陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

シナ内陸部・貴州省の大暴動

2008-07-01 01:44:11 | シナ・中共関係
 シナ内陸部・貴州省甕安県(重慶の南に位置)の少数民族自治州で、女子中学生が強姦され殺された。この事件の処置を巡り、同省住民数万人が暴動を起こした。貴州省は、人口の38%が少数民族で、統治の難しい州と想像する。甕安県は、ミャオ族自治州に属する。産経新聞によると、

中国貴州で数万人が暴動 事件処理めぐり公安局庁舎炎上
2008.6.29 19:40

 【北京=野口東秀】中国・西南地方の貴州省甕安(おうあん)県で28日、15歳の女子中学生が乱暴のうえ殺害されたとみられる事件で、当局のあいまいな事件処理に怒った住民約1万人が、県政府庁舎や公安局を襲撃、数十台の警察車両が燃やされるなどした。集まった住民は数万人との情報もある。鎮圧に当たった当局側の発砲で1人が死亡したといい、中国国営新華社通信も29日、暴動の事実を伝えた。鎮圧で約150人が負傷、200人以上が拘束されたという。現地では、汚職や水質汚染に対する住民の不満も高まっており、こうした不満が暴動につながった可能性もある。

 29日付香港紙などによると、今月21日夜、同級生に呼び出され家を出た女子中学生が戻らず、近くの川岸で死亡しているのが見つかった。家族は現場にいた男2人と同級生を公安局に連れて行ったが約8時間後に釈放された。公安局は「女子中学生は、川に飛び込んで自殺」と説明、家族の調査要求にも応じなかった。

 23日には被害者の親戚の教師が何者かに殴打され、死亡したほか、調査を要求した複数の中学生も当局者に殴打され、大けがをしたという。釈放された男が県政府幹部の親族で、当局が事件を隠ぺいしようとしたとのうわさも流れ、暴動につながったようだ。

 ネットでは、公安庁舎を取り巻く群衆がなだれ込み放火、庁舎が黒煙と炎をあげる様子や消防車が群衆に囲まれる光景の動画が流れている。甕安県は人口約44万人、ミャオ族など少数民族の自治州内にある。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080629/chn0806291940001-n1.htm


 この記事だけでは、強姦事件に何故住民がここまで怒ったかが、今ひとつ分からない。タソガレさんのブログ<中南海ノ黄昏>には、状況写真も多いがそれを併せて読むと、
http://ihasa.seesaa.net/article/101838967.html

(1)試験官が、女子中学生A(15)に対し同級の中学生B(男or女?)へカンニングさせて解答を教えるよう要請した。Aは、これを(敢然と)拒否。ここで、Aは少数民族なのかどうか。Bは恐らく漢人であろう。この中学校の民族構成も気になる。
(2)6月21日夜、同級中学生Bが、女子中学生Aを自宅から呼び出す。すると、呼び出した中学生Bは女子か?別の無職男二人(中学生Bの血縁?)が呼び出し先でAを強姦し、その上で首を絞めてAを殺害。彼女の遺体を川へ遺棄した。
これでは、まるで物の扱いだ。
(3)公安は、家族の要請により現場に居た無職男二人と呼び出し同級生Bの身柄確保。強姦容疑で逮捕された二人の内一人は、党幹部(県副長)の息子との噂。
(4)6月22日、拘束8時間後に二人の男達を釈放。公安は、女子中学生Aが川へ身を投げ、自殺したとの見解を示す。
(5)6月23日、女子中学生Aの叔父(=教師)が、死因と犯人釈放の理由を公安局に問い糺したところ、何者かに撲打され大怪我、病院行きとなるも死亡。
(6)6月28日午後3時半、これを知った女生徒Aの通う中学校の生徒500人(!)が、義憤に駆られ、公安局へ押しかけた。だが、彼らは滅多打ちにされて、多数の怪我人が出た。
(7)更にこの事件をネットで知った住民数万人が、カンカンに怒って公安局へ押しかけ、大暴動となった。
(8)暴動により、公安局庁舎1階から3階まで全焼。暴動は6月29日未明まで続いた。警察車両20台が破壊される。警察は催涙弾や高圧電撃棒を使用して応戦。
(9)鎮圧のため2000人の武警(≒軍隊)が導入され、市民150人が負傷、200人(中学生30人含む)が逮捕された。
(10)6月29日、事件捜査を甕安県政府が約束する。

 大凡、このような所かと思う。事件の背景には、漢人と少数民族の軋轢もあると見る。詳しく知れば知る程、15歳の女子中学生は実に可哀想だ。偶々学問が出来たがために、鬼畜に襲われ殺されたようなものだ。また彼女の叔父も気の毒と思う。まずは、御両人の冥福を祈ります。

 共産党地方幹部の腐敗は、益々エスカレート、中央幹部以上に酷いと言う。相継ぐ天災に加え、共産党幹部の非人間的振る舞いが加わって、踏まれたり蹴られたりの地方在住人民は、やり場の無い鬱屈した感情が溜まりに貯まっているだろう。その蓄積が破断界に近づいているのではないか。

 内陸地方でこうした暴動が頻発し、上海や沿岸地域の中間層は株価暴落で不満が溜まる。それが連動して、<北京五輪>開催直前に何か起きるような気がしてならない。
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1 コメント

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■中国貴州省の暴動にみる壊れた中国の実態 (yutakarlson)
2008-07-02 14:21:39
こんにちは。今回の貴州省の暴動により、壊れた中国の実態がまた検証された形となったと思います。このままでは、中国は私がかねてから予測していた通り、北京オリンピック開催後に革命がおこり分裂すると思います。ここに書いていると、長くなってしまいます。是非私のブログをご覧になってください。
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