陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中共を意識した米・豪軍事同盟の強化:ダーウィンへ米海兵隊が駐留

2011-11-17 23:10:13 | 米国関係
 米国は、南シナ海を睨んだ米軍の展開を具体化し始めた。豪州北部の海岸都市、ダーウィンに海兵隊2500人を駐留させると言う。南沙諸島や西沙諸島の領有権を巡るシナ・中共とASEAN諸国の争いは、30年前から続いているが、今世紀になって資源開発と漁業権問題で両者が争うことも増えている。

 米海軍第7艦隊の存在は、シナ・中共にとって煩わしいものである。しかし、人民解放軍が空母建造を推進したり、潜水艦隊の運用強化体制が、中共に南シナ海を制覇する強い自信を生み出している。

 中共のミサイル技術は長足の進歩を遂げ、西太平洋に位置する米海軍基地を、先制攻撃する実力があるらしい。日本にある米軍拠点の中でも、沖縄の基地群は極めて重要だが、海兵隊の一部をグアムへ移転させたりして、機能分散化する計画が進行中だ。これは、米国の軍事費削減と平行して行われる。

 上記の海兵隊によるダーウィン駐留は、南シナ海の南方に米軍の存在を示し、かつ機能分散を図るものである。親中共ムードであった豪州が、駐留に合意したことは、同国が姿勢を大きく変えた証拠と言えよう。

 この配置転換が、普天間基地問題に与える影響は定かではないが、尖閣諸島へ中共が付け入る隙を与えないかと危惧される。

豪州に米海兵隊駐留へ 対中牽制強化
2011.11.16 20:54

 【ワシントン支局】オバマ米大統領とオーストラリアのギラード首相は16日、キャンベラで会談し、豪州北部ダーウィンに新たに米海兵隊を駐留させることで合意した。来年半ばに第一陣の一個中隊約250人を展開。将来的に最大約2500人まで拡大する。オバマ大統領は会談後の記者会見で「米国がアジア太平洋地域への関与を強化していることを明らかにするもの」と述べた。

 米海兵隊の本格的な豪州駐留は、戦略的、経済的に重要性が高まるアジア太平洋地域に対する米軍のプレゼンス(存在)強化の一環。海空軍の近代化により、南シナ海やインド洋で存在感を増す中国を牽(けん)制(せい)する狙いがある。

 現地からの報道によると、海兵隊は港湾に近いダーウィン空軍基地を拡充して駐留。部隊は6カ月間のローテーションで派遣され、同じく北部にある米豪統合共同訓練センターで訓練を行う。両首脳は豪州北部への米空軍機の展開を増やすことでも合意。米軍は有事に来援部隊が使用する装備や燃料、食料などの事前集積も行う方針だ。

 米軍の豪州駐留の強化は、今年9月に米国で開かれた外務・国防閣僚協議(2プラス2)で大筋で合意。米豪ニュージーランド相互安全保障条約(ANZUS)の締結60周年に合わせたオバマ大統領の豪州訪問で発表された。

 中国外務省の劉為民報道官は16日の記者会見で、「軍事同盟の強化と拡大が時宜にかなった行動か、議論の余地がある」と不快感を示した。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111116/amr11111620560005-n1.htm


普天間、グアム…海兵隊豪駐留の影響は
2011.11.17 00:56

 米海兵隊のオーストラリア北部駐留方針について、日米両国ともに在沖縄海兵隊の移転計画に影響しないとしているが、日本政府内ではアジア・太平洋地域における米軍の配置が抜本的に見直される可能性もあるとの見方が出ている。背景に米国防費の削減と対中抑止力の再構築という2つの課題があるためだ。

 玄葉光一郎外相は16日の記者会見で「在日米軍再編に影響を及ぼすものではないとの説明を米側から受けた」と語った。ローズ米大統領副補佐官も「普天間問題などに影響しない」と説明している。

 ただ、それは建前論であり、日本政府高官は「地域全体での再配置に米軍は踏み込むのではないか」と指摘した。

 普天間移設は実現のメドが立たず、それも一因に海兵隊のグアム移転経費は米議会で削減圧力が強まっている。最近になり、米議会の超党派が国防費削減に関する報告書を近く発表するとの情報も日本側に伝えられた。報告書には核戦力や空母、地上兵力の削減も盛り込まれるとの見方があり、国防費への風当たりは強まる一方だ。

 海空戦力を増強している中国に対する抑止力強化も抜本的な配置見直しを促す要因だ。海兵隊の豪駐留も中国軍が能力を向上させている弾道ミサイルの射程から遠い拠点に米軍を分散させる措置といえる。豪駐留を既定路線と指摘する防衛省幹部は「沖縄の海兵隊戦闘部隊も中国軍から遠ざける誘因が働く」とみる。

 東シナ海や南シナ海で米軍の接近と自由な行動を阻む中国の「接近阻止」「領域拒否」戦略に対抗するため、米国防総省は海・空戦力を一体運用する「統合エアシーバトル」構想の導入に向け、今月に入り特別部局の新設を決めた。部隊配置の見直しも検討するとみられる。

 広大な土地が広がり人口も少ない豪州には、訓練を行ううえで沖縄のような制約はない。

 これらの要因をすべてテーブルに乗せれば、平成18年に日米合意した米軍再編計画は「古証文」と扱われかねない。(半沢尚久)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111117/plc11111700590000-n1.htm


 米国軍事費の削減は、既定路線である。それが、日米安保体制に与える影響は予測出来ない面もある。日米安保条約が継続している間に、我が国は早く憲法改正を行って、自主国防体制を取らなければ、予想外の事態に対処出来なくなるであろう。
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1 コメント

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Japanese (noga)
2011-11-18 10:37:28
意思がなければ、動き出すもない。ただ、座っているだけ。待ちの政治である。
常習的なさせられ体験と、外圧に抗する反射運動しかできない。

日本人は、腕力もなければ、説得力もない。
日本は、武力もなければ、外交手腕もない。
上下社会であっても下の者は立派であるが、上の者は間抜けである。
「武器を持たなければ攻められることはない。だから、安全である」と独りよがりを言っている。この処世術は、空を飛ぶカモにも教えてやりたい。
中国に侵略される国や民族に対して、日本は何ら同情を示さない。行動の決意も示さない。堂々と日本軍が海外に出て行ったのは昔のことでしかないのか。

「私たちは詳しく説明したのに、日本政府はなぜ、国会で訓練の意義をきちんと伝えないのかと私は幾度も質しました。その度に外務省は『説明するとまた質問されてもっと説明しなくてはならない。どうせ社会党を説得することは出来ない』というのです。まさに責任逃れです。(引用: 「30年、日本を見詰めたメア氏の証言」  桜井よしこ氏)

有意思の人は、迅速である。積極的で・能動的であり出しゃばりである。自力宗か。
無意思の人は、遅滞する。消極的で・受動的であり、何事にも控えめである。他力本願である。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812





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