雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

明日から2学期。

2005年08月31日 | Wonder of Autism
長かった夏休みもいよいよ今日で終わり。

平均すると2日に1度のプール通いで真っ黒に日焼けした息子、
「おかあさん、きょうでなつやすみはおしまいだね。
きょう(今年)のなつやすみはほんとにおもしろかったよ。
たのしいことがいっぱいあったね」
と何度も繰り返しています。


1学期末に先生が一生懸命作ってくれたプリントの山はほとんど
白紙のままだし、
家族旅行をしたわけでもないけど、
誰に教わったわけでもないのに、自分で夏休みの総括をして
「たのしかったよ」と子どもが言ってくれる、
母としてはとても嬉しい事です。

「あしたは、しぎょうしき。あしたからは2がっきだね。
2がっきはうんどうかいと、おんがくかいと、まらそんたいかいと、
クリスマスかいがあるね。
ちびくまくんは、ぜんぶがんばりたいとおもいます」

と胸を張って意気揚揚と宣言した息子。

彼にとって、学校は楽しいところ。
頑張ろうと思えるところ。
それはとりもなおさず、彼がありのままに受け入れられ、
大切にされていることを実感できる場だからこそでしょう。

これ以上他に、学校に望むことはないような気がします。

学会2日目。

2005年08月28日 | 「発達障碍」を見つめる眼
さて、2日目は昨日と違って少し涼しく爽やかな朝。

私たちはそれぞれ興味のある口頭発表を見に行くことに。

私は京都の先生お2方が発表されるPECSの実践報告と、
佐賀のH先生ご夫妻の施設の構造化の試みについての研究発表を
聴きに行く事に決めていました。

少し出遅れて部屋に入ると、もうほとんど席が埋まっています。
教室の最後部で立ち見でいいや、と入っていくと、
以前から憧れていたH先生を発見。
うわ~、本物のH先生だわ~、TVで見たそのままの雰囲気だわ~と
1人密かに興奮(笑)
おまけに、そのH先生と空席1つ隔てて座ってらっしゃるのは
私たちの応援団長(?)T教授。

ほほほほ、すごい取り合わせだわ~、と1人無言で盛り上がっていると
1つめの研究発表が終わって、座長の大学教授が
「立ち見が出ているので、皆さん席を詰めて差し上げてください」と一言。
そこで振り向いたT先生は私に気がついて
ここへおいで、とH先生との間の空席を示して手招きを
してくださいます。そ、そんな、おそれおおい・・・。

でも。
チャンスの神様には前髪しかない。

私はそこに座らせていただき、H先生にお声をかけました。
H先生とは何度かネット上ではやりとりをさせていただいたことが
あるんですが、私が名乗るとすぐわかってくださって(感動)
「お会いできて嬉しいわ」と本当に嬉しそうにおっしゃって
くださったんです。(きゃ~)

先生はもう1つ別の大会でもスピーカーをされるとのことで
その後昼休みを待たずに出発されたんですが
もうその柔らかであったかい感じがTVで何度も見ていたとおりで

くうううう~、しあわせ

最先端の研究や実践の報告をたくさん聞くことが出来、
また、日本にはこんなに自閉症児・者の支援にかかわっている、あるいは
かかわりたいと思っている人がいるんだということを実感し、
無名の私たちにも、こちらが最初から逃げたりすねたりしなければ
真摯に話を聴こうとしてくださる心有る先生方はたくさんいるんだと
いうことを知ることができ、

たくさん勉強して、たくさんしゃべって、素敵な方に沢山出会えた、
いいこと一杯の学会でした。
このエネルギーでこれから1年、また頑張れそうです。
もう来年の大会が楽しみになっているかも(^^ゞ

学会は続く。

2005年08月27日 | 「発達障碍」を見つめる眼
さて、自分たちの発表を無事終え、プラスのフィードバックに
気を良くして、すっかりボルテージの上がった私たち。

夜の懇親会にももぐりこみました。「ただの保護者」なんて
私たちだけじゃないのか、と思うくらい、周りは
TVで見たことや書店に並んでいる本の著者として
お名前を見たことのあるような大物の先生がごろごろ。

芸能人集団のなかに紛れ込んだミーハー娘のように
すっかり舞い上がった私なのでした。

驚きでもあり嬉しくもあったのは、そんな中でもなお
私たちに「シンポを聴きました」と声をかけてくださったり
私たちの歯に衣着せぬ意見に真剣かつ真摯に耳を傾け
向き合ってくださったりする先生が何人もいらしたことです。

その後場所を移して、さらにヒートアップする私たち。
自閉症についての話題で思う存分盛り上がった後
ホテルへ帰還。
とっても幸せな思いに浸りながら眠りについたのでした。



プレゼン本番。

2005年08月27日 | 「発達障碍」を見つめる眼
さて、一夜明けて、いよいよ本番。
プログラムを見ると、同じ時間枠で、すっごい肩書きの
人たちが並行して自主シンポを開いています。
はてさて、お客さんが入るのか。

「まあ、10人聞いてくれたらいいんじゃないの」
気負うことなんてない、私たちは私たちのありのままで、
私たちがこれまで積み上げてきたものを聴いてもらおう、
そんな風に言い合って、本番開始。

最後列には私たちの応援団である2人の大先生方の姿もあり、
私たちに無言のエールを送ってくれます。

4人が4人、それぞれの個性を生かしたプレゼンをし、
そこにもう1人の仲間の補足意見を加えて、
タイムアップ。

多少の出入りはありましたが、だいたい40~50人くらいの方が
私たちの話を聴いてくださったようです。

さて、終わってから、「聴いて元気が出ました」
「このエネルギーをもらって、また現場で頑張ります」
「迷ったけど、このシンポを聴いてよかったです」と
何より嬉しいフィードバックを幾つかいただきました。

専門家のための場に、単なる保護者の肩書きで
踊りこむことには勇気が要ったけど、
頑張ってよかったよね、と私たちもすっかり元気になったのでした。

聴きに来てくださった皆様、
応援してくださった先生方、
本当にありがとうございました。貴重な経験でした。

上京。

2005年08月26日 | 「発達障碍」を見つめる眼
午後から、ちびくまを夫に託して、1人旅に出ました。
行き先は東京調布。片道5時間半の長旅です。
新幹線に乗るのは20数年ぶり、1人で大阪より東へ
行くのは生まれて初めての私。どきどきワクワクでした。

今回の状況の目的は、某学会への出席です。
それも、ただ偉い先生の話を聴きに行くのではなくて、
「ことばと発達の学習室」の常連仲間と
自主シンポジウムを開こう、という大胆な企画でした。

第1線で自閉症者を支援していたり、あるいはそれを
目指そうとしている人々(大部分が学校の先生や専門家)の
人たちが、無名の保護者の話なんか聞いてくれるのか。

そんな不安は確かにありました。でも1度火がつくと、
相互作用でどんどん盛り上がる私たち。
何度も意見交換や推敲を繰り返して、それぞれの
個性がくっきりと出たプレゼン案ができあがりました。

私も最後の1週間はブログも何もほったらかして、何度も
原稿を書き直し、やっと最終稿ができあがったのが、
木曜日の深夜。

とにかく仲間の足を引っ張らないように、後悔のないように、と
新幹線の中でもずっと練習しながら行きました。
(かなりアヤシイおばちゃんだったかも)

無事現地についてホテルで到着済みの仲間2人と合流。
「ことばと・・・」の仲間達とはかれこれ6年あまりのつきあいですが、
実は同県人の1人を除いてはこれが初対面。
ネットでは良い人だと思っていたのに、オフで会ってみたら・・・って
事だってありますしね。

でも、心配無用でした。会って5分も経ったら
すっかりネットの感覚に戻って、盛り上がる盛り上がる。
本番の打ち合わせをするはずだったのが、
自閉の子どもを取り巻く社会や教育の現状について
つぎることない意見交換が続いたのでした。



ハードワーク

2005年08月18日 | 「発達障碍」を見つめる眼
今朝はちびくまはガイヘルさんと一緒に市民プール。
朝からかんかん照りの晴天で、いかにもプール日和でした。

私はプールの入口で息子をヘルパーさんに託してから出勤し、
午前中で仕事をあがらせてもらって、1時に息子を迎えに行きました。

今日の担当は、このNPO法人の代表を務める青年、Kさん。
ちびくまはこのお兄さんがとりわけ大好きです。
「暑くって、大変だったでしょう」と労うと、「いえいえ」と笑顔。

このKさん、歌舞伎役者さんみたいな品のよさのある、わりと線の細い
色白の青年、という印象だったのですが、この夏休みで
すっかり小麦色に焼けてしまいました。

「Kさんもすっかりいい色になられましたね」と言うと、
「ええ、もう毎日、どこかのプールに出没してますから」

そうだろうなあ。うちもだけど、プール好きなお仲間は多いから。

「実を言いますとね、このあと、ここで1時半から
 もう1人別のお子さんの支援をして、そのあと
 5時半から***プールでさらに1人支援が入ってるんです」
とニッコリ。

・・・ということは・・・1日に障碍児の相手をしながら
プールばかり8時間半ってこと?
ひえ~~

今年の夏は、支援費のおかげで大分余裕のある暮らしを送ることが
できている我が家ですが、その暮らしは、こういう人たちの
頑張りに支えられているんですね~。

感謝しなくっちゃ。

お仲間。

2005年08月16日 | adorably autistic
日本全国お盆休みなんですが。
地元出身者の我が家は帰省するでもなし、
人込みがダメなので行楽地へも出かけない、
終日家でゴロゴロの世界です。

例年、近間のプールへは行ったりもするんですが、
今年は生憎の天候で、ちょっとそれも無理。


そういう時のちびくまはここぞとばかり
「おかあさん、ちょっとだっこして~」と
擦り寄ってくるので、2人して布団に寝っころがって、
お互いの顔を見ながら「うふうふうふ」と笑い合う、という
恐ろしくアヤシイ親子関係を展開したりもするのですが

さすがにそれだけで盆休みが終わるのはあんまりだと思って
市役所に提出書類を持っていくついでに、トイ*ラスに
行ってみようよ、と誘ってみました。

ちびくまは2つ返事で「いく~~
でも、父親がいそいそと着替えはじめたのを見ると
「ちびくまくんは、おかあさんとふたりでいきたいから」と
言い切って、彼のへそを曲げさせてしまったのでした。


さて、市役所で用事をすませてから、約束どおりトイ*ラスへ。
ちびくまが1番すきなのは、押したら動物が飛び出るとか、
手で押して遊ぶ車とか、主に1歳前後の子ども用の
「ベビートーイ」と呼ばれるもの。

あとは自動車や電車に関するもの、アルファベットのついたもの。

ビデオの実演コーナーには、今日はトー*スがかかっていました。
ちびくまが持っている、英語のビデオの日本語吹き替え版だったので
「対訳」に凝っているちびくまは、大喜び。

手をぱたぱた振ったり、飛び跳ねたり、自閉っぽさ満開で
その場をうろうろします。
(これを私は「ヨロコビの踊り」と呼んでいます)


すると、そこへもう1人、ちょっとパターンが違うヨロコビの踊りを
踊っている男の子が。
年の頃もちびくまと同じ頃、気に入った場面になると
顔を画面にピターッとくっつけたりして、
ああ、もう、その動きが、まぎれもなく自閉度満開

そのうち、プ*レールの本を持ってきて、
「おかあさん、これはこ*ち。こっちは***系」と
一心不乱に電車の名前を読み上げ始めちゃって。
いや~ん、お約束どおりじゃない

2人して画面の前でめいめいのヨロコビの踊りを舞っている様は
なんともアヤシクも可愛くて、
それをニコニコ見守っているお母さんに、声をかけたいな~と
思ったのですが、

万が一にも相手が子どもを自閉だと思っていなかったら困るしな~。
自閉の言葉を使わずになんて声をかけたらいいかしら。
・・・などと思っているあいだにどこかへ行ってしまいました。

学校でもよくあるんですよ。
「うちは自閉です」と言い切っているお母さんだと
安心して自閉ネタで盛り上がれるんだけど、
そうではない相手には言葉を選ばないといけないので
とっても気を使うんですよね。

「うちの子は自閉で~す」と胸張っている同士、見分けのつくような
目印があったらいいのになあ。


田園の中で

2005年08月12日 | adorably autistic
今日は息子のリクエストで、某こどもミュージアムに行ってきました。
自宅からは車で約1時間、田舎道を走ったところにあります。

廃校になった中学校を改造して、子どもも大人も1日ゆったり
遊べる施設になっています。

絵本や手作りの玩具を自由に手に取って遊べたり
昭和の懐かしい給食や玩具の展示があったり
大人にもノスタルジーを感じさせてくれるところですが

今日息子が1番熱中したのは、ポンプでの水汲みでした。



子どもの居場所づくり(2)

2005年08月10日 | 「発達障碍」を見つめる眼
今日は、ちびくまはガイヘルさんと一緒にM小へ
遊びに行ってきました。
障級の教室を、夏休みの間3回だけですが、
障級在籍の子ども達に開放してもらっているのです。

実は、この開放、去年私が言い出しっぺになって、
学校の協力を得て実現させたものです。

ちびくまも今ではかなり行動が落ち着いてきて、
私1人で連れて外出するのにほぼ問題はなくなりました。
でも、夏休みに困るのが、その行き先。
プールばかりではちょっと、と思っても、息子を連れて
いけるところ、って結構限られているのです。
人込み、うるさいところは嫌いで楽しめない。
体温調節がうまくないので、炎天下長く歩くようなのはダメ。

でも、これって、きっとうちだけのことじゃないよなあ、
ちびくまよりもっと多動な子もいるし、もっと
夏の外出が難しい子もいるし・・・と考えていて、ふと思いついたのが
「学校の教室」だったのです。

静かで、安全で、クーラーがあって、子どもも行き慣れていて、
他の人の目を気にする必要がなくて、本や玩具もあって。
親が連れて行くにも、ガイヘルさんとの夏の身近なお出かけ先としても
ちょうどいいんじゃないのかしら。

障級の保護者会で提案するとみんな結構乗気です。
それで、世話役は私がすることにして、取り組んでみたのです。
学校の施設を使わせてもらう、って、単純なことのように見えて
実はいろいろクリアしないといけない問題があったのですが、
校長先生と障担の先生たちの全面的な理解と協力のおかげで
なんとか実現にこぎつけました。

今年は別のお母さんが世話役を引き継いでくれたので、
息子はガイヘルさんと参加させてもらいました。
往復は大好きな路線バス、行き先は慣れた学校、ということで
教室でもリラックスして楽しんでこれたようです。

何でも種まいてみるものですね。
こんな感じで、障碍のある子の居場所、少しずつ増えていくと
いいな、と思うのです。

子どもの居場所づくり

2005年08月09日 | 「発達障碍」を見つめる眼
今日、息子は社協のお預かりプログラムに参加してきました。

自閉に限らず、障碍のある子の親にとって、
学校の長期休暇はとっても頭の痛いものですよね。
うちの学校のお母さんたちの間でも、
「夏休み、頑張って切り抜けようね」が合言葉です。
「あと○日~」とカレンダーに×をつけながら
2学期の始まるのをじっと待つ、というのが本音。

障碍のある子の、放課後や長期休暇中の過ごし方、居場所作りに
ついては、以前から様々な団体が当局に要望していますが、
なかなか実現の方向へ向かいません。

そんな中、去年の夏休み、地域の社会福祉協議会が
長期期間中の子どものお預かりプログラムを
始めてくれたのは、わずかな時間・回数ではあったのだけど、
やっと私たちのニーズを受け止めてもらえた、という思いで
心底嬉しい出来事でした。

そのプログラムも冬休み、春休み、と回を重ねて、
今年の夏休みは計5回。
場所は市の福祉センターの大広間。子育て支援NPOと
障碍児支援NPOのスタッフ、それに若干名のボラさんが
ほぼマンツーマンの形で、3時間子どもの遊び相手をしてくれます。

ちびくまは、初回から何度も参加しているのですっかり
要領も飲み込んでおり、今年も大喜びで参加しました。
今日はちびくまの大好きな障級のクラスメートも来ていて、
おまけに彼の担当が、ちびくまも時々ガイヘルでお世話に
なっている青年だったので、一緒に遊んでもらって
とても楽しかったようです。


でも、帰ってきてから、「きょうはきにいらなかった」とポツリ。
よーく聞いてみると、自分の担当だった、ボランティア(?)の
おじさんがあまり好きではなかったようです。

男の人の好きなちびくまには珍しい事ですが、この男性、
甲高い声で、畳み掛けるようにくどくどと声かけしていて、
(例えば、「○○くん、○○くん、××したの、え?
××せんといかんよ!え?1人でできるか?」という具合)
私も、「わ、自閉っ子に嫌われそうなタイプ」と思っていたのですが
やはり、ダメだったんですね~(笑)

ちびくまは「ボラさんに気を遣うタイプ」だから、そんなことで
暴れたりはしませんけど、好きな人が近くにいたので、
ちゃっかりそちらに逃げていたようです。


例えば車椅子の扱い方を全く知らない人に、そのまま車椅子の子の
お世話をさせたり、ってしないと思うんですけど、同じように
「自閉っ子とのお付き合いの最低限の作法」くらいは、
こういう活動に出る人には勉強しておいてもらいたいものです。

実は以前、別の団体の「本人活動」に息子を連れて行ったことが
あるのですが、この時はボラさんの対応がよくなくて、すっかり
パニックになってしまい(ボラさんも主宰側のスタッフもそのことにすら
気が付かなかったようですが)その後息子はこの団体の活動とわかると
「もういきません」ときっぱり断るようになってしまいました。

相手がプロであろうが、アマであろうが、嫌な思いをしたという記憶を
自閉っ子の記憶から消す事は大変に難しい事です。
今まだ、そういうプログラムやボラさんの数自体が限られていて、
なかなかその「質」についてまで、「利用する側」が注文を
つけにくい状況なのですが、
せっかく「障碍のある子の居場所づくり」を考えてくださる方には、
ぜひその辺も頭に入れておいて欲しいな~と思うのです。