陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

竹島問題の決着をつけよう

2007-02-15 05:14:30 | 竹島問題
 2月22日は「竹島の日」である。島根県が独自に制定した日だ。外務省の煮え切らぬ態度に業(ごう)を煮やして、平成15年(2005)3月16日の県議会で可決して定めた。

 外務省は、違法行為の李承晩ラインが勝手に引かれた昭和27年(1952)1月から、韓国に対し竹島領有についてクレームを付けて来た。問題があるのなら、国際司法裁判所で決着をさせる事も申し入れている。だが、韓国はそれに応えず、呆れた事に接岸施設を整備、挙げ句は人員を竹島に常駐させている。これは、明らかに我が国領土の侵犯であり、防衛出動に値する。

 外務省は、HPで竹島が日本の領土であると明瞭に述べている。それだけの認識があり、自衛隊装備も昭和30年代に比べると格段に充実しているのに、何故か自衛隊による排除へ動こうとしない。

 歴代の首相、そして外相は、本当に竹島を取り戻したいと考えていたのだろうか。そうでは無く、ただ先延ばしをしただけであった。そして、安倍首相、麻生外相、久間防衛相は歴代内閣と同じように、この問題を避けて通ろうとしているのか。これは、憲法改正を行わずとも、充分に対処出来る内容だ。故小渕首相時代の平成11年(1999)3月23日、能登半島沖で発見された不審船に対し野呂田防衛庁長官(当時)は海上警備行動を命じた実績がある。

 国民の意志が固まっていないと考えるなら、政府は外務省HPに記した事をTVなどで大いに宣伝し、繰り返しアンケートなどをとって、国民の竹島問題への関心を深めてはどうか。8割以上の国民は、強力な竹島問題の解決を望むであろう。

 安倍首相が自衛隊へ防衛出動(自衛隊法76条第1項)を命じる前に、政府として取るべき外交的手立てはある。まず、1年以内に竹島とその海域から韓国関係者は退去すべき事を明らかな形で通告する。同時に、

(1) 竹島近辺の海洋調査を海上保安庁へ指示
(2) 韓国人のノービザ訪日規則の即時廃止を閣議決定
(3) 韓国へ国家債務保証が残っているのであれば、それを即時停止
(4) 在留邦人の引き上げ

を行う。次に様子を見て、

(5) 在日半島人の在留特別許可を全て廃止
(6) 最恵国待遇の停止
(7) 在韓日本大使の召還

と進む。それでも竹島から韓国人が退去しなければ、粛々と防衛出動に移れば良い。日米安保の関係上、米国には日本の意志を連絡する必要がある。場合によっては、在日米軍の力を借りる事も考えられるからだ。

 竹島とその海域で戦闘が起きても、領土・領海内の自衛活動であるから憲法9条に抵触しない。一方、韓国空・海軍がどのように出るかを読んでおく必要がある。韓国の軍事力は、首都近辺の自衛に関する以外、対外戦の統裁権を在韓米軍司令官が持っている。日本の言い分に米国が納得するなら、米国は韓国軍事力の発動を押さえるだろう。あるいは、米軍関与せずとして、一時的に統裁権を韓国大統領へ預けるかも知れない。それならそれで、堂々と両国は渡り合えば良い。

 要は、竹島問題の解決は、日本政府の決意とそれを支える国民の意志に掛かっている。2年目を迎える「竹島の日」に向けて、安倍政権はどのように判断するのだろうか。
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2 コメント

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トラックバックありがとうございます (ろろ)
2007-02-18 01:49:07
  防衛出動についての解説が非常に明快です。参考になります。

  感情的に「返せ」と言うだけでは変わらないという気がしている今日この頃、他のいわゆるネット右翼ブログと異なり、出色の出来映えと感じますね。

  トラックバック、こちらからも送らせていただきました。今後ともよろしくお願いします。

  最後に、トラックバック反映が遅くなって申し訳ありませんでした。
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世界の有力紙に広告掲載をするのは如何? (茶絽主)
2007-02-18 09:37:59
ろろ様

御褒めに預かり、嬉しく存じます。
2年前に比べると、「竹島の日」制定もあって国論は成熟して来たように思います。それを受けて、政権担当者はもっと自信を持つべきです。

外務省のHPに書かれている事を基本にして、NYタイムズ、WSJ、FT、英国のタイムズ、フランクフルターアルゲマイネ、ル・モンド、アル・ジャジーラなどに全紙面広告や動画宣伝を行う。これは、相当に有力と思います。国家予算からすれば、その費用は大した事は無い。要は、日本が50年以上韓国の理性を期待して、じっと待ったと言う事を世界に発信すべきです。

フォークランド紛争で、サッチャー元英首相の取った選択は見事なものでした。英国は自分の意志を通し、世界もそれを認めた。その後、英国とアルゼンチンは何も無かったように国交を続けている。そんな形を期待したいですね。

毎年一片の外交文書を送り続けている外務省の姿勢は、本年から改めるべきです。麻生ファンは、彼の言う事を一々悦んでいるが、彼は外交案件で具体的に何かしたのでしょうか。昨年4月の調査船問題で腰砕けになった麻生氏の姿勢(安倍官房長官も協力)に、私はがっかりしました。

単に「返せ」と言うだけで無く、竹島問題解決のグランドデザインを現政権に示して欲しいと願うものです。
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