朝、看護師さんが蒸しタオルを持ってきてくれた気配で
目が覚めました。
「どう、眠れた?」
「はい、なんかあのあとすぐ眠っちゃったみたいです」
「そう、良かった。氷枕取り替えておこうね。また何か
変わったことがあったら呼んで」
朝の検温では熱も37.6度にまで下がっていました。
でも、朝食が来たので起き上がろうとすると、めまいが。
仕方がないので、ベッドの頭を少し起こして、コッペパンと
牛乳だけを握って寝たまま少しずつもぐもぐ食べました。
9時30分、点滴のため、看護師Nさんがやってきました。
これまで点滴をうっていた右手は血管がへたって
入りにくくなってきた、ということで、今度は左手に
カテーテルを打ち変えます。
「こないだの看護師さん、血管が見つけられなくて苦戦したあげく
ここに打ちはったんですよ。すごい痛かったんですけど」
「あ、やっぱり?なんかすごいところに刺してるな~とは思っててんけど」
と笑う看護師さん。
「でしょ~。採血なんか、右手首の関節からとったんですよ。
考えられへん。あんなとこ、初めて針刺されたわ」
「私ね、今月からここの病棟に来たけど、これまでは整形と外科やったから。
こういうのはわりと得意よ」
「やった、頼もしい~」
と会話をしながら、左腕にカテーテルを刺し・・・たのですが。
「あ、あれ?」
静脈に刺すので、うまく刺されば血液が出てくるはずなのに、出てこない。
「あれ~?確かに今、手ごたえあってんけどなあ?」
明らかに動揺の色が見られる看護師さん。
失敗された私より焦っているのがわかります。
思わず顔を見合わせて、
「まあ、こういうこともありますよね」
「ごめん。なんかむっちゃ自信なくなった」
と力なく「ははははは・・・」と笑い合い、
「痛い思いさせてごめん、もういっぺん、刺しなおすね。今度は確実に」
・・・そう言って、ひきつった笑顔でNさんが新しい点滴の針を刺したのは
左手首の関節なのでした。
目が覚めました。
「どう、眠れた?」
「はい、なんかあのあとすぐ眠っちゃったみたいです」
「そう、良かった。氷枕取り替えておこうね。また何か
変わったことがあったら呼んで」
朝の検温では熱も37.6度にまで下がっていました。
でも、朝食が来たので起き上がろうとすると、めまいが。
仕方がないので、ベッドの頭を少し起こして、コッペパンと
牛乳だけを握って寝たまま少しずつもぐもぐ食べました。
9時30分、点滴のため、看護師Nさんがやってきました。
これまで点滴をうっていた右手は血管がへたって
入りにくくなってきた、ということで、今度は左手に
カテーテルを打ち変えます。
「こないだの看護師さん、血管が見つけられなくて苦戦したあげく
ここに打ちはったんですよ。すごい痛かったんですけど」
「あ、やっぱり?なんかすごいところに刺してるな~とは思っててんけど」
と笑う看護師さん。
「でしょ~。採血なんか、右手首の関節からとったんですよ。
考えられへん。あんなとこ、初めて針刺されたわ」
「私ね、今月からここの病棟に来たけど、これまでは整形と外科やったから。
こういうのはわりと得意よ」
「やった、頼もしい~」
と会話をしながら、左腕にカテーテルを刺し・・・たのですが。
「あ、あれ?」
静脈に刺すので、うまく刺されば血液が出てくるはずなのに、出てこない。
「あれ~?確かに今、手ごたえあってんけどなあ?」
明らかに動揺の色が見られる看護師さん。
失敗された私より焦っているのがわかります。
思わず顔を見合わせて、
「まあ、こういうこともありますよね」
「ごめん。なんかむっちゃ自信なくなった」
と力なく「ははははは・・・」と笑い合い、
「痛い思いさせてごめん、もういっぺん、刺しなおすね。今度は確実に」
・・・そう言って、ひきつった笑顔でNさんが新しい点滴の針を刺したのは
左手首の関節なのでした。