陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

その後の新型インフルエンザ対策

2010-07-01 00:47:01 | 新型インフルエンザ
 昨年の今頃は、新型インフルエンザ用の高性能マスクが品不足になるなど、不安が世間を覆っていた。実際に感染者数が激増し、死者が出始めたのは、昨年8月からと記憶するが、豚経由の新型インフルエンザ<メキシコ風邪>が弱毒性のH1N1ウィルスであることが分かって、厚生労働省も多少緊張感を緩めた。

 現在までの新型インフルエンザによる死者は、昨年12月に100人となったのをピークに今年に入って激減、結局は合計で200人の感染者が死亡。亡くなった方にはお気の毒であるが、この数で推移したのはワクチン接種も効果があったと思われる。

 ワクチン準備に関しては、国産品だけでは不足したので、輸入品を導入した。下記記事のように、発注時期が遅れたり過剰になったが、それはある程度止むを得ないだろう。国産品を増やす体制の構築が必要だ。

インフルワクチン214億円分を廃棄 輸入解約で273億円節約
2010.6.28 22:37
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100628/bdy1006282239003-n1.htm


 現段階までの新型インフルエンザに関する総括と反省がまとめられている。

新型インフル総括会議が提言 「おおむね目標達成」だが、反省点も指摘
2010.6.8 13:16

 新型インフルエンザ対策について検証していた国の総括会議は8日、「毒性などに応じた対策をあらかじめ複数用意すべき」などとする報告書をまとめた。報告書は厚生労働大臣に報告し、秋以降の再流行や今後の感染症対策に生かす。

 昨年の新型インフルでは、強毒性のウイルスを想定した行動計画しかなかったため、国はこの計画を弾力的に運用。自治体や医療機関が混乱する原因になっていた。

 報告書では諸外国に比べて致死率が低かったことなどから、「死亡率を少なくするという当初の目標はおおむね達成できた」と総括。その上で、(1)広報(2)水際対策(検疫の強化など)(3)休校措置(4)サーベイランス(病原体の監視)(5)医療体制(6)ワクチン-の各テーマごとに反省点や課題を指摘した。

 過剰だったとして批判の多かった水際対策については、「科学的根拠は明らかでない」と評価は行わず、「機動的に縮小が可能となる基準を策定すべき」とした。一方、感染拡大防止のために行った学校の休校措置については「効果はあったと考えられる」と評価した。

 そのほか、専任のスポークスマンの設置▽ワクチンの集団接種の検討▽都道府県ごとの医療体制の確立-なども提言された。

 同会議は今年3月に発足。計7回に渡り専門家やジャーナリストなど委員11人とテーマごとに選ばれた関係者計約40人が議論を行ってきた。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100608/bdy1006081318004-n1.htm


 今年秋以降に新型インフルエンザの再流行が予想されており、この総括内容が生かしながら国や自治体は効果的な対処行動をして欲しい。

 ワクチンに関する基礎的研究も少しずつ進展している。

インフルエンザワクチン働く仕組み解明、阪大
2010.4.1 03:00
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100401/bdy1004010302000-n1.htm


 以下のようなトピックもある。梅干しは和歌山県の特産品だが、和歌山医科大で梅干によるウィルス増殖抑制効果を認めたのが興味深い。その情報は、有名な<南高梅>の需要増に寄与し、また焼酎の梅干入りお湯割りも更に普及するだろう(笑)。


梅干し1日5個食べれば新型インフル予防 和歌山医大「ウイルス増殖を抑制」
2010.6.1 22:48

 新型インフルエンザ(H1N1型)ウイルスの増殖を抑える物質が梅干しに含まれていることを、和歌山県立医科大学の宇都宮洋才(ひろとし)准教授らの研究チームが突き止め、1日発表した。梅干しを1日5個食べることで予防効果も期待できるとしている。

 物質は、ポリフェノールの一種の「エポキシリオニレシノール」という化合物で、世界で初めて発見した。

 宇都宮准教授らは、梅干しから抽出したエキスを、H1N1型のインフルエンザウイルスを感染させたイヌの肝細胞に加える実験を繰り返し、有効成分のエポキシリオニレシノールを確認。ウイルスを感染させた細胞に、エポキシリオニレシノールを加えると、約7時間後にはウイルスの増殖を約90%抑制していたという。添加しなかった肝細胞はウイルスに破壊されていた。

 宇都宮准教授は「予防に有効で、梅干しを毎日5個食べれば、新型を含むインフルエンザにかからないことも期待される」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100601/bdy1006012251013-n1.htm
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