陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中身の薄い麻生/オバマ首脳会談が終了

2009-02-25 10:38:48 | 米国関係
 麻生首相とオバマ大統領の会談は、僅か1時間20分、通訳時間を考慮すれば、実質50分弱の話し合いと言う所か。儀礼的訪問の意味に加え、御両者とも理念・理想を語る「コンセプト外交」が好きなようだから、それを述べ合って無難に初対面を終わらせたようだ。

 ドルの基軸通貨としての信認維持に日本が協力すると言う事は、米国債を更に買いますとの意思表示であろう。日本が米国債を買い易くするため、両国は現在ドル高円安になるよう画策している(現在1ドル=97円)。だが、この為替操作は長続きしないはずだ。

 アフガンへの兵力派遣について、オバマ大統領は「陸自のイラク派遣」スタイルを希望しているが、それには乗らない方が良い。あくまで、海自中心の支援に限定すべきだと思う。

 北朝鮮は、近々「テポドン2」を試射するらしいが、オバマ政権はそれに対し何もしないだろう。オバマ政権の対北朝鮮政策は、基本的にM.オルブライト元国務長官のアドバイスによって実施されるし、彼女は親北朝鮮の姿勢を今もなお維持している。拉致問題に関しては、小ブッシュ政権同様のリップ・サービスをすることはあっても、具体的な行動は何もせず、だらだらと融和策が続くと割り切っておいた方が良い。

 この程度の会談内容では、麻生内閣支持率低下に歯止めを掛けるどころか、何ら影響を与えないと私は見る。せめて麻生首相は、米国発「年次改革要望書」はもう不要ですと明言すれば良いのに。


日米同盟強化を確認 オバマ大統領「偉大なパートナー」 金融対策の連携一致
2009.2.25 01:43

 【ワシントン=石橋文登、有元隆志】麻生太郎首相は24日午前(日本時間25日未明)、ホワイトハウスでオバマ米大統領と初の首脳会談を行った。両首脳は北朝鮮の長距離弾道ミサイルとみられる「人工衛星」発射準備について「緊張を高める行動を取るべきではない」と牽制(けんせい)した。発射に踏み切った際には、「初動が大事」として迅速に協調して対応することを確認した。世界的な経済危機に対処するため、内需拡大を図るとともに、基軸通貨ドルの信認維持が重要との認識でも一致した。

 両首脳は日米同盟をより強化し、アジア太平洋の平和・安定を見据えた「より重層的な関係」を構築することで合意した。北朝鮮の核問題については6カ国協議を通じ、検証可能で完全な非核化を目指すことを再確認した。大統領は拉致事件の解決を目指す日本の立場に理解を示した。
 
 また、世界的な金融・経済危機の対処策として、4月初めにロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)の首脳会合(金融サミット)に向けて、連携を強めていくことになった。特に、保護主義への対抗は「日米の重大な責務」と申し合わせた。大統領は日米が内需拡大策などで国内経済を立て直し、国際金融システムを支えていく必要があるとの認識を示した。首相は日米経済対話の新たな枠組みの検討を提案した。

 首相は会談後、記者団に「金融について一番肝心なのは基軸通貨ドルの信頼の維持だ。ドルの信頼維持のためにどうすればよいかという話をした」と語った。

 首相は大統領が提唱するグリーン・ニューディール政策に賛同し、技術面での協力に向けた協議を開始することになった。気候変動問題に関し、首相は「日本のエネルギー効率が最も高い」と指摘。カリフォルニア州の高速鉄道構想に日本の新幹線技術を導入するよう提案し、「米国の自動車文化を変えることにもなる」と強調した。

 アフガニスタン問題について、首相はアフガン・パキスタン担当特使に吉川元偉駐スペイン大使を起用する方針を伝えた。同大使は3月に訪米し、アフガン新戦略の策定にあたっているホルブルック特別代表(アフガン・パキスタン担当)と協議する。大統領はインフラ整備、開発など非軍事分野での日本の一層の貢献に期待感を表明した。

 会談は大統領執務室で約1時間20分行われ、冒頭大統領は「首相を外国首脳として最初に迎え入れたのは日米の強固なパートナーシップの証だ。日本は気候変動からアフガン問題に至るまで偉大なパートナーだ」と述べた。麻生首相は「最初の賓客としてお招き頂き非常に感謝する。数多くの課題に日米が手を携えて協力して取り組まなければならない」と応じた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090225/plc0902250148003-n1.htm
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