陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

一色正春 『何かのために sengoku38の告白』 を読む

2011-03-02 05:17:25 | 国防関連
 4ヶ月前、尖閣諸島沖でシナ漁船が巡視船に衝突する生々しい映像を動画公開した一色正春元海上保安官、彼が受けた事情聴取状況を含めて詳しい手記を一冊にまとめて公表した。動画公開した趣旨も改めて述べられているが、それは彼が事情聴取を受けていた時に報道された内容と全く矛盾しないものだ。

◎本書の目次 (全214頁)

はじめに

これ、わしがやったんや
中途採用で海上保安官になった
そもそも尖閣諸島とは
事件の始まりの事件
中国人船長逮捕
東シナ海ガス田の濁った海面
私が尖閣ビデオを目にした日
世界に対して面子を失った日本
侵略を開始した中国
なぜビデオが国家機密なのか
私がやらねば
ビデオ公開前夜
11月4日、実行
ビデオ公開翌日
私が行った罪証隠滅行為
私がやりました
取り調べは続く
海上保安庁から脱出
考えるということ
ハンドルネームの意味は・・・
海上保安官人生が終わった
公開の意味
終結

おわりに

 一色氏は、動画公開により海上保安官の職を失ったが、そのお陰で尖閣事案の詳しい実態を国民は知ることが出来た。結果的に、謀略国家であるシナ・中共の尖閣諸島に対する危険な意図を予想するようになった。これは国防のために重要なことである。

 昨年10月中旬、自らの行為が海上保安庁やその職員に及ぼす影響を危惧し、また家族に迷惑を掛けることも予測して、一色氏は葛藤していた。だが、日本国家の誇りを維持するため、そして国民に考えて貰うことを願って彼は動画公開へ踏み切った。家族は彼を理解し、支えたことが淡々と語られている。

 最初メディアに働きかけたが、彼は裏切られた。その後もマスコミは騒ぐだけで、彼等が尖閣事案の本質を捉えていないことを嘆いている。マスコミ人の軽薄さは、何時の時代も変わることは無い。

 ハンドルネーム sengoku38 の由来については、検事から執拗に事情聴取されたようだが、この告白でも説明はされていない。菅―仙谷が権力の座から降りた時に詳しい説明がなされるのであろう。

 誠実で謙虚なお人柄の一色氏だが、優れた愛国者であると強く感じる。多くの日本人がこの本を購入されるよう期待して止まない。ただ、朝日新聞社がこの本の出版元であるのを些か不思議に感じる。


一色正春、何かのために sengoku38の告白(朝日新聞出版、2011年2月) 1000円


(参考)

 senngoku38 氏の逮捕は見送られた:行政処分の行方はどうなる?http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/35cf169798892bffc832461b7a935701
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