雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

wii fit plus

2010年01月30日 | ちいさな幸せ
診察に行くたびに主治医に太りすぎと運動不足を指摘される私。
もともと極端な運動オンチでスポーツ大嫌いだったところへ
CIDPで入院中は「動きすぎると神経に負担がかかって回復しない」と
必要最低限しか動かないようにPTの先生から指示され、

退院後も手足が思うように動かないうえに極端に疲れやすく
また感染予防のために外出をできるだけ控えたこともあって
一日中家で寝たり起きたり、という生活習慣が
すっかり身に付いてしまいました。

薬がうまく効いて神経の炎症を最小限に抑えることができ
左足の軽い麻痺と若干疲れやすさが残るほかは
ほぼ普通の人と同じ生活を送れるようになってからも
生活習慣だけはなかなか変えられず。

自己免疫という爆弾を抱えているので決して
無理をしてはいけないけれども、本来損傷しているのは
神経だけで、筋肉のほうは異常がないので
ある程度運動してやらないとどんどん筋肉と体力が
衰えていく一方。

「ちょっと運動しなさいよ」とドクターに言われても
なかなか腰の上がらなかった私なのですが、
昨年のクリスマス、ついに自分へのプレゼントと称して
今更ながらwii fit plusを買いました。

結構いいお値段なのに、3日坊主になったらもったいないなあ、と
思っていたのですが、実際やってみると
これが結構おもしろい。
外が寒くても 雨が降っていても、うかうかしている間に
日が暮れてしまっても、息子が家にいても

「だから外へ出るのは無理」
「運動するのは無理」
と言い訳できないところがいいのか
買ってから毎日最低30分、200Kcal消費を目標して
今のところまだ続いております。

ヨガで体をほぐしてから踏み台リズム、燃焼フープ、
リズムボクシング、それにTVを見ながら「ながら踏み台」を
足せばだいたいこれがクリアできる仕組み。
体重はまだ横ばいですが、体を動かすことが苦にならず
毎日「今日は○○に変えてみようかなあ」なんて
楽しく選べるようになってきただけでも
ずぼらな私にとっては大きな変化です。

毎日こなせばカレンダーにスタンプが押せたり、
スタンプがいくつかたまるとできることが増えたり、
「いい姿勢です」「がんばっていますね」と
こまめに褒めてくれたり、
あれ?これって息子のモチベーションをいかに
高め、維持するか、というやり方に似てるじゃない、と
思ったりして。

自閉っ子に限らず、やはり物事に取り組むには
「モチベーションを持ち続ける」ことと
「小さな達成感を積み上げる」ことが
大事なのかもしれませんね。

ちなみに、TVゲームの類には全く興味を持たない息子も
「サイクリングゲーム」には結構はまったようです。
走って旗を取っていく、というわかりやすさがいいのかも。
島の地図はすっかり頭に入っているらしく、私が挑戦していると
「そこじゃなくって、左にいかなくちゃ」と
横からアドバイスが入ったりします。

「頑張ります」と言うけれど

2010年01月15日 | 「発達障碍」を見つめる眼
今年は新型インフルエンザで休校や学級・学年閉鎖が相次いだ余波で
3学期が通常より2日も早く始まりました。

学期始めはいつものことながら「3学期も頑張ります!」と
大張り切りの息子。
初日から障担K先生や交流担H先生にも自分から
「あけましておめでとうございます」と挨拶に行き、
「ぼくはちゃんとごあいさつできた!卒業まで頑張る!」と
元気一杯に宣言。

…でも学校が始まって一週間、だんだん元気がなくなってきました。
表情も硬いし、なんだか私へのべったり度が上昇し、
どこか不安そうな様子で、こだわりも若干きつめ。
アトピーもみるみる悪化して、肘の内側や首筋に血がにじむように
なってきました。

学校では3年生は既に「高校受験」一色の生活。願書用の写真撮影から
願書の書き方指導、面接練習、出願のガイダンスまで
それはそれは懇切丁寧なサポートぶりですが、
受験を控えたクラスメートも、それを応援する先生も
どうしてもピリピリした空気が漂っているようです。

さらに障級の方でも、あと丸2ヶ月ほどしかない間に、これまで
やってきたことをさらにレベルアップしたり、
確実に身につけさせたりしておきたい、とK先生の方も
かなり力が入っている様子。

先生方の「這えば立て、立てば歩めの親心」はとっても
ありがたくはあるのですが、
それをされると期待に応えなければ、と実力以上に
頑張ってしまうのがうちの息子。言葉をしゃべらなければ、
それでもイライラと余裕のない様子や
普段と違う表情などから、ストレスを溜めていることが
わかるでしょうが

なまじ言葉がしゃべれて、「大丈夫です」「頑張れます」
「ぼくも頑張りたいです」と言ってしまうところがクセモノ。
「頑張れる?」「やってみる?」と言われて「頑張れません」
「やりたくありません」と言えないのが彼の弱点であるわけで…。

でも、フルマラソンで最初から飛ばしすぎるのと同様、
最初は快調に見えても、息子の場合いずれポッキリ
折れてしまうのが常。そしてやっかいなことに、一度折れると
そこから「無理をする前」のペースに戻すのにすら、
ものすごい時間と労力を要するのです。

そのことを如実に思い知ったのが、小6の3学期から
中1の1学期にかけての時期。
どんなに世話になっている先生であっても
どんなに善意から出たものであっても、
我が子に有害だと判断したものは
たとえモンスターペアレンツと呼ばれても
恩知らずとそしられても、体を張って
とめなければならなかったと今でも後悔している私は

今度はためらわず先生にブレーキをかけました。
「学校が好き、K先生が好き、クラスのみんなが好き、
 彼がその気持ちを持ったまま卒業の日を迎えることが
 中学時代の何よりの財産」
そんな私の言葉に耳を傾けてくれたK先生が
「今のままのキミでええよ」という思いを息子に伝えて
くれた途端、息子は重い荷物を降ろしたかのように

あっという間にもとの息子に戻りました。(わかりやすい!)
なんとアトピーも2日間でほとんど治まりました。
そんな息子を目の当たりにした先生は
「この状態を保ってあげ、卒業式に向けての充電を
 してもらいたいと思います」
と言ってくれました。

K先生は親の言葉に耳を傾けられる柔軟さと
「僕が焦っていました。すみません」と
自分の姿勢を見直す客観性と謙虚さを持っていてくれて
助かったけれど

一般には「熱心」な親や先生であればあるほど
「いやだ」と言わない子の
「頑張ります」「頑張れます」と言う子の
本当の怖さに気づくのは難しいのかもしれません。

「頑張ります」という言葉の表面に惑わされて
「支援者のための支援」「指導者のための指導」に
なってはならないということを
しゃべれる、しゃべれないにかかわらず、自分の感じ方と
「ことば」をうまくリンクできない自閉っ子たちの
「本当の思い」を探ろうとする努力を怠ってはならないと
いうことを

自閉っ子を取り巻く私達は常に忘れずにおきたいと思います。

あけましておめでとうございます。

2010年01月01日 | ちいさな幸せ
ブログ更新をさぼっているうちに、年が明けてしまいました。

2学期最後の行事である文化祭を無事終えたあと、2学期の終わりまでは
とりたてて何事もなく、ただ穏やかに日々が過ぎていきました。
終業式の日、息子が「2学期を頑張ったご褒美」に連れていって欲しい、と
せがんだのは、なんとサイゼリヤ。
「突然!黄金伝説」という番組でオードリーがサイゼリヤの全メニュー制覇、と
いうのをやっていたのを見て、自分も行ってみたいなあ、と
思ったようです。

事前にネットでメニューも調べ、自分が食べたいものを決め、
準備万端です。

ところが、店に着くと、丁度小学校も高校も冬休みに入るというので、
店内は親子連れと高校生グループだらけ。
ものすごい騒々しさです。店に入った途端、「うっ」という顔をして
慌てて耳をふさいだ息子に、

「どうする?ここのお店はものすごくうるさいね。あっちに
もっと静かなお店もいくつかあるから、そっちにしてもいいよ」
と言うと
「大丈夫。ここで食べる」

席に通されて、予定通りのメニューを注文し、ドリンクバー初体験の
息子を連れてドリンクバーへ。
「ドリンクバーっていうのは、お代わりしてもいいし、
 また別の飲み物を飲んでもいいんだよ」
と説明すると「へえ」と聞いていましたが、
ここでも大はしゃぎの小学生や高校生が満杯なので
耳から手を離せない息子の代わりに私がドリンクを運び…

片手で耳をふさぎながら食べる息子のために
ハンバーグを1口大に切ってやり、
傍目には「ものすごい過保護の母親」に
映ったことだろうと思います。

女子高生の甲高い笑い声や小学生や幼児がテーブルの横を
何度も行き来する環境は
普段親子2人の静かな生活に慣れきっている私にも
どっと疲れるようなけたたましさでしたが

息子はハンバーグランチをペロッと平らげ、ドリンクバーの
ウーロン茶も自分でお代わりを取りに行き、
最後までご機嫌な様子でした。

食事を終えて外に出て
「ああ、うるさかったねえ。耳痛くなかった?」と訊くと
「うるさかったけど、大丈夫だった。楽しかった」
と答えました。
自分で行きたいと思った店で自分の食べたいと思ったものを
食べるためだから、自分で折り合いもつけられたのでしょう。

昨年は修学旅行でクラスの男子と一緒にお風呂に入ったり、
体育大会でクラスの中に入って大縄跳びを跳んだり、と
自分で決断して交流級と共に行動する機会が増えた息子。
周りからいつも優しくサポートしてもらう中で
一段と穏やかかつ頑張り屋になり、そしていつも柔らかな笑顔で
過ごすことができました。

今年はついにその中学を卒業し、新しい環境へと移りますが
息子のこの笑顔と柔らかな心をずっと守っていきたいと思います。

今年も私たち親子を暖かく見守っていただければ嬉しいです。
皆様にとっても佳き1年となりますように。