で迎えてくれた障担K先生の顔を見るなり
「今日は早退したいと思います」と言い切る息子。

それでも「はじめの会」ではちゃんと学校ごとに整列し
同じ学校の1年生Nくんをなんとなく気遣いながら一緒にいて
自己紹介の順番を決めるじゃんけんにもちゃんと参加し、
じゃんけんに勝ったためトップバッターで自己紹介することになっても
「F中2年1組と○○ルームの○○です。好きなキャラクターは
 どらえもんはどらみちゃんで、ちびまる子ちゃんはとし子ちゃんです」と
アドリブでちゃんと挨拶したあたりは

さすがに場数を踏んだというか、成長したんだなあ、と思ったのですが

その後はひたすら
「もう帰りたいなあ」
「だれに言ったら早退していいのかなあ」
「いつ早退しようかなあ」
「カレーを作ったら早退していいかなあ」
とひたすら「早退モード」。

仕方がないのでカレー作りではジャガイモと人参を洗ってもらって
たまねぎの皮むきをしたところで放免し、
カレーを食べて後片付けが済んだところで帰ることにしました。

車に乗る前に、と思って私がトイレに行っている間に、
班の担当の先生のところへ自分で行って
「疲れたので早退します。ありがとうございました」と
あいさつまでしてきて、準備万端(笑)。

車に乗り込むともうご機嫌で
「おかあさん、ぼくは交流キャンプも早退しちゃったねえ。
 でもちゃんとご挨拶できたよ」

・・・高温多湿のところと立ちっぱなしは体に悪いと言われている
私は、なんのために行ったんだ~。
来年は、プログラムをもうちょっと考えてもらうか
参加自体を考えないとなあ。

でも、先生たちは本当に汗だくでかけずりまわってくれていて
お気の毒でした。
もっとみんなが楽で楽しめるやり方はないのか、考えて
提案してみましょうか。

昼夜逆転?

2008年08月01日 | adorably autistic
暑さでぼーっとしている間に7月が終わってしまいました。

この夏休み、息子はまた大量の宿題をもらってきました。
先生から一方的に渡されたものではなく、息子と先生で話し合って
内容を決めたのだそうですが

一日に音読プリント1枚、漢字プリント1枚、エレベーター計算1枚、
百ます計算1枚、県名パズル全国分1回、それに日記。
そんなに沢山できるのか、と心配だったのですが、本人は「できるよ!」と
自信満々。

やったら○をつけていくタイプの記録表も作ってもらい、
全てを自己管理してやっています。
今年は私からお願いして、「(日記以外の)宿題を終えてからPCの
電源を入れる」という欄も作ってもらいました。
これまでの夏休みは、朝、目が覚めると同時にPCの電源を入れ、
夜眠る寸前までPCの前に座りっぱなし、ということが多かったので・・・。

効果はてきめん、息子は先生と約束したルールをきちんと守り、
夕方までPCの電源が入っていないということもあります。

さて、こうした長期の休みには、1日のリズムがいとも簡単に
狂ってしまいがちなのが自閉っ子たち。
息子も昔からすぐ昼夜逆転しがちだったのですが

暑さに弱いうえに、プールへ頻繁に通っていることもあって
午後には昼寝していることも多く、
夜の寝苦しさも手伝って夜中に起きていることも多いようです。

昨夜も、暑さで目が覚めたら、息子が起きていてごそごそ何か
やっています。危ないことはしない子なのでしばらく放っていましたが
トイレに行くときに何をしているのかと覗いたら、
翌日の分の宿題をしていました。

そして今朝、私の顔を見て、ニッコリ笑って言いました。
「おかあさん、ぼく、深夜に宿題やっちゃったから
 朝からPCつけていいよね?」


・・・はい。

ご機嫌です。

2008年03月30日 | adorably autistic
3学期も終わり、息子と私は穏やかな春休みを迎えています。

最近は学校が休みになると家から出たがらない息子。
せっかく春めいてきたので
「今日は暖かいからお散歩でも行かない?」
と誘ってみても
「いかないほうがいいと思います」
と断られる始末。

ショッピングセンターの類もほとんど却下。
本人の言によれば、「こんざつはきらい」なのだそうです。

とは言っても、本人は全く退屈する様子もなく、
TVやビデオを見たり、PCでWEBサイトを見たり、
幼児向けのオンラインゲームをやったり、
絵本を読んだりCDを聴いたり、ミニカーを走らせたりして
1日中ご機嫌に遊んでいます。

おかしいのは、自分で折々に
「おかあさん、ぼく、ごきげんだよ~」と報告にくること。

実は、3学期の日記に「・・・してぼくはごきげんでした」
(「プーさんとはちみつ」の絵本のまねです)と書いたところ、
K先生が赤線を引いて
「気持ちがよくわかります。素晴らしい日記ですね」
とコメントを書いてくれたので、

息子は「ごきげんです=先生がほめてくれる良い言葉」と解釈したようで、
それ以来、今までなら「○▲□★×~!!」と叫びながら
飛び跳ねていた場面で「ごきげんで~す!!」と叫ぶように
なったのでした。
いえ、間違ってはいないんですけれどね、決して。

今日もバランスボールに乗って部屋中跳び回りながら、
「おかあさん、ぼく、ごきげんだよ~!!」と叫ぶ息子。

・・・ええ、ええ、それは見ていればわかりますとも。

体調不良と思わぬ言葉

2008年03月04日 | adorably autistic
それは昨日の早朝のこと。
4時ごろ、息子が起きてトイレにいった気配で目が覚めました。
ところが、いつまで経っても布団に帰ってきません。
どうしたのかと思って見に行くと、彼は廊下で洗面器を抱えて
座り込んでいました。

「どうしたの?気持ち悪いの?」
「だいじょうぶ」
「ここだと寒いよ。リビングのストーブつけてあげるから
 あっちへ行こう」

息子は青い顔をして従います。
ストーブをつけ、タオルを用意して息子のところへ戻り、
背中をさすっていました。
すると、息子が言ったのです。

「ぼく、だいじょうぶだから。お母さんはゆっくりねてて」

自分で洗面器を用意して抱えていただけでも「すごい」と思ったのに
これにはもうびっくり。

「しんどいのにそんなこと気にしなくていいよ。
 ちゃんと一緒にいるからね」
「ううん、だいじょうぶ。ねてて」

そういって、布団の方向へ私を軽く押すようにします。
仕方なく私は布団に入り、息子の背中を見守っていました。
ただ具合の悪いときに構われることがうっとおしかった
だけかもしれません。
でも、私には、息子がこんな時にも私の体を気遣ってくれたと
思えて、とても嬉しかったのでした。

そのうち、息子は何度か吐きました。
また起きていって、背中をさすりながら
「洗面器、一度洗ってこようか?」と訊くと
「まだ、もうすこし、いる」と答えました。

気分が悪くなったときにどうするべきか、を切実に教える機会は
息子の気分が悪くなったときしかありません。
これまで何度もこういう経験をつんだからこそ、
自力で判断や行動ができるようになったんだなあ、と
私は変な感動をしていました。

8時まで待ってK先生に電話をかけ、事情を話して
今日は欠席する旨を伝えます。
「原因はテストですかね?」

実はこの日から3日間、期末テストの予定でした。
息子は2学期も家庭科や美術、保体、音楽と実技教科のみ
期末テストを受けたのですが、問題の文章も十分理解できなくて
半パニックになり、もちろん回答もほとんどできず
とても自信をなくして落ち込んでいたのでした。

でも、今学期も本人が「受ける」というのでテストの
予定にしてあったのですが、本人の頑張りたい気持ちとは裏腹に
体のほうが「これ以上頑張れない」と音をあげたのかも。

もちろんこの季節なので、単なるお腹の風邪、という可能性も
あるのですが、ストレスが行動の荒れではなく消化器症状という形で
でやすい子であるだけに、テストのプレッシャーが原因に
なった可能性も高いのです。

K先生が、私が言い出すより先にそのことに気が付き、
心配してくれたことに、私はとても安堵しました。

息子の嘔吐は午前中いっぱい続きましたが、昼食も食べずに
眠ったあとは、だんだん元気になって、笑顔も見られるように
なりました。
そこへK先生から明日の予定の連絡。
見事に、テストの予定がすべて個別学習に書き換えられています。
夕食には軟飯を少しとりんごを少し食べた息子。
「明日はげんきに学校へいきます」とK先生が知らせてくれた予定を
自分のスケジュール帳に書き写していました。

今日は朝からいつもどおりの笑顔で登校していった息子。
私はといえば、昨日の「お母さんはゆっくりねてて」を反芻して
幸せに浸っていたのでした。